世界史(5)―ロシア革命

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 第一段落、「砕氷船」で「砕氷船のテーゼ」を思い出した人はいるでしょうか。倉前盛通という日本で地政学を広めた先生がよく使っていました。

 第二段落、これほど簡単に共産主義を要約した文章はあまりないでしょう。美化しようとか価値中立を保とうなどと無理をしなければ、実に簡単ですよ。「しょせん凶悪犯は犯罪者にすぎません」みたいな要約ですね。

 第三段落をさらに要約。「レーニンは何をしでかすかわからない過激派です。」

 第四段落で大事なことは、「シベリア出兵」などという独立した戦争など存在しないということです。そんなものが存在すると考えるから、日本人は何が起きているかわからなくなるのです。今も当時も。一番わかっていなかったのが原敬だから困る。

 シベリア出兵とはロシア革命干渉戦争の極東戦線のことです。第五段落は、英仏には戦争目的があったから、目的限定戦争を達成したらさっとひきあげたけど、日本は自分が何をやっているのかわからないので、延々「鬼ごっこ」をしていた、というお話です。戦術的にはほぼ全戦全勝なのですが、外交に敗北しています。というか、自ら敗北しにいっています。これが昭和期のようにソ連にひねられたのではなく、なぜか原敬が「米国のご機嫌は何が何でもとらねばならぬ。その為には党利党略など犠牲にせねばならぬ」と意味不明なことを言い出して、その後の外務省が踏襲してしまうから、無意味に迷走してしまうのである。寒地に送られた兵隊さんが一番可哀想である。

 参謀本部も干渉戦争シベリア戦線がどのような性格の戦いかを理解していたかどう相当あやしいです。欧州人にとって、ロシア革命とはフランス革命の焼き直しであり、レーニンはロベスピエールの再来です。その感覚、日本の外交史家、どれくらいあるのだろう。

 歴史は繰り返す。一度目は悲劇として。二度目はさらなる悲劇として。

「世界史(5)―ロシア革命」への0件のフィードバック

  1. レーニンは世界革命だの革命の輸出だということを平気で言いだしていましたね。

    自国においても大量虐殺を敢行しましたしね。

    ロベスピエールの再来とは的確に言い表したものです。

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