憲政史の観点からコロナ政局を考察する

LINEで送る
Pocket

コロナに関し。

都会の人は、特に若い人は、恐れなくなった。その証拠に、若者は平気で出歩いている。「コロナなど、少しはタチが悪い風邪にすぎないではないか」と見切っている。

一方で、地方の人は、田舎に行けば行くほど、コロナを恐れている。ネット社会になってますます情報格差が広がり、かえってテレビへの依存が強まっている。

ここで不思議なねじれがある。

前者の、都会のインテリを支持基盤としてきたのが、「大隈改進党~民政党~鳩山民主党(重光改進党)~社会党」の系譜であり、現在は立憲民主党が位置している。しかし、この党はゼロコロナに使づけば近づくほど喜んでいる。

後者の田舎の地主を支持基盤としてきたのが、「板垣自由党~政友会~吉田自由党~自民党」の系譜である。しかし、自民党の派閥の領袖らは軒並み「いいかげん、こんなバカな自粛はやめよう」と悪態を隠さなくなっている。

自民党が結党以来ほとんどの期間を与党で過ごせた秘訣の一つが、普段は田舎の地主の顔色しか窺わないくせに、いざとなって危なくなれば、急に都市のインテリに媚びへつらい始めること。

田中金脈政変の時の三木武夫。

リクルート事件の時の海部俊樹。

経世会支配のち森喜朗の時は小泉純一郎。

三木は民政党系無所属から代議士を始め、海部はその弟子。海部が仕えた河野金昇も民政党系。

小泉に至っては、父も祖父も民政党で、大政翼賛会と戦っていた。

この法則に菅さんは気づくか。ご本人も「秋田出身」を売りにしつつも、横浜の代議士。しかも今の衆議院選挙は小選挙区制なのだから。

三木も海部も自民党に使われただけで終わったけど、小泉さんは逆に自民党を利用した。

さあて、どうなることやら。

「憲政史の観点からコロナ政局を考察する」への4件のフィードバック

  1. 歴史を紐解けば、我が国の政党の対立軸はイデオロギーではなく「田舎か都市か」で決まってきたことはわかります。

    しかし、倉山先生のこの解説を聞いて常に疑問に思うのですが、
    我が国の二大政党の争点が、地域性による対立軸から健全な保守VSリベラルのようなイデオロギーによる対立軸へと脱皮しなかったことについておかしいと思わないのか、ということです。
    例えばアメリカの共和党と民主党は「北部か南部か」→「保守かリベラルか」という対立軸に脱皮しましたし、その他アングロサクソン諸国もヨーロッパも「保守かリベラルか」という対立軸に収斂されました。

    我が国も「田舎か都市か」→「日本国を否定しない保守かリベラル」に如何に収斂していくか、ということが求められてくると思いますが、
    そこの点はどう思われますか?

  2. まさか内閣法制局から援軍が来るとは!
    毒をもって毒を制すですね

  3. 立憲民主党>複数税率(軽減税率)の廃止。
    https://cdp-japan.jp/news/proposal_tax-reform-2021

    これ多分全部8%に戻すではなく、全部10%に上げるという事ですよね?
    しかし、与党が失政続きだと、国民はヤケになってこんな事言ってる党にも入れてしまう・・・
    民主党政権の再来なるか?

  4.  『海行かば』のCDを聞いてたら、こんなものが……。

    決戦生活訓
    一、強くあれ、必勝の信念もつて職域を守れ。
    二、家庭も戦陣、生活を挙げて御奉公の誠をつくせ。
    三、国土防衛は協力一致、隣組の力で持場を固めよ。
    四、流言に惑ふな、当局の指示に信頼して行動せよ。
    五、国運を賭しての戦だ、沈着、平静、最後まで頑張れ。

     最近の地上波は、多少自粛疲れを漂わせながらも、上記とさほど変わらない放送をしてますね(笑)。「リベラル」の人たちが戦争を煽ったというのはあながち間違ってないと痛感している今日この頃。「保守」の人たちは大統領選挙のことなぞけろりとわすれてルーティンに復帰、地上波アンド新聞は戦時体制……。

     世紀末ですね……。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA