フィンランドメソッドと言うよりも・・・

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 かなり前ですが、教育論に関しての私の意見を、というご要望がありましたので、軽い雑談として。というか数日前に、本当に雑談としてしていた話を。というか、ちょっと今、難しい仕事を抱えていて、重い内容が書けないので、すいません。これが片付けば、「日本国憲法の正統性」をばたばたと仕上げつつ、「世界史」も急いで、余裕ができたら「亡国前夜」もやります。そして、「国際連盟脱退」は皆忘れています???

 

 最近、教育に関してフィンランドメソッドということが言われている。基礎学力の向上に関して模範とされ、日本でも中途半端に取り入れているらしい。この中途半端振りが、いわゆる保守の方々から反発を受けているらしい。ではこうしよう。

 マンネルハイムメソッド!で如何?

 そもそもフィンランドメソッドとは基礎学力を向上させる国民教育を指すらしいです。日本風に言えば読み書き算盤ですね。大事なことで忘れられているのが、フィンランドでは国民の権利として誰もが大学まで無償で行ける権利がある、ということですが。どこぞの国の最高裁のように「義務教育には教科書代が含まれていないのだから、その金額は払え」とかどういう基準だかわからない言説は言い出しませんのでご安心を。(どこの国の最高裁だろう?うーん)

 教育と外交には金を惜しむな、は小国外交の基本ですね。軍事力が弱小ならば、なおのこと頭が良くなければ生き残れないのですから。国防と外交と教育は票にならないから金をつけない、などと言っている国はたぶん大国なのでしょう。

 ちなみにG7(=本来のサミット参加国の意)に含まれるある国では、「大学卒業生が借りた奨学金を返さない」と問題になっているが、その他すべての国から「お前の国は奨学金をあげるのではなく、貸すのか」と呆れられているらしい。あなかまあなかま。

 さて、確かにフィンランドメソッドの本質はあまり語られていない。フィンランド式教育の本質は愛国心です。その象徴は、二次に渡る冬戦争の英雄、マンネルハイム元帥です。最後は物量の差が響いて、外交交渉で領土をむしりとられたが、戦闘では圧倒的な強さでソ連軍を屠りまくっていったのです。その国民一丸となった英雄的な戦いは指揮したマンネルハイム元帥とともに語り継がれています。

 油断すればロシアが攻めてくる。だから全員が賢くならなければならない。これがフィンランドメソッドの神髄、マンネルハイム元帥の精神です。

 これを言うと、「フィンランドは隣にロシアという巨大な大国が狙っているから、そうせざるをえないのだよ」などと言われることがあります。それはそうですが、名前を挙げたくないが、ある極東の島国では、隣国の大陸国家が膨張主義を公言し、さらに半島を不法占拠する匪賊集団に自国民を自国領で拉致されても何もできないらしい。その国では、「みんなで賢くなって愛する祖国を守りましょう」という人を右翼勢力として弾圧しているらしい。

 これが右翼ならば、

フィンランド人は全員極右です!

 冷戦期に西側諸国にありながらソ連の影響力が強まった時期に中立化の同義語で「フィンランディゼーション」などという失礼極まりない米語が流行ったが、それでもフィンランドに親露派は一人もいない、という事実は大きいです。

 モンゴルもそうですが、大国の圧力に耐えかねる状態でも教育をしっかりして、外交で上手く立ち回れば、しっかりと生きていくことはできるのです。

 我が国でも導入しよう、マンネルハイムメソッド!

※文中でいくつか目的語が不明なところがありますが、脱字ではありません。

「フィンランドメソッドと言うよりも・・・」への0件のフィードバック

  1. 左派の方々の中には北欧の福祉国家を賛美する方がいますよね。

    けれども北欧の国々の方って国家主義者で、

    「福祉は国を強くするための投資だ。」

    なんて認識が存在するんですよね。

    国家政策のすべてに

    「強い国家・国益のために」

    なんですよ。

    でも強い国とか国益なんて語るだけで”右翼”といわれる極東の国ってどうなんだろうって思います。

    左翼も国家主義者たれって思います。

  2. なんでも民主党は、高校卒業まで無償にするとか。義務教育でないので、中学卒業のものには不利益になるのではないかとも思いますが、それよりも国民の血税で勉強するのですから、成績不良のものはまさに国家反逆罪ですかね。そいつらを強制動員して、公共事業をやらせれば安いでしょうね。

