傍論は尊重すべき?

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 不勉強で知りませんでした。こんなことがあったようです。

 憲法解釈に窮する平野官房長官 答弁役は枝野氏の担当に
 http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY201002150079.html

 だからそういうことは口頭ではなくて、正式に「法令担当大臣」とかにしてくれないと。

 ちなみに戦前は、内閣書記官長(今の官房長官)と法制局長官は「内閣の両番頭」と言われておりました。首相を英国国王に譬えると、官房長官は総理大臣で、法制局長官は大法官にあたります。平野さんに限らず、ひとりで両方できる訳がないのですね。

 戦前の政党内閣期には、法制局長官は政治家がやっていました。能力があれば、別に官僚がやらなくても構わないと思いますし。

 問題は枝野大臣、早速すごい答弁を。「やはり法制局の専門家がやらないと駄目だ」などとの論を強くするための陰謀なのか疑いたくなりますね。

 外国人参政権 枝野行政刷新相「傍論でも最高裁の見解」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100305-00000611-san-pol

 そもそも傍論に判例の拘束力がないというか、
その作文を書いた判事が「あれは政治的に配慮しました」とか言っているので。。。
いまだに外国人参政権推進派は最高裁の傍論を金科玉条としますが。

 法律家の初歩。
最高裁判決といえども、傍論に拘束力はない!
よって、「最高裁は合憲だと判断した」などとは大嘘です。

 野党は、特に第一党の自民党は、
「国務大臣としての見解はわかった。では法律家としての枝野議員の信念とも一致しますね」
と聞けばよい。
「一致します」と答えれば法律家失格である。弁護士仲間の笑いものになればよい。
「しません」と答えたら政府の憲法遵守義務違反である。
前者ならば枝野大臣の立場が、後者ならば政府が困る。

などと知恵をつけても、野党が行き当たりばったりで、何の展望もなく動いている今、むなしさを感じる限りで。。。

 検察が鳩山内閣を追い詰めても、自民党谷垣執行部はもっとへたれている。
自民党内の谷垣おろしがさらに腰砕け、などとなったら目も当てられない。

 そろそろ奮起に期待する!

「傍論は尊重すべき?」への0件のフィードバック

  1. 判決文中、法的拘束力(いわゆる既判力)を持つのは主文だけで、判決理由には拘束力はない。こんなことは憲法論を持ち出すまでもなく、裁判の常識です。いわゆる「判例(判決理由、レイシオ・デシデンダイ)ですら事実上の拘束力」しか持たない、つまり準則でしかないということすら、こいつらは知らんのか?
    判決理由中にも法的拘束力を認める有力説も確かにあるが、その立場ですら、判例が変更される可能性を認めています。公務員の労働基本権、抵当権に基づく妨害排除請求権、相殺と差押さえの前後関係、私たちの仲間内では、判例の変遷を説明できない奴はいません。判例が「金○玉○」などと、本気で信じてるのか?

    「ロー・メーカー」と言われる国会議員がこの程度の議論も出来ないで大丈夫なのか?こうなったら、民主党も自民党も、もちろんカルト宗教政党も、宛にはなりませんね。

    立て!与謝野!

  2. 判決の主文は裁判官が合議で作り上げた法的拘束力のあるもので、傍論とは裁判官の独り言程度のものでしょう?
    毎日全国で様々な裁判が行われていますが、主文をひっくり返す傍論が法的拘束力を持つことなどありえないということは素人でもわかります。

    それが外国人参政権を正当化する民主党側や賛成派の根拠だと言うんですから、素人以下の世間知らずな集団なのは明らかですね。
    しかもその違憲でないと言う論文を出した学者は自説を撤回し、その学者の論理を根拠にして傍論を書いた裁判官も自説を撤回済み。

