ハマコー曰く。
小泉内閣恒例のサプライズ人事で、武部勤が幹事長に。
次期総理候補筆頭の安倍晋三は、参院選挙敗北の責任で幹事長代理に降格した。
その時の小泉が武部に言い聞かせたこと。
「武部よ。君は細かいことだけやってくれればいいよ。
大事なことはみんな安倍君がやるから。」と。
これ、本当の話?
難しい話が苦手な人はここまででお休みして、気力と体力が充実した時に以下の本題を読みましょう。
さて本題。平成十七年の話である。
小泉純一郎総理が政治生命を掲げる郵政民営化法案は、大量造反にも関わらず、衆議院は五票差で通過した。小泉は躍りだすように戦況を眺めていた。
しかし、参議院が否決した。
自民党の造反である。この時、青木幹雄参議院会長と片山虎之助参議院幹事長は、見越したように談笑していた。
過去、散々小泉をいいように使ってきた森前総理は「干からびたチーズ」を片手に、カメラの前でぼやくという道化役をやっていた。
亀井静香ら、造反派は怪気炎を挙げていた。
「これで解散なんかできやしない。総辞職だ!」と。
ところが、小泉は「郵政民営化法案への造反は内閣不信任案と同じである。」と、衆議院解散の姿勢を示した。
亀井らは「衆議院が賛成して、参議院が反対したら、衆議院を解散するのはおかしい」と吼えた。
おかしいのは小泉の姿勢ではなく、日本国憲法の参議院規定である。
拒否権集団の横暴に際して、内閣総理大臣は一度だけ国民の信を問うことができる。
これが「憲政の常道」である。。
英国でも先例がある。貴族院が「衆議院の優越」という憲法慣例に違反した際、時のアスキス首相は衆議院を解散。民意の所在を明確にした上で、貴族院と対峙して勝利した。
あらゆる政治上の解決は、衆議院総選挙により最終的に決着させる。それが議会制民主主義である。
しかも、総理は国民に理由を説明した。
これで許されないならば、第二院(参議院)は何をやっても許されることとなる。
憲法学者の中には郵政解散を憲法違反と叫ぶ無知蒙昧の輩もいるようだが、あれこそ日本国憲法の欠陥に対する挑戦である。
この時の小泉総理に小ピットを髣髴させられたのは私だけだろうか。私だけだろうな。
二十五歳の青年宰相・小ピットは政権発足当初、巨大野党に対して勝ち目がないと思われながら解散総選挙を断行し、約二十年の長期政権を築いた。
ただし郵政解散は、法律論としてはまったく正しい勇気ある行為なのだが、政治的には定跡外れの行為である。
数ヶ月間の準備で、しかも解散してから候補者を集めるような選挙で勝利はできないのである。しかし、成功した。なぜか。理由は以下。
一、「小泉劇場」「ワンフレーズポリティクス」の集大成。・・・「約束は守る」「信念は曲げない」という小泉首相のわかりやすい姿勢が支持された。
二、小選挙区制なので、「風」次第で、大勝も大敗もありうる。・・・中選挙区制(大選挙区単記制)などというこの世で最低の選挙制度との違い。
三、技術的な成功・・・一ヶ月の選挙期間を置いて、小泉支持派の浸透に成功、武部が何も考えずに特攻、など。
四、小沢一郎が失脚中・・・年金未納というくだらない問題。いっちゃん、選挙だけは強いがこの時は無力化。
五、死神・・・自治労・日教組などという無能者集団に依存した岡田代表が何も出来ず。
大事なのは、「五」である。
勝負事の「悪手を咎められない悪手は最も罪が重い」の法則で考えよう。いくら定跡外れの悪手でも、相手がそれを咎める能力のない無能者ならば、その悪手は絶好手になるのである。
解散前は「小泉さん、どうする気だろう」と思っていたのだが、直後に確証を得た。小泉は「自治労・日教組のような死神など、必勝の信念で戦えば蹴散らせる」と確信していたのだろう。しょせん、単体では寄生虫にすぎない自治労・日教組ごとき無能者集団など、小泉の号令で戦闘集団と化した自民党の敵ではなかった。これは「実戦心理」に基づく「勝負勘」があった、としか説明できない。相手が弱ければ、最善手を読なまくても良いのである。
そして、自民党は大勝。郵政法案などという、どうでも良い法案は通過。
小泉は、安倍晋三に総理を譲る。事実上の禅譲である。一応、自民党総裁選挙があって、「麻生対谷垣、第二代・最後の自民党総理争奪戦」を繰り広げていたが、瑣末な話。
さて、ここからが奇妙な話の開始である。
「戦後レジーム」の脱却を掲げる安部総理に対して、『朝日新聞』以下、というか『産経新聞』以外の大新聞は総攻撃。安倍さん、短期間でかなりの実績を残している総理なのだが、これでもかと攻撃され続けた。
何が悪いって、公務員改革に手をつけたからなのだが。まじめな叩き上げノンキャリア官僚出身の井上義行氏を首相秘書官に据えた時点で、霞ヶ関の官僚機構全体を敵に回していたのだが、さらに「キャリア官僚制廃止」に着手したのである。
ここに、「特権官僚&自己認識インテリマスコミ&腐れサヨク」の対安倍内閣包囲網が成立した。
で、小泉が事実上引退するのと入れ替わりに、選挙技術にだけは卓越した小沢一郎が民主党を乗っ取ってしまう。そして、平成十九年参議院選挙では自民党を歴史的大敗に追い込んでしまう。
この際の権力基盤は自治労と日教組である。
参議院選挙大勝の夜、小沢代表の姿が消えた。それはいつものことだが、いつもの「小沢遊び」の雰囲気がまったくなかった。誰に呼び出されていたかは知らないが。
民主党に戦勝空気はなく、議席的には大敗のはずの共産党と社民党がはしゃいでいた。
いつの間に、かの無能者集団の自治労と日教組がこんなに実力をつけたのだ?
