憲法審査会寸評ー国民新党、他

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 こういうネタを書くと、必ず欠如した国語力で戯けた落書きを撒き散らす輩がいるのであえて最初に挑発。
「日本国憲法は無効だが、条約として有効」という議論、私に飲ませられる人、どうぞかかってらっしゃい!

 かかってくるための、条件は以下三つ。
一、砦のレスに本名で書き込むこと。
二、私の尋問及び反駁に24時間以内にレスで返答すること。
三、佐々木惣一先生の「帝国憲法改正論」の議論を踏まえた立論であること。
以上の三点を踏まえた議論ならば大歓迎なのですがねえ。
特に三点目、なぜか私も持っている「南出教典」には書いていないので。
これができないで私の知らぬところで悪口を言いふらす奴、ザコ認定!!!

さて、ようやく憲法調査会が開かれました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111117/plc11111723240019-n1.htm

 チャンネル桜に呼ばれた後なので、番組では言えなかったので寸評。

【民主党】
国民投票法は、憲法改正のための国民投票に限定せず、
国民が国政に直接参加するという観点からの議論も進めてきた。

↑そうなの?はじめて聞いた。吉野作造曰く、「直接投票は野蛮の政治」と。
って、そこまでは言っていないか。とイチイチ訂正しないと本気で抗議されても困るので。

時の政府トップが(改憲の是非を)争点化する不幸
↑安倍さんのこと?まあ確かに時期尚早でしたけどね。
あんたらには言われたくないが。

政治の場では東日本大震災への復興・復旧が最優先で取り組まれている。
(憲法論議は)相対的に優先順位としては下がるが、全く必要ないということにはならない。
↑正論だが、この党の総理大臣が発する言葉を誰も信じられない事が最大の憲法危機。

現行憲法が通用しているのは、国民の法的確信があるからだ。
そのためにしっかりとした議論を国会で行っていく必要がある。
↑くやしいほどに正論。
一部「無効論者」の「日本国憲法は条約として有効」とかいう議論がこの人たちを利している。「法的確信」が存在することを否定するのがほぼ不可能なので、難しいのです。

【自民党】
前文、安全保障と9条、地方分権・・・バージョンアップ
↑日本国憲法を改正してどうする?

緊急事態条項
↑緊急勅令、警察命令、統帥、戒厳について言及されているに違いない。(嫌味)

【公明党】
国民主権、基本的人権、平和主義の3原則をもった今の憲法は基本的に変える必要がない。
↑是非とも政教分離を三大原則の上に置いて欲しい。
なんなら「祭政一致」とか。笑

ただ、時代状況の変化に応じて環境権、プライバシー権など付け加えるべき余地がある。
↑この世で最も恥ずかしい改憲論。
さすがにこの立場は「保守」として扱われなくなった。喜ばしい。

【共産党】
憲法審査会の開催には反対だ。
↑ここまであからさまに立法趣旨を踏みにじる宣言も珍しい。
むしろ、ぜひとも結党の精神に立ち返り、「九条など論外!赤軍創設だ!」とか吼えて欲しいが。

【社民党】
政治と国会が果たすべき使命は、国民の生活を再建し、憲法の理念を実現することだ。
多くの国民が東日本大震災、福島第1原発事故で苦しむ現状は、
憲法の幸福追求権や生存権が侵害されている状況だ。
いかなる改憲策動にも反対だ。
↑こういう無知蒙昧な方々のために「だれころ」を書いた。正論を最後の一行で台無しにしている。

【国民新党】
東日本大震災は、国の根幹にかかわる重要な憲法問題をはらむものであり、
非常事態条項を設けるための議論を進めなければいけない。
平成の自主憲法制定へ論議の再開を促進するわが党の立場に基づき、
審査会で積極的に論議を行いたい。
↑すばらしい!この党、郵政以外は全部好き!

