あなたは、憲法に自衛隊を明記することに賛成ですか、反対ですか?
私の答え。この質問自体が間違い。憲法とは何かをわかっていない。
では、憲法に「自衛隊」と書いて、予算も今のままでナイナイ尽くし、法律も警察予備隊のまま、逐一内閣法制局様の解釈に縛られる。そんな軍隊と呼べないままの状態でもいいのか?
逆に、憲法に「自衛隊」なんてどこにも書いていないけど、予算は使いきれないくらいふんだんに、法律は国際標準の軍隊式に、法制局ごとき木っ端役人の解釈に振り回されない。つまり事実上の軍隊となっている。
どっちがいい?
そもそも、日本国憲法に「自衛隊」の三文字を書き入れることに何の意味がある? 書き入れようが書き入れまいが、予算・法律・解釈の三本柱が伴うことが大事であって、その三つが満たされれば憲法典の条文など、どっちでもいいのでは?
ということで、この質問には賛成とも反対とも言いかねる。悪いけど、「日本国憲法の条文が、予算・法律・解釈のすべてに優先する」かの如き誘導をされるような質問には答えたくない。
護憲派は憲法に「平和」と書き込めば平和になると思い込んでいるようだが、改憲派だって「軍隊」と書き込めば軍隊が出現すると勘違いしている時点で、同じ穴のムジナ。と言う理屈で言えば、「軍」ではなく「自衛隊」と書き込めば何が変わるのか?そもそも安倍自民党の改憲案は、自衛隊法の条文をほとんどそのまま憲法典に書き込もうというだけなので。
根本的な話をする。この質問の問題点は、「憲法観の合意」が欠如していること。
日本国は軍隊を持つのか、持たないのか。国民の間で合意が無ければ、憲法典の条文に「軍」の一文字を書いても今までと一緒だし、「自衛隊」の三文字を入れる意味に至っては不明としか言いようが無い。
世界中のほとんどの国は「軍隊を持つ」という合意はしている。いつどれくらい持つかに関しては議論はあっても、「軍隊を持つ」と言うことに関しては合意がある。
少数だが、「軍隊を持たない」という合意をしている国もある。ウィキにこんな項目もある。
自衛隊を憲法典の条文に書き込むのを百歩譲って認めよう。では、その時に「日本国は軍隊を持つ」という合意が無ければ、何の意味もないのでは?
改憲派に問う。日本国は軍隊を持つのか?
護憲派に問う。日本国は軍隊を持たないのか?
間違っても、「あなたは、憲法に自衛隊を明記することに賛成ですか、反対ですか?」のような愚かな設問の二択に持ち込まれるのは御免だ。