我々は恐怖の現実を直視すべし!
憎き占領軍よりも東大憲法学の方が反日的である。
東大憲法学よりも今の民主党の方が反日的である。
小沢自治労さんが、憲法問題に関して講釈をたれた。
http://www.excite.co.jp/News/society/20091214/JCast_56162.html
この人、法律論に関してはムキになるので有名だが、素人は騙せてもそれまでですな。はっきり言うと、日本国憲法の試験でこんな内容を答えたら落第である。以下の論は、普段の帝国憲法論ではなく、日本国憲法の立場からの説明であるので、あしからず。
一言で言おう。小沢君、「国政行為」って言葉知っていますか?
ついでに「国事行為」との違いは?
まずは関係条文を確認。(七条は長いので略)
第三条【天皇の国事行為と内閣の責任】
天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第四条【天皇の権能の限界、天皇の国事行為の委任】
1 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
小沢君の解釈が正しいなら、天皇は内閣の意思なき傀儡である。内閣の決定を拘束する原理は存在しない。しかし、内閣は何をやっても良い、内閣が決めたことには何があろうと天皇は従わねばならない、などがまかり通れば、立憲政治など不要である。もちろんそれは民主制ではない。 内閣を含めた政府を拘束する原理は何か。それが憲法である。
小沢君が金科玉条のようにふりかざす第三条だが、国事行為に関する規定である。国事行為は第七条で事例が列挙されている。これがすべてであるという解釈は東大学派の中でも少数説である。
通説に従えば、三、四、七条で定める「国事行為」とは、国家の儀礼(権威)に関する事項である。権力に関する事項は「国政行為」と称される。四条が禁じる「国政に関する権能」のことである。国事行為とは区別され、かつ天皇の関与は禁止される。もちろん、時の政権が天皇を利用することは固く戒められている。
天皇の外国要人との会見はどうなるのか。それには「皇室外交」についての定義が確認されねばならない。「皇室外交」とは名前こそ外交だが、中身は親善である。わかりやすく言えば「仲良くすること」である。それに対して「外交」とは国益のやり取りである。その交渉の結果によっては、譲歩もありえるし(一切譲歩のない外交交渉が珍しい)、よって自国民に対する権力行使が必要となる。だから天皇や皇族は「親善」はすべきだが、「外交」はしてはならないのである。
今回、民主党は口を揃えて「中国との関係は大事だから」と述べた。これは憲法違反の自白である。ある国との関係を特に重視する目的で天皇を利用する。これが天皇の政治利用でなくて何か。まさに「外交」そのものではないか。外交である以上、法的には「国政行為」に該当する。
よって今回の民主党の行為は憲法違反であり、小沢会見や政府首脳の答弁は、その自白のオンパレードである。
別に、中国国家副主席と会うことが憲法違反なのではない。高齢の陛下のご健康に配慮して、一ヶ月前に申請するという宮中内規が制定されたのである。これは主権国家平等の原則に則り、どんな大国でも、どんなに利害関係の重要な国でも特別扱いしない。同副首席に会わねば戦争にでもなると言うのか。ならばなおさら天皇ではなく首相が会うべきであろう。宮中内規を守っていれば、単なる親善ですんだのである。天皇の国事行為なのである。単に特別扱いせよとは、国際慣例への違反である。今、日本は国際法遵守能力をも問われているのである。
小沢君は「どこの法律に書いてある」などと自慢げに語ったが、彼は「憲法関係法」という言葉も知らないのか。憲法を校正するための法令である。「法」である以上、国会が定める法律である必要はないし、憲法を守る法であるという点において、慣習や内規だからといって法律、ましてや単なる内閣の命令ですらない行政行為に劣位の関係にある訳ではない。今回の騒動において、宮中内規は憲法関係法の役割を果たすはずであるが、民主党政権はこれを蹂躙した。
民主党政府の行為は、国政行為への天皇の利用である。明確に憲法違反である。
どうせ否決される不信任案ならば、内閣法制局長官の見解こそ問いただしたい。あなた方の根拠とする東大憲法学からも、今回の小沢民主党は逸脱しているのである。
陛下の野党の出現を期待する!
最後に。学生の頃、私や政治家小沢一郎に期待する仲間は、親しみを込めて「いっちゃん」と呼んでいた。今の小沢氏は、「小沢自治労」と改名したとしか思えない。