最後は保守論客で締めようということでこの二人でした。
いかに戦後の言論空間が悲惨だったかという意味で。
もちろん、存命中の人は却下。
人選では福田恆存という案もありましたが、この思想史コラムの肝が漱石なので、江藤淳になりました。芥川を入れていたらアリだったのですが。
あと、私が書くとしたらそんなに時間が無い状況が想定されていたので、書きやすい人という事情も。
仮に福田にしても、最終的に選んだ二人にしてもアンチアカデミズムの評論家、とは決めていました。山本七平の記述って全部、丸山への当てこすりに読めなくもない?
それはそうと、二人とも自己認識は第三の立場ですね。
日本を愛するがゆえに日本政府を批判する立場です。
ところが世の評者が勝手に「日本を愛するために日本政府を批判しないで肯定する」という
第四の立場にしている感がありますが。
このコラム、最後は完全に「あとがき」になっていますね。意図的ですが。
ということで、このシリーズの締めくくりとして再掲。
冷戦は終結したが、日本は敗戦国のままである。オリンピックやワールドカップでは老若男女を問わず日の丸を片手に日本を応援するが、自国のことを自信を持って「我が国」と呼ぶ習慣は廃れた。
戦後体制を維持するのか、脱却するのか。現代日本における思想的争点となっている。
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