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夏の改憲の争点とすべき条文は?

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 本日、青林堂『ジャパニズム』の座談会やってきました。
扶桑社『SPA!』も再開したし、PHP『VOICE』も復帰します。

 さて、夏には憲法改正が争点になるらしい。
少なくとも、安倍首相はしたいらしい。
どの条文をどう変えたいのかわからないから賛成も反対もしようがない。
ただ、日本のこころを大切にする党自主憲法起草委員会顧問であるので、原理原則に固執するつもりはない。

 しかも、ある週刊誌の調査によると、自民・公明の与党に、橋下維新と日本のこころ(絶対に非改選三議席はある)を足せば三分の二を超えるかもしれないとか。
そんな時に私が強硬論を唱えて潰れても困る。
しかし、改悪になっても困る。
そこで、四党に加え、他の政党、特に野党第一党である民主党が賛成できるような争点を提示する。

 一、七条の誤植を改正する。

七条
四   国会議員の選挙の施行を公示すること。

     ⇓

    国会議員の選挙の施行を公示すること。

 再三再四、著書や多くの媒体で指摘してきたが、
天皇の国事行為を列挙した七条の四号には、誤植がある。
もちろん、「国会議員の総選挙」など日本国憲法下では存在しない。
夏に衆参同日選挙があるかもしれないが、その時でも参議院の半分は非改選なので、「国会議員の総選挙」ではない。
「総」の一文字が誤植なのだ。
この論点は小著に譲るが、この一文字を削れなくて何ができる?

 ぜひ、社民党の福島みずほさんには反対してほしい。
「戦争をする気だ!」って。
誤植一文字を削れば戦争になると絶叫する護憲派を見て、
普通の日本人がどう思うか。
護憲派の正体を国民の前に炙り出すだけでも意味があるだろう。

 二 五十三条の不備を修正する

五十三条
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。
いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

 これを自民党案に変える。

自民党改憲案五十三条
内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。
いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があったときは、要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない

 昨年、野党が日本国憲法五十三条の規定に従って臨時国会の召集を要求したのに、政府は外交日程を理由に開かなかった。日本国憲法では、日程の制限がないので憲法違反にはならないとの解釈が有権解釈になっている。

 これに対し今国会で、民主党の岡田克也代表が「なぜ臨時国会を開かなかったのだ!憲法を無視するな」と要求している。
しかもご丁寧に「自民党案では二十日以内と謳っているではないか」とまで付け加えて。
だったら、岡田さんの要求に従い、五十三条改正を訴えれば如何?

 七条四号と五十三条を訴えるべき理由の一つが、変えても誰も困らないこと。
九条にしろ何にしろ、対決的な条文を変えると、改悪になる可能性がある。
そもそも、国会の三分の二と国民の過半数の支持を得られるかどうかわからないし。

 とにかく
「憲法を変えたという実績が欲しい」
「憲法は変えられるんだと国民に分からせるべきだ」
との声をよく聞く。
では、いきなり対決的な条文で玉砕して二度と変えられないより、明らか誤植と、野党第一党が与党に不備の改正を要求している条文から入るべきでは?