    無償にしたからといって国民の学力が上がるわけではないでしょう。所詮やる気の無い者に教育を施しても無駄です。

    そもそも日本人には危機感がないのです。明治の頃にはそれがあったのでしょう。危機感があればだれでも勉強するのです。

    学校に行くより、兵営の方がよっぽど良い国民を作れます。良識的徴兵拒否者などとホザク者は、どんどん刑務所にいれて国家建設に使役しましょう。

  3. 倉山さん

    こんばんは。藤沢秀行です。
    たまにはこういう少し軽めの話もいいですよね。
    何か好きです。私こういうの。

    でも逆にこの国では左派の人ってどういう人を指すのでしょうね。何か頭がこんがらがってきました。
    どうでもいいって・・・。失礼しました。
    それではまた。

  4. シバッティさん

    こんばんは。藤沢秀行です。
    はじめまして。宜しくお願いします。

    いつも楽しく拝見致しております。
    深い知識と確かな分析力、正直すごいと思っております。
    (専門の研究者の方でしたらすみません。あ、別にこの部分は回答頂く必要ありませんので)

    質問と反論を含みつつ教えて頂ければと思います。
    お話、ごもっともだと思います。その事自体には反論はありません。
    でも私はあえて逆を言いたい。
    「それを言うならば保守(右翼)こそ福祉を充実させよ」と。

    丁度のタイミングでしたのでシバッティさんに話しかけている形式をとっておりますが、私自身、いわゆる保守と呼ばれる人達に疑問を感じているのがこの点です。

    私自身、歴史認識みたいな点ではたぶん皆様と同様に保守と呼ばれる層に入るのだと思っています。勿論、自分自身ではそれが正しいと思っています。
    反面、保守と呼ばれる人達が持つ社会保障への冷淡とも取れる無関心さは正直反発に近い抵抗を感じています。
    (※一応ここでは社会保障を「医療・年金・介護」にしておきます。教育は話が広がり過ぎそうですので外させてください。また、例としては安倍晋三をイメージしております)

    用語の問題といってしまえばそれまでなのでしょうが、保守というのは社会保障については基本的にどういうスタンスを取るものなのでしょうか?
    私のように、歴史や軍事外交では保守に賛同し、一方で社会保障の一層の整備を望むものの立ち位置はありうるのでしょうか?

    見解をお聞かせ頂ければと思います。
    宜しくお願いします。

  5. >藤沢さん
    僕は藤沢さんのスタンスが一番まっとうだと思います。

    僕はそもそも歴史認識とか国家認識で左派と右派がここまで対立すること自体に違和感があるんです。(欧州とか見ればわかるとおり)

    フランス社会党って、国旗国歌教育を強化しろだの軍隊式教育の導入だのって
    主張したりしているじゃない。

    北欧で保守が政権取れば行き過ぎた福祉はなくなるけど基本的な福祉(学費の無料とか医療保険とか)は維持されるしね。

    なんかあまりにも日本は左右がギャップが大きく左翼が国家転覆を志向しているから藤沢さんみたいな悩みが発生すると思います。

    それに欧米の右って倉山さんと比べてもかなり右な気がします。

    ユーロを造ったり金融危機を予言したサルコジのブレーンのジャックアタリさんなんて「美しくて偉大なフランス」だの「世界一のフランス」なんて平気で書きますし。

    ハンチントンっていうアメリカの保守系の政治学者なんてアメリカの民俗情勢を分析しつつ「キリスト教(プロテスタンティズム)を中心とするアメリカに戻るべきだ」なんて平気で言いますし。

