ダイヤモンド・プリンセス号の中

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地上波はコロナ一色。情報過多のわりに、肝心な情報が何かが埋もれている。そんな中で注目が、これ。

ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機。なぜ船に入って一日で追い出されたのか。

発信者の岩田健太郎さんは、神戸大学医学部教授で感染症の専門家。過去に、エボラやサーズの治療した経験もあるとか。

ツイッターで精力的に発信をされていて、医学的な知見に基づいて冷静に警戒すべきだし、デマに流されてパニックにならないように訴えていた。

私も1月30日に紹介した。

武漢肺炎騒動に関しての所見

そんな岩田教授が例のダイヤモンド・プリンセス号に乗りこんだら、厚労省の素人官僚が仕切っていて、専門家である医師の意見は無視されているとか。そして、苦言を呈したら船を降ろされたとか。

野党も(本当は与党も)、「桜」とかより、この動画の真偽を問いただすべきだろう。

もしこれが本当なら、安倍晋三は菅直人より無能ということになる。安倍首相は去夏の参議院選挙で「あの民主党の悪夢に戻していいのか?」と東日本大震災を引き合いに出して国民を脅迫して選挙に勝ったが、コロナウィルスが千年に一度の大災害に匹敵しないのは、自明だろう。少なくとも、これまでは違う。それに菅直人だって、薬害エイズの時はちゃんとしていたし、Oー157の時もここまでひどくなかった。

断っておくが、別に今すぐ「安倍晋三は菅直人より無能」と断定しているわけではない。事の真偽を冷静に、かつ迅速に問いただすべきだと言っているだけなので、即断しないように。

それにしても、チャーター機を送ったのは早い方だったから、初動では安倍内閣の対応はそこまでおかしくなかった。一部のパニックを扇動して商売している人が言うような、「中国を封鎖せよ」なんて、今の安倍内閣にできるはずがない。法的にも整備されていないし、政治的に媚中を繰り返していたし、経済問題もある。現状主義者としては、それなりにやっていたのではないか?

だいたい、現在安倍内閣を批判している輩に限って、権力の匂いを嗅いでおこぼれにあずかっていたではないか。しかも「安倍さんの代わりはいないのだから、安倍さんを批判するな」と真っ当な批判も封殺してきた。それでも批判すると「お前は左翼か」と来る。ネトウヨ言論人に社会常識を説いて真っ当な生き方をしてくれるのを望むなど、サルにキーボードを叩かせて百科事典を作ろうとする方がマシと言われたら栓無きことか。

扇動商売の皆さんは、岩田教授が「思想が左翼だ」「当初は楽観論を言っていた」とか、レッテル張りに狂奔しているが、そうした言論のおかしさに気付けない人はかわいそうとしか言いようがない。

医学問題に思想の左右は関係ない。ところが、この10年、「あの人は保守(だから安心できる)」というセリフを何回聞いたか。そんなの関係ないのだが、思考停止して安心したいんだろう。そして、「日本て悪い国だって習ってきたけど、違うんじゃないかな」と目覚めた人たちを食い物にして商売をしてきた人達がいる。だから、食い物にされた人は、かわいそうではあるのだが、これからは騙されない自分にならなければ。

岩田教授のことを、「楽観論を振りまいていた」と曲解して拡散する輩もいる。過去の発言を追うと、そうは読めないのだが、そういう拡散をしている人たちは曲解じゃなくて、本当に国語力が無いのかもしれない。

そもそも、「楽観論と悲観論、どちらの予想が当たるか?」とか、そういうゲームを始めること自体が人として恥ずかしいことって、分かっていないのだから、基礎的な国語力が欠如しているのも頷ける。目の肥えていない客が、「予想が当たった!信じられる!」って、喜んでいるのだし。

長すぎた安倍内閣も、いよいよ末期症状。

我々自身が賢くならないと。まずは、「安倍芸人」の一掃から。

 

「ダイヤモンド・プリンセス号の中」への15件のフィードバック

  1. 第一次安倍内閣が小泉内閣末期に仕込まれた金融引き締めによるマクロ政策の誤りからの景気後退と官僚の事務能力不足からの年金問題、そして相次ぐ政治家の疑惑事件で支持を失って退陣したように記憶してます。
    今回は現政権の消費税やら社会保障料の相次ぐ値上げによる財政政策失政による景気低迷、今回の厚労省の肺炎の対応のまずさ(年金も間接的には厚労省関連でした)、そして桜やらIRやら河井やらの政治家の疑惑事件で何となく似てきているよう感じます。

    第一次内閣と違って第一次で金融政策失敗したから引き締めだけはさせたくないからか岩田先生や安達先生などリフレ派いたり、政治家の疑惑事件の対策としてか検察人事を握ろうとしてましたが、お友達優先で麻生さんを切れなかったり甘さが目立ちオリンピックまでできるかどうかで総裁4選はなくなりましたね。というかオリンピックがやれるかというところまで追い込まれてきているように感じます。

  2. 後半部分の長さが、倉山さんの怒り(というか、うんざり感?)の深さを示してるように感じます。同様の言説を倉山さんは、いったい何年にわたって繰り返されてきたことか。そしてほとんど何も変わっていません。