 実はここまではすべて予想通り。
問題は、みんなの党
特に言いたいことが山ほどあるので、別に。

 それはそうと、この調査会、民間人として呼んで欲しいのだが。

「憲法審査会寸評ー国民新党、他」への9件のフィードバック

  1. 所詮、法律なんて社会の実情の跡追いで、砂の上に建てた楼閣の上に積み重なるに同じ…
    p.s.一昨日はむーちゃんが隣で飲んでいるところで、先生に電話を!?

  2. 倉山先生が金科玉条のように扱う「大日本国帝国憲法」も、日本にとっては不完全な憲法だと僕は思うのです。
    日本の憲法の原点はなんですか?
    それは聖徳太子の「十七条憲法」と「大宝律令」です。
    ヨーロッパ中心主義の考え方では、アジアで成立した「律令制」はその後崩壊した。欧米の「覇権主義」が最も優秀な支配体制だ。ということにしている人もいます。
    中国の律令制は後漢が「元の侵入」によって滅ぼされたことで終わった。とすることもできますが、元の侵入がなくても、今の日本の上級公務員制度のような「科挙」とそれに受かった宦官の許認可権の腐敗により、自己崩壊して行ったとも言えます。
    しかし、日本の律令制(を制定する国体)は実は少なくとも引き継がれているんだとも僕は考えています。
    では、「大日本国憲法」の前の憲法はなんでしょうか?
    僕は「武家諸法度」に当たると思います。
    徳川の時代は「藩」という地方にある程度の自治権があった、今より地方分権制が進んでいた政治制度であったと考えられます。
    そこには「諸藩間での戦争の禁止」も掲げられていますが、ある程度の自治権があったからこそ、薩長による明治維新を起こすことができたとも言えます。
    幕末の対外戦争の危機が迫った状況で、「日本が1つにならなければいけない。」と「中央集権」にしなければならない。というのは確かにそうだったのですが、「徳川幕府」の権威に対抗するために薩長が「錦の御旗」を用いたということは事実です。
    「勝てば、官軍」という言葉あるようにあくまで勝った方に天皇がお墨付きを与えたのであって、「錦の御旗を掲げたとたん、徳川勢は背走し始めた。」という「司馬遼太郎の吹かし」はどうかな?!
    むしろ、その後の「大日本国帝国憲法」で「天皇が統帥権を握る。」ことになったのは、明治維新の急ぎ過ぎた政治の文明開化で多少無理が生じていると思います。
    神道という宗教の長でもある天皇が政治の長も兼ねるというのは、旧ローマ帝国時代に「法王+皇帝」である教皇の存在が権力が強すぎ圧政を行ない人民を苦しめた「政教不分離」の時代に遡ることにもなりかねません。
    本来は薩摩の藩主である「島津斉彬」あたりが倒幕軍の長で「新幕府」を名乗るということが正当な政治体制だったんでしょうが、実際には明治維新軍の上士官も多くは農民の出で、それを名乗れない程の身分なので、それもできません。
    実際には政治の実権は伊藤博文や山形有朋など薩長閥にあり、間接的には日清、日露戦争と膨大な国庫の支出に基づく、対外侵攻が止められなくなりますが、これは「大日本国帝国憲法」に内在していた不完全さの宿命とも思えます。
    それはさておき、何かが「正しい」のではなく、衆院および参院の2/3以上の発議、および、国民の1/2以上の賛成を得たことが「正しい」ものになるということです。

    p.s. ソフトバンク優勝万歳!!

