真砂体制の小括

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 安倍さんの敵を確認してみよう。
 公明党、民主党の大半、自民党の四分の三(特に石破幹事長)、
財界、産経を含めた五大紙。

 彼らは、白川法王と日銀貴族の前に右へならえをしている。

 敵は安倍さんに内閣を明け渡し、参議院で嬲り者にする気満々。
 現在の状況、安倍さんは八方のうち七方くらいは塞がっている。
 残りのひとつは日銀のみ。
 だから、「金融緩和」「日銀法改正」を繰り返し、選挙の争点にしようとしている。

 さて、政局を読むのに必読なのはこれ。
 今週の『文春』、というか「今週の飯島勲」は「俺は安倍支持だが、今回の野田は見事」と。

 安倍さんとしては味方につけるとしたら二つ。
 ひとつは国民の支持。とにかく衆議院と参議院で多数を持たないと話にならない。
 もうひとつは財務省。前は、安倍内閣と財務省以下官僚機構が全面戦争をしてしまった。
 そして高笑いをしていたのが日銀。
 安倍内閣は実は福井俊彦日銀総裁に殺されたようなもの。
 (拙著『財務省の近現代史』を参照)

 何としても、今回は財務省を味方につけねばならない。
 ここでようやく本題。
 民主党追随だった勝栄二郎前次官から交代してはや三ヶ月、前任者と違いまったく目立たない(でしゃばらない)現次官の真砂靖新体制を検証してみよう。

6月 増税通過直後。安住財務大臣、輿石幹事長、城島国対委員長、「増税よりも特例公債」を強調。

?  大蔵省のドンこと長岡実元次官、勝現役次官に退陣勧告。

 

7月 小泉純一郎、動く。谷垣自民党総裁、死に体に。…新聞とテレビしか見ていない人はまるで知らないということに驚き。

8月 増税通過。翌日、勝次官の退任発表。…12月までやりたがっていたくせに。
   電光石火で真砂新体制発足。勝前次官に公然と反旗を翻した古谷主税局長を国税庁長官にするなど、真砂シンパで中枢を固める。
  「安倍シフト」として同期の田中一穂理財局長を主税局長として残す異例の人事。

 

9月 内閣改造で、増税原理主義の岡田財務大臣を阻止。特例公債優先派の城島大臣に。
   勝前次官から顧問室を取り上げる。…「個室、秘書、送迎車」は「三種の神器」としての意味を持つ。

11月 民自公妥協。特例公債の三年間発行を認めさせる。=亡国阻止。三年間の延命。
   とりあえず、民主党政権を終わらせる。

 なかなか、やるじゃないの?
 前任者が大蔵省以来の伝統を忘れたのと違い、就任三ヶ月で亡国を阻止、三年の延命装置をつけた。
(延命したとは言っていないのであしからず)

 次の目標は?

日銀征伐!!!

 前任者が増徴させ続けた日銀に鉄槌を下す。
 実は、安倍さんと財務省と日本国民の利害は一致しているのです。
 もちろん、日銀がもっとも嫌がる人物を総裁に推すしかない。
 その人は?

武藤敏郎

 白川総裁はもう五年やりたがっています。
 と見せかけて、本命は山口副総裁の昇格でしょうな。
 とにかく、総裁の椅子を財務省に渡したくないので。

 改めて問う。

 もう五年間、後白川法王の圧制が続いてよいですか?

 明日は日比谷で安倍さんを応援する会に出席してきます。