宣伝の話(7)ー「南京大虐殺」と言われたら?

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 あまりにも良く聞かれるので、まとめて回答を。
 初級・中級・上級、と理解できたら次に読み進んでください。

 まずは初級編。
私は院生駆け出しの頃はよく絡まれたものです。
「日本人は中国人に対して未来永劫謝っても謝り足りないんだ!」
「残留孤児を育ててくれたようなあんないい人たちを侵略して大虐殺したんだ!」
「私の知り合いは南京で大虐殺をしたと言っていたぞ!」
「南京大虐殺が無かったなんて言い出す奴は人として問題があるんだ!」
「お前なんか歴史学者の資格がないんだ!」

 そんな時の私の一言。ほ〜〜う。左様でございますか〜。

 大体、鼻であしらうかのような私の態度が、中国人への謝罪こそが宗教的正義であると確信しているような狂信者の態度を逆なでするらしいですね。

 で、連中が金科玉条の如く言い出すのが、
「実際に虐殺した人がいるんだ!無かったなんてなぜ言えるんだ?」
です。
 よくよく聞いてあげると、日本軍の兵隊さんが、中国の民間人をいかにむごたらしく殺したかについて語ってくれるだけなのですが。
 この程度の反駁で沈黙するようでは、日本人は永久に謝罪し、働いた富をむしりとられるだけです。指導者はもちろん、国民全員が動じないようにしなければならないのが、このレベルの議論です。
 国際社会は、アイデンティティー・ウォーなのだから、これくらいで引いてどうする?原爆投下を正当化するアメリカ人やチベット虐殺を正当化する中国人にその時点で負けではないか!などと気負う必要もありませんが。

 私の場合、まあ、相手に好きなだけ言わせてから
「で、それのどこが虐殺なのですか。とりあえず虐殺の定義を教えてください。まッさかァ、むごたらしく民間人を殺すこと、とか国語辞典に書いてあるような定義を、およそ学術的な、しかも政治的に繊細な問題に持ち出す恥ずかしい真似をするつもりはないですよねえ?」とでも聞けば、ほぼ100%近く思考停止をして終わりです。

 まあ、これでも難しい人は「虐殺」の定義を聞くだけで良いでしょう。
あとは、
「あなたは虐殺が何かを知らないのに、日本人が虐殺したことを知っている。その理屈が通れば、あらゆる冤罪を組み立てることができますねえ。」などと、相手が如何に非論理的で、文明の常識をわきまえていないかをひたすら攻撃し、私が悪うございましたと自己批判させるだけである。相手に「冤罪製造機」とかそういうあだ名をつけて上げましょう。
 ここまでやれば初級編終了ですね。

 次に中級編。
 あとはもはや余談になりかねないのですが、一応「虐殺」の定義を。
 Massacre(大量殺戮)の定義で説明しますと、
理由もなく、むごたらしく殺された状態」が虐殺です。
 繰り返しますが、「理由もなく」が重要です。
 国際法、特に戦時国際法は不可能を要求しません。また軍事合理性に反する殺傷の禁止が、国際法の求めるところです。

 ちなみに「理由もなく」の論理は、被害者が大量でなくとも、個人の戦争犯罪(war criminal)でも同じです。

 だから、「南京で虐殺が起きた」と立証したいならば、日本軍が「理由もなく、むごたらしく殺した」という事実の提示が必要です。被害者が戦闘員だろうが非戦闘員だろうが構わないですし、私は最近の世界的な通説と違い「組織的命令で行われたか否か」にはこだわりませんが、
まさか
「中国国民党軍の最高指揮官が玉砕命令だけ出して自分は逃げた」とか
「中国国民党の敗残兵は、負けそうになると制服を脱いで民間人に紛れ込んだ」とか
「しかも、そこにいた中国人の民間人をも殺傷したり略奪しながら逃げた」とか
「ましてや国際赤十字が非戦闘地域に指定した地域に乱入して略奪を働いた」とか
「中国国民党軍はそもそも便衣兵(ゲリラ&テロリスト)を使嗾するのでそもそも戦闘員と非戦闘員の区別ができなかった」とか、
国際交戦規定を守る気など存在しないと断定されても文句を言えないような態度は一つもとっていないでしょう。きっと。

 以上のようなことが一つでもあると、日本軍は自己防衛と秩序維持のために、戦闘員と区別して非戦闘員を全員守る、などできなくなりますから。
 アメリカなんか、ベトナム戦争でそこまでいかない段階で「村ごと焼却」とか平気でやってましたから。

国際法の大原則

疑わしきは殺せ!

を知っていますか。だから、戦闘員と非戦闘員の区別が重要になるのです。これは支那「事変」だろうが、抗日「戦争」だろうが、同じです。

 ちなみに南京での日本軍は?
 あまりにも軍隊の規律が良かったので

感謝状までもらいました。

 さらに上級者向けの話としては、
「虐殺ですか?ではmassacre(大量殺戮)ですか?genocide(民族殲滅)ですか?atrocity(都市大量破壊)ですか?」とか聞いたら、相手はたぶん涙目でしょう。
あれだけ亜細亜主義者だらけの日本に「中国人を皆殺しにしよう」などと本気で考えた人がいる訳も無く、genocideなど概念としてありえないのですけどね。
 ついでに、holocaust(ユダヤ人虐殺)もありえません。
「南京で虐殺された中国人はユダヤ人だった」とかトンデモ説を立証できるならどうぞ挑戦して欲しいですが。「Nanjing Holocaust 1937」などというタイトルで流れたりすると、「日本軍はユダヤ人を殺したのか?」などと意味不明な勘違いをされかねないので、およそ学術研究に携わる人は、恥ずかしい英語を流さないで欲しいものです。

 まあ、日本政府にも軍にもmassacreやatrocityの意思が明らかにない以上、どんなに「私は虐殺をしました」的な証言を集めてきて、しかもそれが事実だと立証できたとして、単なる個人の戦争犯罪、が関の山ですね。どうぞ頑張ってください。

 結論。「南京事件」などという表現ですら、教科書に載せるような事件ではない。