今を読み解く原点である。
倉山さん
おはようございます。藤沢です。
いよいよゴールが見えてきたという感じでしょうか。
最後まで頑張って下さい!
シリーズ開始当初は、郵政解散を最終回にするのかと思ってました。う〜ん、さすが倉山さん。奥が深い。
郵政解散は、自民党(小泉総理)以上に造反組と民主党の準備が整っていませんでしたからね。将棋で言えば(超)急戦と言った所でしょうか。
あの時の民主党のコピーが「日本をあきらめない」でしたね。別案が「もっと大事な事がある」だったみたいです。まだこっちの方が良かったような気もしますが、どっちもどっちですかね。
「日本をあきらめないby民主党」は、byこきんとう、の間違いでは?とか、「もっと大事な事がある」は、外国人参政権その他の売国政策か?とか当時から言われてましたがwwwwwwwww。
民主党と連合の関係は、前原代表時代は冷え込んでいたけど、小沢一郎が代表になってから急に親密になっていきますよね。
この国の政治と選挙は、やはりどこかしらで公明党と労働組合が出てきますから、その点では結構厄介ですよね。
今度の参院選では、労働組合の闇に光を当て、そこに鉄槌を加える図式で展開していきたいですよね。
まあ、それはともかく。輿石は落選するべきである。それではまた。
倉山先生
安倍首相に、マスコミが離反したというよりも
小泉首相のマスコミ操縦がとても上手だったというべきでしょう。
さらにいえば「飯島勲」秘書がとても長けていたと。
小泉氏が厚生大臣時代から彼は秘書として各社の論説委員転がしをしており、
雑誌メディアには頻繁に懇談をして、情報を流してスクープという形で拾わせる。
A4一枚の紙すらまともに政策を読まないK首相(仮名)に対して、本当にうまいカバーをしていた。
ワンフレーズポリティクスというけれども、
K首相はゆってぃばりに小さいことを気にしていなかっただけのようです。
小渕・小泉の両氏は、マスコミへの操縦を巧みに行って、支持率をキープしましたが、
安倍・麻生の両氏は、国民の人気があれば、マスコミ対策をしなくても大丈夫だと
勘違いしてしまったのが失敗の原因でしょうね。
最後に予想をひとつ。
鳩山氏は、6月一杯までは首相を辞めません。5月に普天間の移転先が決められなくてもです。
理由は、簡単です。G8サミットに参加したいからです。
麻生氏も、このサミットに参加したいがために、就任直後の解散を決断できなかった。
2人ともおじいさんの時代になかったサミット出席への
わけのわからない拘りで政治を平気で停滞させているわけです。
小沢氏は、鳩山氏が居座ることは分かっているので、
参院選の単独過半数を諦め、次の動きに入っています。
6月サミット出席(各国が鳩山首相を無視)
→7月参議院選挙・連立組み換え・首相交代
こういう流れです。
ちなみにこの5年間で、サミット出席者が毎年変わっているのは日本だけです。
小泉・安倍・福田・麻生・鳩山となります。
来年の出席者は誰でしょうね。岡田?菅?いえ違います。
・・・憲政の常道を大きく外れて、×××××かもしれませんね。
参議院議員初の総理大臣になるのは舛添氏ではないかもしれません。
そういうことを今から考えていそうなところが、
枯れても小沢自治労、失礼小沢なにがし、だと思いますね。
(彼は、同様の「前科」もありますし・・・)
>藤沢様 それはともかく。輿石は落選するべきである
宮川典子さん、言ってることはまともですね。http://www.mskj.or.jp/profile/miyagawa.html
こういう、火中の栗を拾うような勇気ある人には、神風が吹いて欲しいものです。
>かしわもち様
安倍首相に、マスコミが離反したというよりも
小泉首相のマスコミ操縦がとても上手だったというべきでしょう。
さらにいえば「飯島勲」秘書がとても長けていたと。
「というよりも」ではなく、私が言っていることのいいかえでは。(笑)
まったく同意見です。特に争う理由はありません。(重ねて笑)
それはさておき、これでもかと不吉極まりない予言ですね。言霊があるので気をつけないと。桑原桑原。
×××××って、五文字の参議院議員というのが大ヒントですね。
誰だか、想像もつきませんねえ。(爆)
かしわもち様
かしわもち様を見込んでお願いしたい事がありましたが、おってのちほど・・・
>かしわもち様
