他人を褒めることができるから大人

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 皆様、熱心な書き込み、ありがとうございます。土曜日以来、大変な忙しさでして、明日の準備やら原稿やら校正やらなんやで皆様の御質問にお答えできない状態になっています。申し訳ありませんが、もう少しお待ちください。今、こうして書いているのもたぶん今日中に更新は難しいと思いますので。とはいうものの、仕事が遅くて、あと本を読む速度が遅くなって、自分でイヤになるのですが。「学術書一日一冊」をきっているのは少しまずいかなあ、と反省する今日この頃です。昔から論文を書いているとさすがに読めていないのですが。ただ最近は、思索にふける時間が増えました。本気で天下国家を想うとはこういうことか、と体感しています。頭が痛くなりますね。

 という次第なので、あまり本格的なネタは書けないので、さらに渋滞してしまうのですが、土曜日に思った少しイイ話を。最近は帝国憲法講義の常連さんも書き込んでくれているようで、うれしいのですが。

 他人を褒めるーしかも心を込めてーということに関して。

 私は、大学院生時代までは「倉山も人を褒めることあるんだ」などと言われていたものなのです。まあ、色々とんがっていましたので。学界の、というか、周囲の向上心のない人たちに取り囲まれている状況に対して、ですが。でも、極力辞めるようにしたのです。どうしても言わざるを得ない相手はいますけど、言い出したらキリがないので。

 今の時代、「世の中が駄目だ」など子供でも言えます。「アレが駄目だ、これが駄目だ」っていくらでも言えるのですね。だからこそ、「では何が良いものなのか」「こうすれば未来を切り開ける」といえる人こそが大人なのだ、と思うのです。

 この砦でも、「イイ物」を紹介するようにつとめています。で、土曜日にあったお話を。

 竹田研究会の仲間で、9月24日の記事で紹介させていただいた、赤坂大輔先生と某局プロデューサーKさんに関して。

 Kさん、歴史作家でもあられる赤坂先生の御著書、ちゃんと買って読んで、読みどころをみんなにご紹介されていました。Kさん曰く「きちんと一次史料に基づいて、おもしろい話を伝えている。この本を読んで大河ドラマを見ると、妻夫木聡が極悪人にしか見えない。直江兼続ってあれほどの無差別殺人をした人はいない大陰謀家。勝者が歴史をどれほど歪めるか、という見本のような話。上杉謙信ファンも驚く内容。直江ファン必読の書。」と。さすが、何だか読みたくなったです。こういう風に、切れ味鋭く人の良いところを紹介できる人になりたいですね。今の日本、優れた批評家に恵まれていないと痛感します。

 赤坂大輔『愛・直江兼続の敗北』(新人物往来社。二〇〇九年)

 皆さん、買いましょう!

 で、その赤坂先生に「この前の『歴読』の倉山さんの文章、最後の一段落に必ず余韻がありますねえ。一人ひとりの人物に対する細やかな愛情を感じます。」とお褒めいただきました。自分で読み返してみて、「確かに!」(自画自賛)。自分では気付かないものなので、うれしいものです。

 最後は何だか・・・になりましたが、「この砦、一日二回見てください。必ず良いことがあります。本人が更新するか、誰かが書き込みしてますから。」といった手前、頑張ります。