カダフィー敗北に思う

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 昨日の帝国憲法講義にお越しいただいた方々、ありがとうございました。
 その飲み会で話題になったことと私見。

 チュニジア、エジプトに続いてリビアでもカダフィー独裁政権崩壊。
 何か良いことあったの?

 日本のニュースでもさすがに、「米英仏が石油利権を狙ってカダフィーを倒した」と報道している。民主国独裁国関係なくデモ・暴動が世界中で発生していて、そのほとんどが経済格差への不満が原因。

 では、なぜ民主化が解決に?
 そもそも、民族問題や宗教問題が深刻だと民主制なんか成立するわけが無い。
 まず負けても殺されない、負けても国を割らない、が民主制の根本なので。

 チュニジア・エジプト・リビアのどこの国でも、制憲議会が開かれるのだけど、さっそく主導権争いがはじまっていて、収拾がつかない。
 日本人は忘れているけど、憲法制定とは国の形を決めることで、憲法をどうするかで誰が利権を握るかが決まる。

 例えば、日本国憲法は敗戦利得者の特権を固定化するためのものだった。
 逆に大日本帝国憲法は、維新の志士たち(元老)が特権を手放すためのものだった。
 だから当時は世界中の憲法学者から「権利のバラマキだ」とびっくりされた。

 私がかの国の制憲議会の人間なら、「暫定基本法」のようなものを作り、その間に国民統合教育を徹底してから、20年後に憲法を正式に決めましょう、という風にするかな。
 まずは、「民族や宗教が違っても同じ国民だ」という意識を徹底しないと。
 民主制など二の次、三の次ですな。

 日本人、アメリカ人の悪影響で、何でもかんでも投票箱民主主義で物事を決めれば世の中が良くなると思っていないか?例えば、人権弾圧をする民主制と、人権を守る独裁制、どちらがマシなのか?この二つ、語義矛盾でもなんでもなく、どちらも存在します。

 次回は、シリアの話。