最後の大物次官・・・。
武藤敏郎「え?」
勝栄二郎「え?」
木下康司「え?」
岡本薫明「俺じゃねえのかよ!」
茶谷栄治「最後の大物大蔵次官は斎藤さん。俺は最初の大物財務事務次官」
今まで一切マスコミにでなかった、
斎藤次郎元大蔵事務次官がインタビュー。
曰く、財政規律の為の増税と歳出削減の重要性を説いた上で、
「税収を増やしても、歳出をカットしても、財務省は何一つ得をしない。むしろ増税を強く訴えれば国民に叩かれるわけですから、“省損”になることのほうが多い。国のために一生懸命働いているのに、それを『省益』と一言でバッサリ言われてしまっては……現場の官僚たちはさぞ心外だろうと思います」
これには二つの反論がある。
一つは、財政規律を理由に景気回復策を遅らせる増税と歳出削減により景気回復に歯止めをかければ、政権に対する拒否権になる。景気が良くなりすぎて財務省のコントロールが効かない状態は避けられる。これが省益でなくて何か。
もう一つは、本気で景気回復など後回しにしてでも財政規律による増税と歳出削減を実現するのが正しいと信じている原理主義者及び上に言われたので何も考えずに邁進する下っ端。
それ、カルトだから。省益を考えている奴よりタチが悪い。
斎藤さんほどの方が、この程度の理屈をわからないとは思えない。というか、インタビュアー、これくらいは突っ込めなきゃ、ジャーナリストでも編集者でもなかろうに。
この二つが同時に存在するから、今の財務省は病理なのでは?
かつての大蔵省は、「経済を富まし、国家の意志である予算を配分することによって、日本の国益を守る官庁である」との自負と実力があった。
そういった自分たちの誇りある歴史を思い出しては?
とりあえず『財務省の近現代史』(光文社、二〇一二年)くらいは読んだら。著者名は忘れたが、あれは名著だ。