さすがに高度すぎる番組作りだなと自分でも思っていたので、解説します。
この番組は山村先生の持ち込み企画なので、司会が山村先生です。
番組の最後のコメント、あえて最初には入れませんでした。
最初に入れると、今度は「じゃあ、なんでそんな番組やるのか?」となりますし。
くららのコメ欄に「最初に入れてくれれば不快感は軽減された」とありましたが、
この番組はカタルシスを目的とした番組ではありません。
ウケる番組作りとしては、
「増税を主張する財務官僚を呼んでフルボッコ」
みたいな、視聴者を気持ちよくさせるのが手っ取り早いのですが、
じゃあ、この10年
「視聴者を気持ちよくさせるだけで、あとは知らんぷり」
の番組に何の意味があったか。
その場は気持ちよくても、あとから見られない番組にしかなりませんから。
そして、無責任な言論だけが垂れ流される。
一つ例を挙げると、去年の総選挙で
「安倍さんは増税を決めた訳ではない。倉山はいい加減なことを言うな」
と色んな人に言われました。
ところが、その人たちが今は
「増税は決まったことだ」とうそぶいている。
ネットで気持ちよくなっているだけじゃ、あとから破滅がきますので。
番組が終わった後に、松田さんには、
「ここまで言って、財務省の中で大丈夫ですか?」
と心配になって声をかけました。
ただし、松田さんの発言はカットしない方針で。
内容の細かい解説はしませんが、
「財政は(当然、日銀も含めた)統合政府で見るべき」
「国債の償還期限があるのは日本だけ」とか
今の大勢の中でOBが言うには勇気がいる発言もしています。
私の
「デフレ脱却前に増税する理由はありますか?」
という質問への反応、やりとりを見ていただければ
わかる人にはわかると思います。
同じ番組でも、見る方向によって、
「倉山、山村は増税派に寝返ったか」とも
「松田はリフレ派に寝返ったか」とも見える。
話し方とロジックを見れば、かなり勉強になると思いますが、
如何でしょうか?
以上、倉山塾掲示板「松田さん出演動画を語るスレ」より。
財務省の役人が、真面目に一生懸命日本の事を考えて増税しようとしている姿が目撃出来る貴重な番組だったと思います。
幕末の幕府内で、参勤交代や兵庫開港について、同じような人たちがたくさんいたのだろうなと思わされました。
「寝返った」とは、全く思いませんでしたよ。
倉山さんも山村さんも、今増税が必要だとは一言も言っていませんでしたしね。
恒久的な負担(社会保障)には恒久的な財源を(消費税)と、さも当たり前のように松田氏や財務省は言いますが、少子化の現役世代と団塊の被社会保障世代の人口ギャップが問題なのであり、これは明らかに年月を経るごとに緩和されるのですから何故恒久財源で賄わなければならないのか分かりません。一時的なギャップには一時的な財源では駄目なのでしょうか?
この口実が利用出来る前に増税を急いでる様にも見えてしまいます…
松田さん自体、一元的な消費増税反対に反対してきた方ですが、財務省のロジックそのもので語っている訳ではないと思います。
今までの社会保障と税の一体改革では、所詮は若年層から高齢者への所得移転に過ぎず、ストック→ストックでは無くストック→フローとなるような、経済政策と社会保障と税の一体改革と仰っているのが、松田さんのプランであって、それに対して立場は違えど、一定の理解を示しているからこそ、出演されていたのでは無いでしょうか。
私も増税分をマイナンバーにポイント付与する形で個人の社会保障へ還元されるような形であれば、必ずしも増税反対とは言いません。
倉山氏が増税派に寝返るでも
松田氏がリフレ派に寝返るでも当然なく、
要は憲法改正の話と同じで、
大事なのは中身の話である、
という事なのではないでしょうか。