官僚機構に詳しい人は「官僚たちの夏」の風越はとんでもない官僚であると思うしかないようですが、普通の人はドラマを見ると「昔の官僚はみんな国のことを思っていたんですね」と感じてしまうらしいですね。
私の言っている事は、「現実には真面目な官僚もいるが、あんな官僚は理想像でも何でもない!」です。別の言い方をすれば、「変な官僚の美化は真面目な官僚に迷惑であり、国益に反する」ということです。
さて、元官僚による「変な官僚叩きは国民の為にならない」との立場で、御著書を書かれているのが山本直治氏。あえて「歯切れのいいことを言わない」というのも異色の立場です。
近著が『お役所バッシングはやめられない』(PHP新書、二〇〇九年)です。
感情的な役所いじめ、細かい事を考えない制度いじりの議論はかえって有害である、などは参考になる視点かと思います。
官僚叩きには正論も含まれるとは思うのですが、しかし相手の立場を認めない議論、相手が何を考えているのかをわかろうとしない議論は、それはもはや議論ではないと思います。
自分に正論だと思う意見があるように、相手にも言い分・論理がある訳です。本当に、ただ壊すだけでなく、何かモノを作ろうと思うならば、相手の論理を知る、というのは不可欠かと思います。
ということで、官僚叩きの猛威の中で、あえて時流と逆の主張をされていると言うことで、ご紹介いたします。