昨日の次世代の党の動きだが、松沢成文幹事長の会見でも述べたことなのに、まったく報道されていないようなので伝えておく。
まず、解説。
国家の意思である予算に関しては、憲法で衆議院の優越がある。
しかし、国家予算の半分を占める赤字国債に関しては、毎年特例公債法を通さねばならなかった。
だから、ねじれ国会においては、参議院の抵抗により特例公債法が通過せず(つまり国家予算が執行できず)、一年に一回、政変が起きる惨状となった。
これを三年前の平成二十四年、与野党の合意で「三年間、政争の具にしない」と約束し、「予算成立と同時に特例公債法が成立したものとし、新たな立法を要しない」と法制化した。
その時限が今年で切れるのだが、財務省は対策を考えているようだ。
これは、増税賛成反対などとは関係なく、喜ばしい。
『憲法義解』71条の解説で伊藤博文は予算不成立に関して、
「大にしては国家の存立を廃絶し、小にしては行政の機関を麻痺せしむるに至る」と述べている。
憲法上の欠陥を、主要政党の合意と法制化により補うのは、憲法運用上、望ましい。
これに関して次世代の党は、両院議員総会を開催し、
党として、
「地方自治体の予算に迷惑をかけないようにするためにも、
当初予算が成立すると自動的に赤字国債を発行できる特別措置を延長することに賛成し、そのように各党に主張していく」ことを決定。
その後の、幹事長記者会見でも同旨の発言。
保守陣営には「増税に反対するなどポピュリズムだ」という数字に基づかない精神論が蔓延している割に、
特例公債法(つまり国家予算の半分を構成する)の重要性を理解している政治家が少ないように思われる。
そうした中で、全政党に先駆けて賛成の意を表明したことは、国家本位の政党としての立場を示したと言えるだろう。
普段、こういうところでいち早く賛成しているからこそ、
財務省に対し堂々とモノを言えるのだと思う。
特例公債法の問題は、増税に賛成反対以前に重要なので、とりたてて強調しておく。