    でも今回のコロナ問題ほど、商売で扇動している人、彼らに扇動されている人、そして(おそらく商売とは思えないので)なぜかボランティアで扇動している人などを、それぞれくっきりと浮かび上がらせた出来事はなかったように思います。

    彼らの最大の気持ち悪さは、自分が「仲良し」だと思っている人が少しでも自分と違う考え方をしているとわかると突然怒り出し、罵詈雑言を浴びせるということです。

    だからこそ、そんな場所にもあえて降りていって、正気を失わずに発信を続けておられる上念さんなどを見ると、何と辛抱強い人かと感嘆するのですが、案外根が冷徹だからこそ出来るのかも知れませんね。書かれたものなどを拝見するに、間違いなく倉山さんのほうが人に優しいですから(笑)。

    1. > 案外根が冷徹だからこそ出来るのかも知れませんね。

      おー、その通り、と膝を打っていたら、

      > 書かれたものなどを拝見するに、間違いなく倉山さんのほうが人に優しいですから(笑)。

      で、吹き出して笑っちゃいました。
      唾の飛んだPC画面の清掃のための、謝罪と賠償を・・・(ry

      1. 返信ありがとうございます!
        しかもちょっとウケたみたいで、嬉しいです♪

        上念さんも倉山さんも、歴史を構造と人の両面から見ておられるのですが、上念さんの書かれた本を読むと最後は構造のほうが浮き上がってきて、倉山さんの書かれたものを読むと最後は人間像のほうが浮き上がってくる気がするのです。その意味では人に優しいというより、「最終的には人が好き」と言ったほうが近いのかも知れませんね。あくまで「最終的には」ですが(笑)。

  3. こんなニュースが。。

    米紙、消費増税は「大失敗」 社説で安倍政権を酷評
    共同通信社 2020/02/19 10:12

    感染の船客受け入れ、医療行為できず

    協力で見返り、ファーウェイが米批判
     【ニューヨーク共同】18日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、安倍政権が昨年10月に消費税率を引き上げたことについて、社説で「大失敗だった」と酷評した。増税後に新型コロナウイルスの感染拡大が起きたため「タイミングも最悪だった」と指摘した。
     2019年10~12月期の国内総生産(GDP)の伸び率がマイナスに落ち込んだことに言及。「安倍晋三首相が消費税率を引き上げたから当然だ」と強調。消費税の増税とコロナウイルスを原因に日本の景気後退入りを懸念するアナリストの見方も紹介した。

    https://www.msn.com/ja-jp/news/world/米紙、消費増税は「大失敗」-社説で安倍政権を酷評/ar-BB108uQL?ocid=spartanntp

    >>「安倍晋三首相が消費税率を引き上げたから当然だ」と強調。
    ⇒この記事が事実だとしたら、やっぱりわかってたんだなー。

  4. われわれはゴキブリらしいのでこの件は生暖かい目で見てます。

    日頃の言動は大事ですね。

  5. 過去のネトウヨ発言などから100点か0点でしか判断できない人や元安倍提灯持ちジャーナリストなどがネットであれこれ言っていますね。

    岩田先生のYoutubeは厚労省に対して感情的なところもあるので以下のインタビューのほうがどのようにダイヤモンドプリンセス号の感染対策がおかしく映ったかがわかりやすいです。

    https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-iwata?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter

  6. 我々が賢くなるなどと悠長なこと言ってられんだろ。
    皆が賢くなる前にシナに侵略されちまうよ。
    某作家や某ジャーナリストがなんと言おうが、シナの嫌がる事ならそれも血肉にするくらいの戦略を持つもんだがねー 信玄公ならもっとエグい事するだろうけどね。
    俺なら生物兵器疑惑利用しちゃうよw
    それで拉致被害者が帰国出来る確率が上がるなら何でもするよ。
    倉山塾というのはそんな甘い集まりか?

  7. ジョネトラダムス先生が変に持ち上げるからいけない。
    悪い先輩だ。

    1. 江戸時代なら練兵館の斎藤弥九郎先生みたいなものだから、些末な時事問題はゲストや師範代に任せてあげ足をとられないようにした方がよいのではないかと愚考します。
      こんなんでアベガーしてたら、せっかくの正論の重みがなくなってしまいます。

      ジョネトラダムス先生の言論は信じる信じないは自己責任の怖い世界だからw

      やっぱ先輩が悪い。悪い先輩。

      1. ジョネトラダムス先生ひとり勝ちの暗黒卿超えだったのに、あの人のために微妙になってしまいました。もったいない。

        しかし、医療崩壊阻止をハイライトしたのが一番早かったんじゃないですかね。
        一気に本質をつかむ瞬発力はさすが良い先輩。
        仮に武漢の研究所のお漏らしであったとしても、エボラや鳥インフルの人・人感染じゃないのだから、そこらへんは冷静に見極めないと。

        考えてみれば、ジョネトラ推奨銘柄は株みたいなものなんで、フルンゼさんとか「総理」さんとか「ゴキブリと蚊」さんみたいな旬の食材の賞味期限にこだわってはいけないのだなぁと。

  8. はて岩田氏とやらは本当に信用に値する人物なのか?
    こんなに断言しちゃって大丈夫ですかね?

    1. メガネの評論家も、財務省とやり口が一緒なだけw
      もう後には引けんのでしょう。

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