「勝負手」という概念

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 小利口なだけの受験秀才君には解けない問題を一つ。

 問い。不利なときにとるべき手段として明らかに不適当なものを選べ。

一、とにかく永遠に最善手だけを続ける。
二、時が来るまでじっとしている。
三、相手の隙に乗じて一か八かの奇策で打って出る。

 

 

 明らかな正解は一です。既にこちらが不利な状況で最善手しかできないと、それはジリ貧になってしまうだけなのです。常識的な判断として勝てない勝負になっているのに、常識論しかできないと、遅かれ早かれ負けてしまう訳です。

 歴史上でも、昭和十五年(一九四〇年)のアメリカが対日戦をやる気満々な状況で、「対米英融和」などとできもしない、一見常識的な最善手だけを言い続けた無能な外務官僚たち。何の役にも立ちませんでしたね。かといって、「日独伊三国同盟」などは単なる悪手で逆効果でしたが。

 ちなみに、問いの正解は「二のち三」です。
 これは将棋など勝負事をやっている方はわかりやすいでしょう。不利なときに無理に動いたら、相手に正しい対処をされると余計に苦しくなるだけ。だから、とにかく局面を複雑化して相手を迷わせ、敵を分散させ、我を集中し、相手が隙を見せた瞬間に勝負ができるように持ちこたえる。好機が来たら一気に動く。
 歴代名人の御著書にはそろってそう書いてあります。

 現実社会でもそんなものではないでしょうか。
 有利な時は、最善手だけ指して、次に何をすれば良いか、局面をわかりやすくすれば良いわけです。
 ということは、不利からの逆転にはその逆が必要なわけです。

 ここで日本を乗っ取りたい人の立場になってものを考えて見ましょう。
一、鳩山動揺。ほっておけば支持率が下がる。傘下の議員の選挙準備は怠りなく。
二、政変の前に必ず予算は通しておく。
三、とりあえず誰でも良いから支持率の高くなりそうな首相を据える。
  小沢幹事長の下で自治労&日教組以下の組織が動ける状態にしておく。
四、支持率が高いうちに衆参同日選挙。
  衆議院が多少議席を減らそうが、参議院でも単独過半数。
 以上が、一番わかりやすい訳です。ついでに言うと、鳩山首相の支持率が回復すればなお良し。さらに、今年の参議院選挙が単なる正解の陣取り合戦だと多数の国民が認識してくれればなお良し。

 ということで、危機を一人でも多くの日本人が認識しなければならないとお分かりいただけたでしょうか。それ無しに勝負手を打つ機会がない訳です。

 まずは身の回りの人すべてにこの砦の話を伝えてください。
 倉山満という命知らずな愛国者がいると御伝えください。