どうも最近思うのですが、今や来るもの拒まずのお茶飲み会に堕してしまったサミットの魅力ってなんなんでしょうね。初期サミットは「本当に先進国でなければ出られない」という魅力もありましたが、最近では露支韓ですら出られるような代物ですからねぇ。
シリーズモノは第2弾、第3弾あたりでピークを迎え、それ以降はストーリーが劣化していく、というのが宿命ですが、サミットももうそういう時期に来ているのかも知れません。しばらく冷却期間を置いて、「原点回帰」を目指すべきだと思います。
倉山先生
はい、申し上げていることはまったく同じです(笑)。
ただ、どちらかというとメディアコントロールに長けた側近の方がレアだとは思います。
あと、官邸においては、官房副長官との関係性が重要だと考えますね。
安倍氏は大蔵省出身の的場氏を抜擢するも・・・。
福田氏は、就任後自治省系の二橋氏に戻しています。
こういうところも注目すべき場所なんでしょうね。
×××××はまさに穢れたワード、想像したくもないですね。
言霊には気をつけないといけないですね。
叔父さんの息子さま
サミットで安室奈美恵に歌わせた、自民党の宴会部長さんのせいで、
日本はG8サミットをまじめに考えていないと、笑われ始めたのでは。
沖縄とか北海道とか、サミットを地域振興に使ってしまっていますからね。
2016年の会場は、岩手県南部でしょうか。
昔は、ソ連とチャイナがない、西側諸国のトップ会談としてサミットは機能していたわけで、
ロシアがメンバーに入った時点で、その役割を終えたのではないでしょうか?
ところで6月のG8を待たずに、オバマ氏の呼びかけで核廃絶サミットを開いてしまっています。
そういうことは今までサミットで話していたことですよね。
G8がセレモニーになったことを印象付けると同時に
オバマ氏が中間選挙に向けて早くもアピールに動き出したようです。
個人的には、日本は、アメリカ・カナダ・オーストラリア・インドと
新たな座組みの会議を開くべきだと考えます。
この5カ国は軍事面に関しては、ほとんど利害が一致するからです。
関連性があるような無いような微妙な話題ですが・・・、取り上げさせてください。イギリス総選挙です。
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/n_england2__20080125_7/story/12mainichiF0413m052/
起きるか?「憲政危機」。
連立政権樹立時における憲政の常道とはどういう形を取るのか?
小選挙区制が第一党の過半数を保障しない事態に直面した時、その正当性は確保されるのか?
一方、政権交代になった時、他国への影響の有無・大小など、結構目が離せないのではとも思います。
その時、倉山さんがどのように分析されるのか、これが一番目が離せないですかねwwwwwwwww。それではまた。
かしわもち様
姫井由美子!!でないことだけは確かですね。笑
それにつけても豪徳寺三生のような秘書が欲しいですね。笑
藤沢様
長くなりそうなので、また今度に。(深謝)
しかし、毎日新聞の笠原という記者、何もわかっていませんね。戦前の「憲政の常道」は、こういう報道のせいで潰れました。
今度、じっくり解説します。
倉山さん
こんばんは。藤沢です。
イギリス総選挙は来月のようですので、それが終わってからの方が良いのではと私も思います。
私もこの砦に染まってしまったのか(?)、確かにこの記者の文章には首をかしげる所があります。
1.成文憲法を持たず、慣例を尊重する同国では政権移行のルールが法的に明文化されておらず、政治が混乱する「憲政の危機」も想定されるからだ。
⇒明文化されていないのではなく、不文律です。しかも、「憲政危機」はそういう意味では使いません。
2.労働党は前回36%の得票率で過半数を約30議席も上回っている。(中略)小さなスイング(浮動票の揺れ)で議席が大きく動くことも問題だ」と指摘する。
⇒小選挙区制とは元よりそうしたもの。それは別に問題ではありません。
3.2大政党制とは言っても、今やともに「プロマーケット(市場支持)」で、「政策面では互換可能」(LSEのトニー・トラバーズ氏)というのが現状だ。
⇒他党の政策を選挙なしに勝手に持って行ってはいけません。両党の政策が全く同じでない以上、そこを争点にすれば良いのでは?(それが嫌ならば第三党に投票、もしくは新しい政党を作って選挙で争えばよい)。
こんな感じでしょうか?倉山さんの話で出てくる「革命に近い状態」は、改めて解説頂ければと思います。(ちなみに英語だとなんて言うのですか?)
