盗聴と防諜の小話

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 1月18日からの通常国会、自民党が最初に何を問いただすかに注目している。総理や与党幹事長の政治資金だけに終始する、が最悪である。

 何よりも、「陛下の政治利用は憲法四条違反である」と内閣法制局長官に問いたださなくてはならない。総理に聞いても「合憲です」と答えるに違いない。
だからこそ戦後五十年、憲法解釈権を独占してきた内閣法制局の長官に、
「法律家としてどう思うか」と聞くべきである。

 一度は癌を患われた七十五歳の陛下に訪韓を強要したあげく謝罪・・・、などという事態になれば如何か。過去の出来事を看過する者は未来に呪われる。

 さて、関連というか、小沢訪中団が話題になった。しかし、一年生議員でついていっただけならば、目くじら立てる必要はないと思う。この時期に今の立場で、あえて特定の人々に警戒感を抱かせる必要はないので。度を越えてはしゃぎまわっていたとか、そういうことがなければ良いのでは?

 独裁国では当然、民主国ですら、政治家が外国に行く時には常識として気をつけていなければならない常識がある。それは、いかなる場所でも盗聴盗撮の危険があるということである。
某国などは、水槽の金魚の体内に盗聴器を仕掛けていた、などということもあるらしいので、
完全な盗聴器発見は無理、と考えて行動すべきであろう。

 このような場合でも、歴史に親しんでいれば何かしら考えるヒントは与えてくれるものである。戦国時代に毛利元就という武将がいた。強大な陶氏と戦うために厳島に城を築いた。
しかし「あれは失敗だった。攻められたらひとたまりもない」とつぶやく。
しかもそれを敵の間者(スパイ)に聞かれてしまった。
元就は、あえてその間者を逃がした。
実は完璧な要塞設備が出来上がっており、陶氏の大軍を誘い込みたかったのである。間者の報告を聞いた陶氏は大軍を率いて押し寄せ、元就の経略どおり、惨敗した。
以上を、誤誘導(disinformation)と呼ぶ。

 聞くところによると、二〇〇二年平壌会談で、安倍官房副長官は休憩時間に、「拉致被害者を返さないなら、経済援助などビタ一文出す必要はない。席を立って帰りましょう」と、盗聴器にはっきりと聞こえるように発言したという。
午後の会談の成果はご存知の通り。五人は帰国できました。
歴史が動いた瞬間ですね。

 ちなみに前近代の武士達は本当に聞かれたくない会話は、火鉢の砂に書いたとか。
すぐ消せますし、完璧な防諜ですね。