TBS版では、やたらと通産省キャリア官僚が町工場の人々と仲良くする場面が多い。社運をかけた商品開発を企画提言するほどに。←こういうのは癒着ではないらしい。
それに対して、城山原作は大企業に対する居丈高な態度を強調し、称揚する。
38頁には以下。行政指導に対して不満を抱く業者に対しては
「しきりに甘えようとする。あまえさせちゃいかんし、なれなれしくなってもいかん。だから、おれは、いつも部下にいっている。役人は、むしろ、いばるくらいにしていた方がいい、と。そうして近寄り難くしておいた方が、つけこまれない。」と。
ちなみにこれ、就職活動に来た学生へのお説教である。
119頁では、公取委に気兼ねする鉄鋼会社の重役に毒づく。
「あんたたち、それでよく天下の大会社の役員がつとまるものだ」
204頁で、極めつけの部下への指導。
「財界の大物に対しても、頭を下げるな。むしろ、お高くとまれ」
利益誘導の話をさせない為らしい。
ただ、こういう人物を次官にしたくないと思った大臣の英断を私は支持する。
風越様にお聞きしたい。
つまり、すべての民間企業は汚職のことしか頭にない社会悪ですか?