霞ヶ関維新

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 小泉内閣以来、公務員制度改革は重要な争点でした。特に安倍内閣はこれの取り扱いを間違ってしまった為に政権の命取りになった訳ですから。日本近代史の禁忌がここにあるのです。

 鳩山総理はどこまでできるでしょうか。

 本日13日付けの『朝日新聞』に「官僚たちの秋」と題する特集。「官僚たちの夏」の貴島プロデューサー曰く、「理想の官僚を描きたかった」と。第二部になってからのこの番組、架空の度合いが強すぎて論評不能になってきているので何とも言えないのだが。

 さて、隣に載っていたのが「新しい霞ヶ関を創る若手の会」代表の朝比奈一郎さん。最近、『霞ヶ関維新』との新著を出版されており、早速購入。

 この人には実は前々から注目していたのです。何年か前にフジテレビの日曜朝の番組に朝比奈さんと「〜若手の会」の皆さんが出演していらして、その時の主張が

「?特殊法人の廃止、?天下りの禁止、?キャリア官僚制の廃止」でした。

 寝ぼけ眼だった私、飛び起きました。???のどれでかは御想像におまかせします。普通の人には何のことやらわからないかもしれませんが、聞く人が聞いたらこれ、命賭けの発言なのですね。しかも、今まで無数に居た「さらば霞ヶ関」ではなく、内部に残って自分達の仕事をきちんとできるように改革がしたい、とのことでしたから、なおさらです。

 黒岩キャスターの「官僚って、全員がスペシャリストじゃなかったんですか?」との発言が印象的でした。

 さて、同書の主張は国家戦略を策定する「総合戦略本部」の設置、民主党政権では導入されるようです。副総理兼政調会長の菅直人大臣が国家戦略局(室)担当大臣だそうで。

 問題は朝比奈氏も指摘されているが、器ではなく中身です。例えば、一〜三種の採用区分が、「総合職・専門職・一般職」と変わっただけでは無意味な訳です。

 現在の次官・局長が政治家の真似事をやる仕事に堕しているのは既に書きました。また登用に際しても、その省が何人かに絞った中においては大臣の介入する余地はあるのですね。いきなりノンキャリアから局長や次官に登用、などということがないだけで。言い換えれば、中央省庁の局長・次官は、東大法学部出身者(と極一部の例外的な)キャリア官僚にだけなる資格がある、というのが実質です。

 戦前の陸軍があれでもまだ他の省よりまだマシだったのは、平時でも対抗演習で勝った将軍を出世させていたからです。

 中国で最も有名な日本人と呼ばれ、心ある中国人からは敵として尊敬されている将軍に、岡村寧次大将がいます。岡村将軍の日記などを読むと、他の細かいことは無視して、「戦争に強いかどうか」だけで人物評をしています。実際、岡村兵団と言えば、昭和二十年になってもほぼ無傷で、蒋介石に尊敬され、スターリンが脅えていたほどの方です。その証拠に、満州では狼藉の限りでも、岡村兵団のいる万里の長城の南には一歩も入らなかったのです。

 公務員制度改革の本質は、仕事ができる官僚が報われる、に尽きるでしょう。

 言うは易く、行うは難し。むしろ公務員改革は、中の人たちにとっては命がけの話ですから言えない話もあるでしょう。結果を楽しみにしています。

 あらゆる機会に応援します。応援するということは一緒に戦うということです。