世間の片隅に生息する保守村という辺境の地では、「検察庁法反対は左翼の陰謀だ!」というフェイクニュースが流されています。じゃあ、検察庁法に反対するのが左翼なら、私やchくらら出演者は左翼なのか? 産経新聞も左翼なのか?
と文句を言う価値も無かろうと思っていたら、とんでもないニュースが飛んできた。
松尾邦弘検事総長がOBの意見を取りまとめ、法務省(つまり現役)に検察庁法改正反対の意見書を提出したとのこと。報道では、ロッキード事件やライブドア事件にかかわったと紹介されているようだが、これでは意味が伝わらない。
まず、検察は総長OBの発言力が強い組織。財務省なんかだと、OBは天下りの差配なんかは別として現役のやることに口は出さないというなんとなくの慣習法があるけど、法務検察は関係なし。確か、存命の総長では87歳の土居孝治さんを除けば、松尾さんが最年長だったはず。
つまり、検察の総意が、今回の検察庁法の改正に反対ということ。
では、松尾さんってどんな人か?
小泉内閣で検事総長になった人です。そして日歯連闇献金事件で橋本派を壊滅させた人。橋本派と言えば、言わずと知れた親中派。野中広務こそ引退で逃げ切ったけど、橋本龍太郎は非業の死を遂げた。(流れ弾に当たった村岡兼造は哀れとしか言いようがない)
さて、そんな松尾さんを左翼呼ばわりする?
むしろ、親中派に乗っ取られた安倍政権に対し、反中派が決起したのが今回の「安倍官邸対稲田検察」の構図であって、左翼は反安倍で乗っただけ、芸能人はよくわからないけど本能的に危険を感じて声を上げた、という解釈も可能なはず。
保守村の住人たちは、いい加減に目を覚ました方がいい。あなた方が信じている保守言論人はフェイクニュースを流しているということを。しかも確信犯もいる。
私は、安倍擁護の立場から検察庁法改正に反対する人を罵る人を三つに分類する。
一、何もわかっていないパーフェクトなバカ
二、ポジショントークしているつもりのやっぱりバカ
三、門田隆将
これは門田さんがワルだと言っているのではなく、門田さん以外は、「本物のバカ」と「悪ぶった本物のバカ」と言っているのであしからず。門田さんは検察に関してちゃんとした仕事をしているので、他の馬鹿どもと一緒にする訳にはいかない。自分と意見が違っても敬意を表する。それ以外のバカと悪ぶったバカには不要。
私は、分かっていないなりにちゃんとしたことを言うつもりではいる。少なくとも、『検察庁の近現代史』を書く位は勉強してからモノを言っております。
いいかげん、お客さんも「自分と同じレベルのプロを名乗る人間」を見捨てた方がいい。