ロシアのウクライナ侵略に対し、日本の言論人の寝言が多すぎる。
寝言その一
プーチンは正義のヒーローだ!
→論評の余地なし。論外。
寝言その二
岸田自民党は立派にやっている。
→同上。ほぼ『ムー』の如き異世界。
寝言その三
ゼレンスキーは被害が甚大になる前に現実的な判断を!
要するに、降伏して領土割譲で許してもらえ、ということ。
プーチンの目的がウクライナ全土の併合なら、一部の割譲で許してもらうのがよりマシな選択肢、のつもりなんだろう。
ウクライナは国の存亡をかけて戦っている真っ最中。ウクライナ人でこれを言えば、即座に売国奴認定。
少なくとも、冬戦争のフィンランドがそうであったように、弾薬が尽きるまでは、ウクライナから和平など、言い出すはずがない。歴史において、フィンランドは冬戦争で領土割譲を呑んだが戦いは終わらず、継続戦争となった。
根本的な話。ウクライナが抵抗を止めたとする。ロシアが侵略を止めるのか?
止めるとしても、同胞はロシアの圧政に苦しめられることとなる。仮に今回許してもらえても、侵略は永遠に終わるのか? むしろ逆で、プーチンは「中立化、非武装化」を要求している。これは翻訳すれば「俺の者になれ、二度と逆らうな」のこと。
仮にウクライナ全土が併合されたとしよう。その時、
・ロシアに屈服して生きる。
・全国民が祖国回復の日まで戦う。
のどちらを選ぶか?
ロシアの侵略が起きてしまった以上、徹底的に戦う以外にウクライナ人には選択肢はない。たとえ何人死のうとも。少なくとも、彼らはそう覚悟している。
それに、冬戦争のフィンランドと違い、ウクライナにはNATO諸国からの武器支援が入る。
戦争とは意思の意思の押し付け合いであり、先に怯んだ方が負け。武器はそのための手段。
「こちらに何人の犠牲者が出ようとも武器弾薬が尽きるまで戦って意思を貫く」という価値観を、日本の寝言言論人は理解した方がいい。
プーチンに屈服して目先の犠牲者を減らすのは現状主義。
命がけで戦って自由を守るのが現実主義。