    倉山先生が中道右派とか僕が中道左派だなんて言われるまともな国にしたいものです。

  6. 本来、左翼というのは社会主義を目指している存在。国家の基盤がしっかりしていなくては計画的な生産や国民全員で富を分配すること等が出来ない。そう考えると本来左翼が目指す社会主義を目指すには比類無い強力な国家を作ることが前提ではないでしょうか。そう考えると今日本で左翼と呼ばれている人が本気で社会主義を目指しているようにはまったく見えないのですが。それとも私の左翼観が間違っているのでしょうか。
    フィンランドは独立を守るためにナチスドイツに協力してソ連に攻め込むものの必要以上にナチスに恩を作る必要性は無いとしてスターリングラート直前で前進を辞めたりしていますよね。フィンランドは本当にぎりぎりの所で外交を続けてきているのが分かります。今の日本にアメリカや中国に対して売る恩の量は決めてあるのでしょうか、日本は海を越えれば2つの大国に挟まれている状態です、フィンランド以上に外交は緊張状態にあると言っても過言ではないと思うのですが。

  7. 「義務教育には教科書代が含まれていないのだから、その金額は払え」っていう国や「奨学金をあげるのではなく貸しておいて、返せない状況になったらすぐ返せ(返せないなら自己破産しろ)!」って言ってる国はどこの国でしょうね?そんな国、きっと滅びちゃうよ、ははは・・・
    まあ、日本の理系男子は「清少納言の娘」の「枕草子」の「いとおかし」に憧れちゃいます。
    「春は日の出がいいわ、山の稜線の雲がたなびいている空が、「黒→紫→茶→オレンジ→ピンク→白→水色→青→蒼(12式部の装束のように)色が変っていくの』とか、、
    「冬は朝の琴とした冷たさがいいわ、その気にあたると(年末は)忙しいから、「働くぞ!って気になるの』とか、、
    「小さいものは賢いはねえ、木の一部分を接木した盆栽は、まるで元の大木の構造と一緒ね、未来の人には(自己相似っていう概念の)面白さわかるかしら?」とか、、
    軽小ハイテク産業支えた日本技術者の概念もこのときから初まっている(大きなものを作る体制に関しては日本は弱いなあ?)!
    日本には平安時代から1000年以上の文化伝統があるのだ。オーロラの見える、氷に閉ざされた、アザラシを生で食べる(日本も魚は生で食べるなあ)エスキモーの国に教育で勝てる要素はあっても、負ける要素は全くない!?

  8. 北欧諸国って、自殺率が高いのですよね、確か。
    加えて徴兵制。この辺にある重要な問題が隠されているように思います。

  9. シバッティさん

    こんばんは。藤沢秀行です。
    対応頂きまして有難うございました。
    理解を深める事が出来ました。

    しかし、こうして見ますと案外日本ってまとまりが悪い所もある感じですよね。この国で怖いのは独裁者による暴政ではなく、むしろ意思決定が麻痺してしまう事なのでしょうね。
    そうならないためにも、制度と意識を絶えずメンテナンス(維持修正)していく必要があるのでしょうね。

    私自身、自分の立ち位置がそれほど間違っていなさそうだと分かって良かったです。勉強になりました。またよろしくお願いします。

    ※※(ここからは)皆様へ
    話は全然別ですが、メールを分けるほどでもないと思いましたので、ここで書きます。記事(雑誌)の紹介です。

    今週号の週間ダイヤモンド「民主党最大のアキレス腱 労働組合の腐敗」
    知っている人にとっては、ありきたりかもしれませんが、幅広く全体を網羅している点ではオススメです。
    特に、「Part2 労働貴族の呆れた実態」は怒り無しでは読めません。
    参院選の前に、知識をストック(確認)しておきましょう。

    さらに余談ですが、サブ特集の「あなたの町も値上げ待ったなし! 水道危機の犯人」も結構力の入った興味深い記事でした。合わせてオススメします。

    すみません。長くなりました。失礼致します。

  10. でもその右翼勢力として弾劾している人々はよく北欧崇拝でフィンランドとかを模範にしろと言っているらしいですよ。

  11. とある左翼の知り合いから「左翼を売国と一緒にするな」と言われたことがあります。
    リベラルというより反日・売国勢力が国内に跋扈することがわが国の不幸であると思います。

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