※復習(予習)用として、9/17〜19の記事を使用しました。余談かつ私事で恐縮ですが9/18は、わたくし藤沢秀行の初戦でした。いまとなっては懐かしい・・・。
当時は「この人何(一見)普通とは違う、しかも難しい事ばかり言っているのだろう」と正直思ってました。半年間の効用、恐るべし・・・。今は何の違和感も感じないですものねwwwwww。
読むだけでも薬にはなると思いますが、やはり実際に書き込む意味は大きいと思います。またこれからも色々と教えて頂ければと思います。
それではまた。
「革命に近い状態」=situation near the revolutionです。そのままです)
藤沢さんの解説、その通りです。
何をもって「革命に近い状態」とするかというと、絶対多数党不在議会、つまり単独過半数を有する政党が存在しないことです。例えば、日本の細川内閣などが典型です。ああいう場合は、近いうちに再選挙が慣例です。この「近いうちに」がツボで、「何日以内」とかにすると、「それさえ守ればよい」という人が出てくるからです。「困らないようにする」「少数与党だと困るでしょうから、もう一回選挙をしなさい」「国民もちゃんと判断をしなさい」という意味です。
まあたぶん、この記者さん、「慣例」と「習律」の違いなどわかっていないでしょうね。言えたら大学者ですけど。笑
慣例と習律で検索したら2009年9月19日の日記が最初に出てきました。
倉山さん
こんにちは。藤沢です。
有難うございました。色々考えていたのですが、なぜこれを「革命に近い状態」と呼ぶのかが思想的に重要なのではと思うのです。詳細は不明なので推測ですが、一言で言えば連立政権を否定し、これを認めないという考え方でしょうか。
まあ普通は再選挙を行えば何れかの単独過半数に落ち着くというのは何となく常識の範囲内で理解も出来ますが。ちなみにそれでも決着がつかなかった場合、理論としての「憲政の常道」は、何か解決策を持っているのでしょうか?
言いかえれば、連立政権についての規定や運用などはあったりするものなのでしょうか?
(感じとしては、この砦でも何回か出てきているマクドナルド挙国一致内閣の事例がかなり重要なのではと思っています)
その場合、第三党にも一定の規範が求められるのでしょうね。漫画家の、やくみつるさんがテレビでこんな事を言ってました。
http://news.gree.jp/news/entry/491195
・・・なんて正しいのだと思いました。鳥越俊太郎の結論もフォローしているのか、けなしているのか微妙で面白かったです。
まあ、それはともかく。輿石は落選するべきである。またよろしくお願いします。
>(沖縄)サミットで安室奈美恵に歌わせた、自民党の宴会部長さんのせいで、日本はG8サミットをまじめに考えていないと、笑われ始めたのでは。
安室ファンの僕には異論あり!「かりゆしウェア」が馬鹿にされた原因だと思う。「僕ら首脳はこの暑い中、スーツなのに「職員はアロハシャツ』かいっつ〈!?〉
大体、「ネクタイ」とは「アフリカ民族のホルン」すなわち、@@@を大きく見せるための戦闘衣装!
サミットとは「政治闘争」であり、「武力戦争」の替りに「話し合いで決めましょう(!〜?」という場所だったはづ、、、誰が仲良しクラブにしたのか<??>
そして、サミットの政治意義の低下と共に国際発言力を失くし、損をした邦はどこか?G省の@@どもめ(・・)・以上は僕の私見でありましゅる、(、、)
ちなみに眞子内親王、佳子内親王両妃殿下がExileの大ファンだったため、天皇陛下在位20周年の奉祝曲<太陽の国>が歌われたのである。
さて、「安室奈美恵」のファンだったのは、どの首脳でしょう(?..!)
「沖縄」サミットは、「民間人が軍に組み込まれ敗北し、最大の犠牲者が出た。」場所(民間人が軍に組み込まれ(最終的には敗北しなかった最大の犠牲者が出たレニングラード、もしくは、モスクワ)!?)なので、サミットの場所として、「戦後終結」の仲直りの意味もあるかと…
http://www.youtube.com/watch?v=b62IowIrN7M ←参照「Never End」song by Namie Amuro
「うちの悲しみが、大和んっちゅにわかるっちゃ(?!」T_T;