横畠に遊ばれる保守

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こんな記事あったのね。

新元号「分離案」に法制局「違法ではないが、適当でない」

霞が関文学が読めれば、法制局の言っていることがわかる。

要するに、元号の事前公表に対し、法制局が「違法ではないが、適当ではない」と見解を示したので、保守派は「不適当だからやめろ」と主張し、官邸官僚は「違法ではないのだから、構わないだろう」と反駁したというもの。

では結果は? 違法ではないのでという判断に従い、事前公表となった。ついでに法制局は「新天皇に公布させるために先送りした」となれば、改元手続きで天皇に配慮したことになり、天皇の政治的関与を禁止じる憲法に触れる恐れがある」とまで言ってのけたとか。保守派の完敗。

「国語として読めば、逆説の接続詞は後が大事だろう」と言うのは素人見解で、官僚はそんな基礎を踏まえて応用で生きている。実は、この場合は「が」より前が大事。なぜか。

「違法ではない」は法律論。

「適切ではない」は政策論。

では、法制局は何の役所? 法解釈をする役所。政府が何かの政策を行う時に、法律の専門家として見解を述べる。権限と責任があるのは、法律論の方。政策論には権限もないが、責任もない。

では法制局が不適切と思うことを政府がやった場合、だれに責任が? もちろん政府。つまり、当該発言は「あんたの責任でやるならどうぞ」ということ。で、政府の責任でやらした後に、おもいっきり「天皇ロボット説」をぶっこんできた。

たぶん、政府の人たち、法制局が何を言っていたか、わかんなかったんだろうね。「違法ではないですが、私は不適切だと思うんですけど、どうしてもやりますか~」と弱弱しい態度に対し、「政治の責任でやる!」と力んだら、法制局は「政治主導でやるなら」とやりたい放題やられた。

皇室を貶めるのに、安倍内閣は一役買ったわけですね。

なお、イギリス憲法では権力を二つに分けて理解している。一つは権限。もう一つは、影響力。法制局、見事に影響力を行使していますね。

内閣法制局長官横畠裕介。見事に保守をもてあそんだとさ、の巻。