既に店頭に並んでいる『歴史読本』9月号に
「知られざる満洲のキーマンたち」を寄稿しました。
関東軍がいた時代の満洲のキーマンをかぶらないように5人選んで解説するというのが私の担当。ということで、著者自身のコマーシャル。
後藤新平
大風呂敷とあだ名された、日本の植民地経営者
今のご時勢に、後藤を語るのに理由はいらんでしょう。
といっても震災の話なんかつけたりで、満洲時代の話だけですけど。
中華世界では正規戦が終わってからが本番。⇒日清戦争後の台湾平定が本番。
鉄道もまともに敷けん国は文明国ではない。⇒図らずも某大国への嫌味になった。
ハリマンなんか追い返して何の問題も無い。⇒これを日米戦の起源にする奴の気がしれん。
なんかは、学界に遠慮している人は書けないでしょうね。
川島浪速
清朝の皇族と親交を結んだ満蒙独立運動の先駆者
要するに大陸浪人。
満洲とモンゴルと漢の区別もつけないで「日本は中国を侵略したぁ」などとほざくアホがいまだに多いので(日本は社会主義国か?そもそも中国って島根県か?)、川島を通して描きました。
川島の行動が国益にかなっていたかの冷徹な評価は別として、侵略など微塵も考えていないのだけは史実。自称実証主義者はここを二重基準どころか、五重基準ぐらいの詭弁を使ってごまかすのが常。
まじめな歴史家なら、「日本の国益を度外視してまで満洲人やモンゴル人のために戦った右翼」が国益を結果的に損ねた話をすべきでは?
まあ、自称実証主義者は「漢民族は民族紛争の加害者」だという事実を隠蔽するのが実証主義だと思っているから度し難い。少しでも奴らの機嫌を損ねると「それは実証的ではない!」と馬鹿の一つ覚えのヒステリーを起こす。近寄らないのが一番。
川島芳子?書くことがないことが、書くべきこと。
そんなことより石井菊次郎!⇒2009年8月6日、7日の記事を参照。
ヴィクター・V・リットン
満洲事変のため派遣された調査団長
DNB(英国人名事典)に、「妻の元彼がチャーチル」とか書かれている人。
ふんだりけったり人生。
ほとんど内田康哉という人物のセイ。⇒2009年10月8日の記事を参照。って知らないうちにレスが。。。
満洲がいかに無法地帯だったかは詳述。その事実と国際法を知らないと、満洲事変が何も理解できませんからね。外務省・平和主義vs陸軍・人権尊重・・・日本国憲法の理念の分裂???
あと、「満洲は東洋のバルカンだ」と呼号する奴に限って「ブルガリア方式」を無理解だから困る。
どうでも良いけど、イギリスの話を書くとき、ワルツのような文体になるなあ。。。
大橋忠一
対米戦回避のため、松岡洋右外相の下で尽力
杉原千畝の上司として。
外務省関係者には絶対かけない杉原千畝の真実。
「杉原千畝に謎なんかない!」
キャリア・ノンキャリアの関係がアパルトヘイトだとわかれば、全部説明がつくし。「ユダヤ人差別」なんて言葉を持ち出す必要すらない。
この項はいつもと違って、国際法の議論とか全部消して、ひたすらエスピオネーゼ(諜報)の話ばっかりです。
「廣田弘毅、一世一代の大仕事。スターリンを恫喝」とかも出てきますよ。
梅津美治郎
敗戦に際し重光葵とともに降伏文書に調印
実は、昭和史の超重要人物なんですけどね。是非やりたかったけど字数が大河ドラマ分はないと足りない。
梅津ある限り、スターリンはビビッて攻めて来れなかった。
戦わずして勝つ有能な軍人です。東條英機と違って。
有能なキャリア官僚でもあります。石原莞爾と違って。
飯村穣(総力戦研究所所長)の梅津評はあまりにも的確なので、長文引用しました。
ということで、ご興味がある方はどうぞ。