カンヅメから脱出したと思ったら、次の監禁が。。。ということで一時脱出中に書いています。校正が終わった分の告知を2月8日にします。
小沢騒動に関連してよく言われるのが、「田中角栄や金丸信が検察に歯向かって負けた」という表現です。よく言われる割には実際にどうだったのか、誰も言わないのでみんなで簡単に復習しましょう。
田中角栄 ロッキード事件(昭和五十一年=一九七六年)
三木内閣は、党内の三分の二を敵に回し、「三木おろし」の脅威にさらされていた。そこにふって湧いたのが、「田中角栄が五億円の賄賂を貰ったのか?」と噂されたロッキード事件である。
検察は、昭和二十九年の造船疑獄において「指揮権発動」により、佐藤栄作逮捕を阻止された記憶が新しい。
ところがこの時は、反田中の三木武夫が総理である。「逆指揮権」が発動され、むしろ三木は検察首脳に田中逮捕を促したと言われた。
ちなみに三木側近の政治評論家、藤原弘達の回顧録によれば以下のようなやりとりがあったらしい。
三木「田中を逮捕するのとしないのと、どちらが三木内閣は延命できるかね」
藤原「どっちにしろ三木内閣退陣は時間の問題だが、刑務所の中に落とせば田中の政治生命は終わる」
それがいいとは言わないし、法律的にはあってはならないことだが、「冤罪でも、一時的にでも、何でも良いから政敵を塀の中に叩き落せ!」ということが行われるのが政治である。
最近のフランスでもサルコジがドビルパンにやったし。
金丸信 脱税疑獄(平成四年・一九九二年)
佐川急便から金丸信自民党副総裁への五億円の闇献金が発覚したが、二十万円の罰金で事件が終了した。これに世論が激怒し、看板に黄色いペンキがぶちまけられたり、取調べ中に被疑者が反抗的になるなどの事態が全国で発生するなど、検察は困り果ててしまった。
ついでに、月光仮面の装束の男が現れ、検察を毎日のように糾弾していたとか。
翌年に検察は脱税容疑で金丸私宅を家宅捜査し、金の延べ棒百億円相当が発見され、逮捕に至った。
金丸は「秘書のせいにするのはみっともない」と素直に手錠をかけられた。
これを機に、自民党最大派閥経政会は内紛が勃発し、金丸側近だった小沢一郎は派閥を追い出される。国民世論は、検察に拍手喝采した。
ついでに、月光仮面の装束の男が現れ、正義の味方と誉めそやしさとか。
検察は常に世論を意識しているし、政官界の動きを見ていないほど白痴集団ではないだろう。
ちなみに、田中と金丸の間に竹下という男がいたということを忘れがちである。
この男、リクルート事件で、世論の支持だけを背景に挑戦してきた検察を叩きのめしたのである。1990年代後半には証券スキャンダルという説明がややこしいことこの上ない事件もある。別に検察は政治に対して無敵万能ではない。
今の報道を見ていると、○○○の△△△が反小沢民主党なので検察も強気なように思える。小沢が○○○の□□□を怒らせたのは間違いないし。
自民党議員の追及質問、「誰かに言わされているっぽい。内容は鋭いのに、聞いている本人がわかっているとは思えない」との声をよく聞く。
売国奴に法の保護を与えるべきか、法学上の難問である。
政治上は簡単である。左翼で有名な三木睦子(武夫夫人)が書いているのだから間違いないと思う。
ロッキード事件の第一報を聞いた三木の第一声。
「これは国を売っている!賄賂をとったとかそういう次元ではない!絶対に許さない!」
つい三十五年前は、そういう建前が存在したのである。
在日外国人参政権のような日本そのものを外国に売り飛ばそうなどという法案を片一方で推進しながら、日本の法体系の下で法の保護や言論の自由を求める。この矛盾、如何。