    先の石破議員との質疑応答で、「内閣法制局の見解よりも内閣の見解が優越する」、「内閣法制局と内閣の見解に相違があった場合は、内閣法制局長官を罷免してでも内閣の解釈を押し通す」と言質とられてます。
    民主党や枝野大臣が「傍論にも法的拘束力がある」という見解を憲法解釈に対して押し通したら、日本の裁判では傍論が主文を超える拘束力を持つことになりますねぇ。

    他にも「普天間基地が国連軍基地であることを知らなかった by鳩山総理」、「朝鮮戦争は北朝鮮の侵略であるとはいう立場にない by福島大臣」、「八ッ場ダムは中止にするつもりだから、計画実行する義務はあるけど、本体工事は凍結する。でも周辺工事はやってるから中止ではない by前原大臣」、乗数効果を知らない財務大臣、最高裁判決を無視し続ける法務大臣など、基礎知識無し違法上等な大臣が山盛りすぎです

  3. 「解からない言葉あったら、辞書で調べなさい」と、小学校で教わりました。
    で、調べてみると、

    傍論(ぼうろん)
    -判決における裁判官の意見のうち、判決理由を構成しない部分。

    大辞林(三省堂)

    何度読んでみても、「判決とは無関係な裁判官の個人的な意見」としか解釈できません。
    判決理由を構成しない意見ですから、拘束力を持たないのはサルでもわかりそうなものですが。

  4. もはや、今の自民党に期待をするだけ無駄のような気がします。
    政界再編はいつ起きるのかな?

  5. しかし・・・、今回の件はともかくとしても、平野官房長官って、一体何の仕事なら出来るの?と思うのは私だけでしょうか?前からそう思っていましたが、なかなか気合の入った無能力者だと思います。

    労働組合の人達って普段何をしているのだろうと思う。(想像つくから聞きたく無いけど、あまりにも救いが無さ過ぎる)。というより、この人を官房長官に据えた鳩山総理のセンスを疑います。長年自民党を見てきているのだから、ある程度の構想はつくと思うのだが・・・。

    倉山さん、以前お話されていたストックネタとしてお持ちの官房長官論、良いタイミングだと思うのですが、ご披露頂くことは可能でしょうか?(12月位のあの日の話、読めなくなってましたね)
    悪い話ではないと思います。ご検討くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。それではまた。
    (9月17日の閣僚名簿の話もご参照ください。恐るべきかな、いまなおこの話、有効ですよね)。

  6. >傍論に関しての皆様の言及
    ハイレベルで感激です。こういう声をもっと広く大きく伝えたいですね。

    >官房長官論?
    昔、橋本登美三郎という官房長官がいた。(早稲田大学雄弁会出身)
    あまりにも大雑把なので、あだ名は「乱暴長官」。
    ある時、新聞記者の(というか自分も朝日新聞の記者出身。南京一番乗り!)質問に答えられなくて一言。
    「そんな細かいことは総理に聞いてくれ!」

  7. 仙台さん

    SGJ!!(スーパーグッジョブ)です。有難うございました。
    懸案が解決致しましたね。本当にいつも有難うございます。
    また今後とも宜しくお願いします。

    倉山さん
    対応頂きまして有難うございます・・・と言いたい所ですが、ブツが出て来ましたぜwwwww。(pass:193)
    まあ、それはともかく。でも最近本当に政治家の気の利いた冗談を聞かなくなりましたよね。あの時与謝野さんの官房長官をもう少し見たかったと言ったのは記者とのやり取りが秀逸だと思ったからです。
    一番好きなのがこれでした。当時政治資金問題が頻発していた時期の事です。

    記者:「閣僚への身体検査の能力が低いのはどこに問題があるのでしょうか?」
    与謝野官房長官:「お医者さんにあるんじゃないんですか?」
    ・・・・・お医者さんって、誰のことでしょうね。もうみんな忘れているでしょうね。そういえばあの人はいま何処に?

    結論:「人を見る眼を養いましょう」。それではまた。

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