私が協力した作品です。
ウィキペディアさんに「監修」とか書かれてましたね。
正式クレジットではないので、「協力」くらいにしておいて欲しいのですが。
春に力を入れて協力したのが、絶賛発売中のこの作品。
雀野日名子
終末の鳥人間
(光文社、1900円)
『財務省〜』が一段落したころ、光文社の担当さんから、「安全保障の専門家を探している」
という話があって、話を聞いてい見ると探すより自分でやった方が話が早いと思い、引き受けました。
著者の雀野さんは、元々はホラー作家として賞なんかを獲ったりなんかされている方とのこと。
直接お聞きしたところによると、最初は裏方の仕事だったのが「自分の名前で世に出たい!」「それには賞を採ることだ」と一念発起されて、受賞されたとか。
有言実行の方、尊敬します。
ちなみに「自分の名前で世に出たい、ということはもしかして本名ですか」との質問に、「もちろん違います」と冷静なお答えでした。笑
さて、最初の原稿を読ませていただいて、まず発想がぶっ飛んでる。
今回は「青春小説」を書きたいとのことだったのですが、現代の不条理に田舎の平凡な若者が振り回されつつ、立ち向かっていく、という話。
その不条理というのが、某国のミサイルが北陸のプラントに落ちる!
ただ、某国が本当に何を考えているのかわからない不条理で訳が分からない存在だとリアリティーを欠いてしまうので、裏設定を緻密に詰めましょう、ということになりまして、そこの部分を協力したわけです。
あと、根本的な設定として、国際社会の常識として、
北朝鮮はマトモ=何を考えているかわかる=剥き出しの私利私欲、自分が良ければそれで良い。
日本はキジルシ=意味不明。ミサイルよりも増税の首相、田中直毅が防衛大臣、等々。
の二点を確認しました。
さて、出来上がった作品をご紹介しますと、
2015年のこと。
数年前の衆参同日選挙で、既成二大政党の打破を訴えて国民的人気を背景に首相に就いたカッシー。
カッシーは首相就任直後にお札を大量増刷して景気を回復し、
「憲法変えるぞ!空母持つぞ!核武装だ!」など、はっきりとモノを言う政治を掲げて人気は絶頂に達した。
その頃には、三代目の独裁者が支配する某「北」国は毎年2月と4月には人工衛星(ミサイル)を打ち上げるのが恒例行事となっていた。
ところが、今回ばかりは北陸地方の「プラント」に落下する大惨事となる。
事故か、意図的か?謎の国だが、どうやら深刻な内紛を抱えているらしい。
周辺の超大国のアメリカや中国の陰謀にカッシーは対応できず、日本国内ではテロが頻発し、
主人公の少年たちも巻き込まれていきつつも、運命に立ち向かっていく・・・。
主人公の少年に感情移入して読み込みました。
大作労作ですので、是非ご一読を。
ちなみにカッシーのモデルになった人をよく知る人の感想。
「こういうこと言いそう!やりそう!この人が首相になったら怖いわ」
このたびはご多忙ななか、本当にありがとうございました。
お陰様で、かなり手応えのある反響が得られているそうです。
日本経済新聞や中日新聞でも、取りあげていただきました。
版元から先生のご紹介を受けた際には、耳を疑いました。
「あの硬派な学者さんが、サポートを引き受けてくださったって!?」と。
ノンフィクションの社会派小説ならまだしも、ファンタジックな青春小説のサポートを!?と。
実際にお目にかかり、お話をさせていただき、さらにビックリいたしました。
ファンタジー要素を含む小説に対応してくださる柔軟性。
「世の中の見えない部分で何が起きているのか・何が起きようとしているのか」と暗中模索を繰り返すばかりの当方への、ご丁寧なご指導。
「小説の題材に対しても、人間に対しても、なんと守備範囲の広い学者さんでおられるのだろう」と、ただただ驚くばかりでした。
(ファンタジー要素への「免疫度」が高くておられたことには、心底驚愕したのですが、後に伺いましたところ、先生はウルトラマン方面や特撮分野に造詣が深くておられたのですね)
執筆中、トンデモ質問やおバカ質問を何度もいたしましたことにより、先生には多大なるご迷惑をおかけすることとなりました。
拙著巻末に謝辞を書かせていただきましたが、スペースに制限があったため、極めて短いものとなってしまいました。
非礼を何卒お赦しください。
末筆ながら先生の益々のご活躍を、心よりお祈り申しあげます。
乱文にて失礼いたしました。
雀野先生
長文のレスありがとうございます。
再生回数とかは上々のようです。
これをきっかけに実際に手にとって本を読んでいただければ、
言っていることが伝わるのではないかと思います。
また、よろしくお願いします。
追伸
確かにファンタジーには免疫がありまくります。笑
倉山先生の面映い姿が目に浮かびます。
『終末の鳥人間』読了しました。
AJERを観て、手に取った一人です。
時間を掛けて読もうと思っていましたが、一晩読了まで止まりませんでした。
『あり得そうな話し』に睡魔に襲われる事もなく、一気に読み終えてしまいました。
面白い作品なのですが、ちょっと怖い作品でもありました。
生意気な表現で恐縮なのですが『良く出来て』ます!
満腹・満足です。
ぼくも感情移入して読みました。
クライマックスではついつい感動して、目頭が熱くなってしまいました。
カッシーはデフレ脱却に成功しました、ハッシーはデフレ脱却できるのでしょうか。