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帝国憲法改正案・第九条

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 第八条に引き続き、緊急時規定。

第一案
天皇は法律を執行する為に又は公共の安寧秩序を保持し及臣民の幸福を増進する為に必要なる命令を発し又は発せしむ。
但し命令を以て法律を変更することを得ず。

第二案
天皇は法律を執行する為に又は行政の目的を達する為に必要なる命令を発し又は発せしむ。

 第一案は帝国憲法そのまま。
 第二案は松本案です。
 内容は同じですが、簡文主義の観点から松本案を推します。
如何。
 ちなみに佐々木案は、繁文になっています。

 要するに、基本は内閣(総理大臣)が、政府機能が麻痺すれば天皇が必要なことをするということです。
 ただ、松本案を日本国憲法の頭のままで導入すると、「行政の定義は?」とかで、シッチャカメッチャカになります。
 現に、「中央銀行の業務は行政に含まれるか」という難問をまったく解決していないですし。

 命令で法律を変更できないとは、恒久的な国民の権利制約をできるのは議会だけであって、政府にその権限を認めないという意味です。第八条と趣旨は同様です。
 天皇の名を以って許しませんという意味も含まれます。

 今次大震災を思うにつけ、なぜ帝国憲法の八条と九条を考えようと言う気が起きないのでしょうか。
 次回は同じく緊急時規定の第十四条。