重版御礼(1)―「尊王」「攘夷」は日本人の総意

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 私の大学の後輩で、北朝鮮に拉致された中大生を救う会 第二代幹事
南竜也君が『総図解〜』のことを10回連続でつぶやいてくれそうなので、御紹介。
http://twitter.com/nantatu

 本当は潜るつもりでしたが、15分以内で書ける内容になりそうなので1日1回は浮上します。
(普段は30分くらいで書いてます。気分が乗ると1〜2時間・・・ギリシャとかハマコーとか)
 レスはつけれないと思いますのですいません。
 このネタに関連するレスはこちらでお答えします。

 南君は、「拉致はでっちあげ」だと言われていた時期から蓮池薫さんを取り返す活動をしていて、「駅のホームでは真ん中にいろ」とか忠告されていたそうです。(私もですが)
 まず「母校愛」に訴えて中央大学関係者や現役学生・卒業生に蓮池さんの存在を知ってもらい、できるだけ蓮池さんの名前がメディアに載るように活動する事で北朝鮮に正しいメッセージを送ったり、と国民世論に広げていった立役者です。
 将来を期待される若者ですのでここに御紹介。

 ついでに、良い機会なので重版御礼も兼ねて解説&レスを。以下、南君のつぶやき。

1.『幕末』では攘夷は幕末・明治を通じて日本人の共通認識であった事や「尊王」と「佐幕」は対立概念ではない事など先入観から誤解しがちな当時の状況をわかりやすく解説している。

 これは叔父さんの息子さんのレスでも取り上げていただいた点ですね。
 お褒めの言葉、ありがとうございます。

 まさに「尊王」は日本人の総意で、佐幕派こそ「公武合体」で頼りましたから。
「佐幕」派と「倒幕」派が天皇の最終的な支持を求めて抗争したのが幕末ですから。

「攘夷」と「開国」を対立概念とする考えですが、そんなものを本気で最後まで信じていたのって、大村益次郎を暗殺した神代直人とか級の大馬鹿者くらいです。
 吉田松陰とかは「攘夷」論者にして「開国」を絶叫し続けていましたから、従来の教科書的説明では説明がつきません。そこでより長い歴史的視野で説明してみました。
「攘夷」の実現は日清戦争です。とすると「開国」論者とは要するに「時期尚早論」でした。
「尊王」「攘夷」は当時の日本人全員が合意できる建前であって、その建前をどのように誰が実現するかをめぐって争っていたのが幕末政局だった、と考えてください。

 松陰の思想とか、神代直人とか、さすがに紙数の関係で言及できなかった背景を説明していきます。
 全10回シリーズ。・・・後輩に「砦、サボるなよ、と督戦されている先輩の図」です。。。

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