安倍談話を聞きながら

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 安倍談話が発表された。
 私は重視もしていなかったし、そもそも出すべきではないと思っていた、
 北岡伸一史観炸裂の「有識者」の提言が紛れ混んでいるが、今日はそれを論評しない。

 注目の「侵略」「謝罪」は盛り込んだ。
 全体の内容は
「今後も敗戦国としておとなしくしていますので、怪しまないでください」
ということ。
 表現は、
「自分が何を言いたいか」を「相手がどう思うか」よりも重視しているのは
いつものこと。
 
 まあ、こんなものでしょう。
 私は小泉談話の線であれば御の字と思っていましたので。
 安倍さんの談話ひとつで、日本が敗戦国でなくなる訳ではなし。

 私は
『歴史問題は解決しない』(PHP研究所)で、
「たとえ、8%の消費税増税を阻止し、、無敵の権力を握っても、
 安倍内閣で歴史問題を解決できるなどありえない。
 歴史問題はそれほど難しい問題なのだ」
と主張した。

 春、安倍首相が米国の上下両院で演説し、大喝采を受けた。
 支持者は「歴史問題を解決した名演説だ」と称賛し、
 反対者は「米国に媚びた屈辱の演説だ」と批判した。
 どちらも正しかったと思う。
 相対評価として他にどんなマシな言い方ができたかと思う。
 絶対評価としては、あれくらい米国を持ち上げたら喜ばれるだろう、という表現だらけだった。

 状況は何も変わっていない。
 私は安倍さんを、誉めようとも貶そうとも思わない。
 ただ冷静に状況を見極めたいと思う。

 安倍応援団の人は、賞賛も落胆もしないという態度でよいのではないか。
 今の安保法制を乗り越えてからが本番なのだから。