「保守」って何?―ほどほどが一番という思想

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 よく聞かれるのでお答えします。

 戦後民主主義を終わらせる方法は?
 次の戦争をはじめる。
 あらゆる戦後は戦前です。
 ついでに第一次大戦が終わった1919年から、第二次大戦がはじまる1939年は、20年の休戦と言われます。

 この世から戦争を根絶する方法は?
 人類を絶滅させる。
 ついでに、環境問題も解決しますね。

 人間が自然と一体化するとは?
 死体になることです。これを土にかえる、と言います。

 ついでにその昔、小室直樹という先生が
 親殺しに遭わない方法は?と聞かれて、
 先に子供を殺すことです!とか無茶を答えていました。

 ということで、人間社会は100点満点を求めてはダメだということですね。
 えてして革新とか合理主義をつきつめると極端に走るので、ほどほどが一番!というのが保守思想です。
 だから「ほどほど」って何だ?とか言われると困るので、理屈が弱いのですね。

 ちなみに保守主義と言うと、フランス革命に対抗したエドモンド・バークばかりが持ち上げられますが、実際に当事者として戦ったシャトーブリアンの立場は?
浪漫主義の祖とか言われていますが。

 シャトーブリアンについての日本語の名著として以下。

 伊東冬美『フランス大革命に抗して』(中央公論社、一九八五年)

 お姉さんたちから、「いいから政治ごっこなんかやめてさっさと亡命でもして家業をやりなさい!」とか切ないこと言われながらも戦う愛国者の話です。

 私、中公新書三大傑作に数えてます。古本屋で見つけたら、即買い!です。