  3. NAO=紅彗星=田舎者=野口
    一応答えておく。問題文を読んでいないので0点。
    自説の開陳は自分でブログをはじめてやれと言いましたよね。
    これ以上、砦を荒らすつもりならば、その後に起きる事態はすべて貴方の責任です。他のお客さんに迷惑です。
    二度と書き込まないでいただけますよね。

  4. 自分は「新無効論者」ですが、倉山先生の悪口など一切書いたことなどありません。

    それで、本当はご講義を拝聴すればよろしいのでしょうが、まずは「だれころ」において、倉山先生の現行憲法についての対処は、少なくとも次のような問題点を解明し広く認知させていくということになるように思われます。

    1)まず成立過程において憲法としては致命的ともいえる問題があること。
    2)この憲法擁護の学説を作り上げた東大憲法学が、憲法学としては大変問題があること。
    3)現実に現在の憲法は、国民を保護するという点でほとんど役に立っていないという根本的かつ深刻な欠陥を持つこと。 

    上記を踏まえて、現行憲法にはまずは大きな問題があるということを、国会ではっきり論じられるべきであるということなのでしょうか。

    そして明確に論じられれば、現行憲法の憲法典としての問題がはっきりして、そのごまかしの数々が暴露されることにより、国民の中にある「法的確信」の問題がひとまず解除されるので、その上で帝国憲法こそが本来的な日本国憲法であり、帝国憲法改正こそが本来的になされるべき我が国の憲法改正なのだ、という結論となる、ということでよろしいのでしょうか。

    上記の質問、甚だ勘違いも多いかも知れません。恐れ入りますがよろしくご教示方お願いいたします。

  5. 寺小路様
    書かれている通りです。
    本質的な話で、新無効論の人と私は一致できると思うのですが、そうではない人が多いので困るのです。

    というか、my日本宮城で初めて「新無効論者の中にも紳士淑女がいるのか」と始めて思った次第です。それほど礼儀をわきまえない人ばかりでしたので。

    これは不幸な事態だと思います。

  6. 倉山先生

    そもそも、明治憲法ではなく帝国憲法という言葉を使うべき意義を教えて下さったのは、倉山先生でした。この一件で、学問の深い方にきちんと学ばねばと端的に悟りました。

    以来、先生が帝国憲法に戻ることをどれだけ強く志向されているかを疑ったことがありません。だからなのか、自分の中では新無効論と先生の説がぶつかることがないのです。

    あくまで個人的なイメージですみませんが、新無効論が一種の原則論であり、現行憲法を外側から破ろうとするものであるのに対して、倉山先生の論は同じ到達点に達するのに現行憲法有効論の内側に入ってこれを破ろうとするものである観がございます。

    到達目標点は帝国憲法または貫史憲法(規範國體)にもとづくことでありますから、その到達点に至る方法として、両方あった方が良いとも思います。

    すなわち、現行憲法が如何ににおかしいかを論ずる場を、国会や学会レベルで有効論の世界から内側からその問題点を暴露し、また外側からは大衆運動的に端的にわかりやすい無効論の視点から暴露していく。作戦としては、そのような両面作戦のほうが、効果的であろうと思われるのです。

    しかし、それ以前に礼儀レベルで問題があるのだとしたら、公に広げるためにも、無効論者はもう少し人物を見て話をするべきでしょう。新無効論と先生の論の違いは、V=IRをI=V/Rをしたものであるような感じがしてならないのですが、それを違う式だと攻撃するのだとすれば、愚かなことです。

  7. 寺小路様
    本当にすべてその通りです。
    特に礼儀の問題ですね。

    V=IRをI=V/Rをしたもの

    これをわからない読解力で、人にレッテル貼りや狂信的な攻撃を加える。
    それが亡国の所業だとわかるはずがない。

    賛成派にしろ反対派にしろ、TPPを取り上げた人がその300倍、日銀や増税、何よりデフレ脱却の問題を取り上げてくれればそれで良いと思っています。

  8. >賛成派にしろ反対派にしろ、TPPを取り上げた人がその300倍、日銀や増税、何よりデフレ脱却の問題を取り上げてくれればそれで良いと思っています。

    日本経済が正常化する(緩やかなインフレになる)ことができれば、税収その他ほとんどの問題を解決する力が発揮できる、というわけですね。
    改めて了解です。

  9. 党によって好き勝手なことを言ってると感じました。憲法調査会が始まりますが、憲法は何も変わらないと思います。変わるならより良い国になる憲法にしてもらいたい。

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