近代日本政治思想史を四分割する(6)―吉野作造

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 何をどこから書けば良いのかわかりません。
書くことが多すぎて。笑

 とりあえず四分割だと、日露戦争までは第四、日露戦争で勝ってからは第三の立場です。
これを「転向」だのなんだのという方が多いのですが、日露戦争に勝たねばデモクラシーも何もないのは当時の大多数の人間、それこそ幸徳秋水とか超少数派以外の合意事項であって、そんな連中を過大にとりあげる教科書の方がおかしいのであって、吉野は極々普通の人だということです。ここまでは国民国家として生き残らねば話にならん、が最大の課題ですから。

 日露戦後は、世界に冠たる大日本帝国になって、台湾・朝鮮・南洋委任統治領と、どんどん別文化を持つ他民族も抱合するようになったので、やりかたを考えましょう、というのが吉野の立場です。
第二の立場の人は勝手に吉野を自分達の守護神に祭り上げて、
第一の立場の人は吉野を攻撃する、というのが思想的流れです。
第四の立場の人はよくわからず、第一(か第二)と見立てて攻撃しているようですけど、
吉野は第三の立場のチャンピオンです。
右か左かの二分論だと見えないのですが。

 紙数に余裕があれば、芥川龍之介・石井菊次郎・同時代の憲法学者たち(美濃部達吉・佐々木惣一・清水澄)と並べて論じたかったのですけど。
大正デモクラシー(リベラリズム)、それくらいはしないと何が何だかわからないのです。