最近、仕事以外では完全引きこもり生活ですが、こればかりはまったく仕事と関係なく善は急げとばかりに飛び出していきました。
表題の意味、どれくらいすごいかわからない人にはまったくわからないでしょうけど、わかる人には感動っぷりを伝えたく、砦では例外的な身辺雑記です。
伝えたい衝動もあれば、「これ以上内容と表現を落とせるか!」というわからせるつもりがさらさら無い態度も炸裂の回になります。乞御寛恕。というか、わからないものをわかろうとする気は無い人は読まなくていいです、とか言うと怒られるのだろうなあ。
ことのはじまりは、竹田研究会で御世話になっているShimeさんとの会話からです。
毎月第一水曜日の「政治を近くする会」で、「コンピューター将棋に心理戦で勝つ方法」とか普通の人にはなんのことやらさっぱりわからない講話をしたところ、Shimeさんから「倉山さん、将棋好きだったのですか?」との一言。
私「ええ。毎週月曜日に週間将棋を買うのが今の唯一の趣味でして」と言う話から、「知り合いにプロ棋士がいますよ」というShimeさんの一言。。。「え????」
で、実は私が中1の時に県の中学生将棋大会で優勝して景品が米長邦雄『泥沼流人生相談』という極めて道徳的な書物で(嘘)、調子に乗って3日にだけプロを目指したけど現実のプロ棋士とのあまりの才能の違いに諦めてとか、ちなみにその時に小学生の部で3位だったのが小4の伊奈祐介六段(私と違い礼儀正しい少年でした)でとか、
言い出したらキリが無いその他もろもろの話から、今日に至りました。
で、Shimeさん曰く、「上野五段、砦の読者らしいですよ」という感激の一言。。。。。。(ふわぁ〜)←なんという擬音。
まあ将棋のプロ棋士がどれくらいすごいかをまったく知らない人に説明すると大変なのですが、とりあえず「半年に二人しかなれない」で厳しさを理解してください。しかも全国で「頭良いね」と言われる天才が集まる中の競争率で。
ちなみによく比較されるのが、東大生で年間3000人、その中でも最高峰と言われる医学部で90人です。ついでにプロ野球のドラフト1位は12人ですね。
少しはかじっただけに、プロの凄さがわかるので、お会いするだけで緊張感たるや。。。
とはいうものの、私より4歳年下のはずの上野先生、社会人の風格がありつつ物腰柔らかで話しやすい方でしたけど。
ちなみに、日本将棋連盟で現在最年少理事でいらっしゃいます。
普通の人は読みすごしたのでしょうけど、この砦には将棋界用語が思わず出ている部分もありまして。
例えば、7月21日レス4の「金子洋一先生は温存の一手ですね」とか。
というか、そんなところまで読んでいただいた上野先生、感謝感謝です。(原田泰夫九段調)
てな感じで、飲み会の前に指導対局をお願いしました。
まじめに「負けるかも」というまじめな将棋を指すのは気晴らし幽霊部員だった大学以来15年ぶり、プロの方に教えていただくのは24年ぶりという超ブランクもあり、情けない結果になると恥かしいので二枚落ち(飛車角抜きのハンディ戦)で。・・・( )のふりがな、『月下の棋士』みたい。どうでも良いけど、『5五の竜』以来、まともな将棋漫画、無いなあ。ちなみに『ハチワンダイバー』は将棋漫画ではありません(理由略)。
始まった途端に上野先生、勝負師の顔に。。。私、盤面に集中したと言うよりも前を見れなかったのが本音です。まさに剣豪の前に出た少年剣士の心境。
駒を並べているうちから手が震えているし。・・・気付かれなかったようですが。
とにかく、指導対局で長考して待たせるような失礼な真似はしないようにとだけ気をつける。
序盤は、「プロに指していただけるときは、本で覚えた通りに」という基本に忠実に定石通りに。「銀多伝」という二枚落ち特有の指し方ではなく、平手(ハンディなし)に近い「二歩突っ切り定跡」を選択。「攻めは飛角銀桂」「守りはカニ囲い」まではスラスラと上手も教科書どおりの構えに。ここまでは無事。(以上、アマチュア棋士の自戦記風)
中盤は、私の44歩で開戦。全軍躍動!オー、上野先生やさしい!勝たせてくれる?と甘い観測。「ゆっくり追い詰めれば自然と勝利は転がり込む!」はず。。。
ところが、角の動きを止められて、幻惑の歩で揺さぶられ、「狙いは何だ?」と読み損ねているうちに桂馬を成り込まれる。私の中では死亡フラグ・・・。や、ヤバイ。
後でお聞きすると、「まだこの段階では特に狙いはないのですが」
ガク。。。深読みしすぎかぁ。
さらに、上手に乱暴されるのを恐れて避けた手順もあり、「そんなおとなしく指してくれるならそっちを選んだのに!」も。
私が勝手に腰が引けた手を二手も指したのがこの劣勢の原因。
この辺りから、「どこで投げるのが礼儀正しいのか?」ばかり考え始める。
な、情けなや。(と、将棋マニアで有名な坂本未明さん調。もはや、バトルロイヤル風間さん、漫画にして、という状態)
終盤、上手は攻め駒が無いはずなのに、私の方が防戦一方。既に勝機はなし。
というかこの状態から逆転できるなら、私・プロになれてます。泣
「攻められた手に乗って避わそう!」「角の大転回!」とか色々と狙いはあるのに、そんな甘い手順が回ってくる気配、さっぱりなし。
最後は、追い詰められて(必死)、こちらの王手が届かなくなったところで投了。
(以上、『週間将棋』によくある自戦記調、ただし気分は「橋本七段、伝説の敗戦記」。)
ということで、プロに本気出されたら素人は太刀打ちできないという経験でした。
負けたのは仕方ないけど、もう少し踏み込めればなあ、と後悔。
やはり事前に道場で練習しないとダメですね。
その後は、プロデューサーKも合流して12時くらいまで飲み会。
話の中身は内緒。
こんなに文化的で建設的な話はどれくらいぶりだろう。
公開できるようになれば幸いです。
お楽しみに。
今の政界には定跡も知らずに「将棋に無い手」を指す人ばかりだから混乱しているんですよ、的な話で盛り上がっていましたとさ。
そうそう、世の中では与党の代表選挙とかいう瑣末な行事もあったとか。砦的に優先順位として無視。どうでもイイヤ。