第一段落、ハプスブルクを中心とした大ドイツ主義とプロシアを中心とした小ドイツ主義の相克からはじめなければならないのですが、字数の都合でかなり削りました。普丁(プロシア・デンマーク)戦争はいずこへ?って全部を書く訳にはいかないので勘弁してください。この手の書籍は、何を書かないかの決断が一番大変なのです。
この節に限らないのですが、この原稿全体、全部記憶だけで書きました。より正確に言うと、最初に記憶だけで書いて、後から事実関係を史料で確認するという作業工程ですが。その割にはこの節、「バルカン史の研究者をうならせる要約!」を意識してます。1908年という年、日本にとっても、欧州にとっても、バルカンにとっても、そして世界にとっても、重要な年で、しかもそれらがすべて繋がっていると言うことを言っているの、日本人だと中山冶一さんと黒羽茂さんくらいかなあ。同時代でそういうことを言っていた吉野作造の洞察力、驚嘆しますね。
余裕があれば、「エーレンタール小伝ー火薬庫に火をつけた男」とかやりたいのですが、さすがにこのネタの渋滞では。。。日本の外交史家でエーレンタール知っている人どれくらいいるだろうか。日本の同時代で言えば小村寿太郎くらい重要人物なのだが。逆に欧州の外交史家で小村を知っている人はどれくらいだろう。どちらも知らなければ、どちらもわからない、というのが私のたどりついた結論です。小村は明治を代表する日本の外相、エーレンタールは1900ヒトケタ年代の欧州外交を牽引した(引っ掻き回した)ハプスブルク帝国外相(オーストリー=ハンガリア帝国・統一外相)です。
一九一四年六月二八日にハプスブルク帝国皇儲夫妻が暗殺されるサラエボ事件で、第一次大戦が勃発するのはご存知の通り。フランツ・フェルナンド殿下は皇太子じゃないですよ。六月二十八日の意味も言い出したらキリがないので軽く流しました。なぜ、よりによってこの日にパレードなどをするのか。。。ちなみにスロヴォダン・ミロシェビッチが逮捕(自主投降?)されたのも六月二十八日です。セルビアでは何かが起きる日です。
第二次大戦はケインズが予言したように、勃発は必然です。それに対して、第一次大戦は何の必然もないのです。錯誤(「マヌケ」と読みます)の連続で発生してしまった悲劇です。その辺り、「絶対死刑にするからウチの国で下手人の裁判をやらせて」というセルビアに対して、ハプスブルク宮廷は、「不誠実だ!宣戦布告だ!」とやってしまい。。。が十回くらい重なり。。。
実は宮廷の連中、「フランツフェルナンドのような他民族への融和主義者の邪魔者が消えてくれてありがたい」との本音を隠しているのですけど。とか。
欧州の国際関係が日本にとってどれほど重要か、日本を中心とした東アジアの情勢がどれほど欧州にとって重要か、もっと詳しく書きたかったのですけど、初学者用教材ということで断念しました。解説する余裕がなさすぎますので地図でも日本を入れませんでした。
「帝国憲法講義」に来てくださった方は、「七年戦争により日露戦争の舞台が用意された」という話に一様に驚いてくれたようですけど。一七六一年以降、実は日本は世界史の渦中にいたのです。ちなみにその事実に最初に気づいた大物はおそらく田沼意次です。徳川吉宗もおそらく予感はしていたと思います。これの立証は私の生きている内にはできそうもないので、意欲のある人は研究してみてください。仮説の全体像と方法論を教えますので。
ということで、日本は世界の中で生きている以上、日本のことも世界のことも知らねばならないのです。
歴史教科書において問題と思うことは、世界の位置における日本の位置を書く教科書ってないんです。
国際社会の状況で日本のがどう判断し行動したのかということが書かれていないんですよね。
あくまで日本の支配者層と被支配者層(農民とか)との対立で書いているから歴史は詰まんないし事象の繋がりがわかんなくなるよなあ。
エセ知識人・かしわもちです。
18世紀以降のヨーロッパ史をしっかり知っておくことは、
日本人にとってはかなり重要なことですよね。
私はナポレオン以降を詳しく知るだけでも、十分意味があると思っておりましたが、
確かにイギリスのアジアへの急拡大と、ロシアの南下意欲を考えれば
七年戦争は大きなターニングポイントですね。
東アジアは、太平洋の出口であり、南北に渡る海岸線があり、
そして内陸に広大な平野が広がっている。
地政学的には、ヨーロッパのコピーのような場所であると思います。
以前も直接おねだりいたしましたが、ぜひそのようなまとめた書物を倉山先生に記していただければと思います。
大学で絶対に教えるべき歴史講座になりつつあるなあ?!
〉NAOさん
いえいえ、もはや「文部省非認可・私立倉山学園砦大学」になってますよ。
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