西浦博氏は科学者なのか?

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私は人の過去を未来永劫忘れさせないので有名である。

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明日までに3500人になるのか? この人も言ってることをはずしまくっているのに、信じる人が多い。というか、マスコミが結論だけを独り歩きさせて恐怖を煽動している。もはや「西浦」というだけで、恐怖を連想させる言葉と化している。これは誰も幸せにならない事態だと思う。

さて本題。西浦氏に「3500人?350人の間違いじゃないか?」と迫っても、「”このままでは”と条件を付けた」と返してくるだろう。「今回、国民が自粛したから3500人にならなかった。自粛してこの数字なのだから」と自分の理論の正しさを確認するだけだろう。
自然科学的には、そうやって延々と議論が続けるのはある意味で科学的と考えてよいのではないか。実験コストが許す限り。よく知らないからあんまり偉そうなことは言えないけど、実験コストが許す限り、何回失敗しても実験を繰り返すのは、ある意味で科学的と言えるのじゃないか。もちろん失敗を修正しながら、次の実験を行うというのは当然だが。
ただし、その場合の実験動物は国民であり、コストは日本経済そのものであるので、スポンサーである政府と国民が許す限り、という条件があるが。

だからと言って私は西浦氏を肯定する気にはならない。理由は以下二つの観点から。

一つは社会科学の観点から。
あえて、西浦氏の主張が正しかったと仮定する。西浦氏の主張は「このままだと感染者が3500人になるので、経済自粛が必要だ」と理解している。
では、感染者を3500人より下にする(他、多くの条件)ここと、その経済的損失の比較衡量をしたのか。

ちなみに昨日の東京の感染者は270人。

メリット=感染者が少ない+経済状態が良好

デメリット=感染者が多い+経済状態が悪化

西浦氏の主張に乗っかると、何もしないと感染者が増える。ただし(西浦氏が言及しているか知らんが)経済は良好。逆に西浦氏の主張を採用すると、感染者は減る。だが西浦氏が言及していようがいまいが、経済は悪化する。

そこで、西浦氏は、「感染者減少のメリット+経済悪化のデメリット>感染者増加のデメリット+経済良好のメリット」を証明しなければならないはず。

要するに「感染者減少のメリットが、経済的損失のデメリットを上回る」ことの証明。別の言い方をすれば、「そこまで経済を台無しにさせてまで、3500人の感染者を270人にする価値があったのか」ということ。

では失われた価値とは?

多くの失業や倒産・廃業。
自殺者増加。特に女性と若年層。
うつ病の増加。特に高校生。
DVの激増。
1年間大学生活を送れない大学生。
特に下宿住まいの1年生は深刻。

他に、「就職活動がオンライン」なんて相当に深刻だけど、どれくらい認識されているか。

株価が上がっているくらいじゃ割に合わない損失が出ているのだが、今回の緊急事態宣言に限らず、自粛そのものの得失を考えるべきではないだろうか。

仮に西浦氏が「経済は自分は専門ではないので」などと言及を避けたら、それは科学ではない。西浦氏は海外の大学院での経験も長いので先刻承知と思うが、医学でも経済学でも、学問の中の一つの分野にすぎない。その最たる例がアメリカの博士号の正式名称はPh.D(哲学博士)であり、哲学(学問)の一分野である〇〇学の専門家、との建前が守られている。だから、自分の専門の隣接分野で、しかも自分の発言が社会に多大な影響を与え場合に「それは私の専門ではないから」は許されないだろう。

今回の件を具体的に言えば、「いかなる経済的デメリットを出そうが、感染者を減らすメリットが上回る」と証明すべきだろう。
あるいは「経済的デメリットが出るので、そのデメリットを補う補償が必要だ」と主張すべきであり、もし容れられなければ西浦氏の主張はメリット(感染者減少)がデメリット(経済的損失)を上回ることとなり、採用できないこととなる。

そして二つ目は、人文科学の観点から。

そもそも、新型コロナは国家経済を止めるほどの伝染病だといつどこで誰が証明したのか。
確かに初動においては未知の伝染病であり、極端な対応も許されたかもしれない。
しかし、一年たって、多くの事実が積み上げられてきた。日本においてももちろん、欧米においても「少しはマシなスペイン風邪」と評するのが妥当な状況である。

一年前は「コロナはペストのように危険な伝染病かもしれない」だったが、今は「少なくとも日本においてコロナはペストほどではない」との結論になる。

経済そのものを止めるような自粛は「ペストのような危険な伝染病かもしれない」が根拠だったが、それは崩れた。もちろん、「ただの風邪」と切って捨てる気はないが、ではどの程度の危険なのか。それは経済そのものを止めるほどの価値があるのか。

西浦氏が答えるべき論点を端的にまとめる。

今回のコロナ禍で経済を止めるべきだとする根拠は何か。

いまさら「ペストのように危険かもしれない」は通じない。

「西浦博氏は科学者なのか?」への5件のフィードバック

  1. この人の主張は、理論疫学ではなく空論疫学だと思っております。書店に本まで並んでいますけれど。科学雑誌でも不自然に持ち上げられていて、正直、不信感を抱いております。

    「このまま何もしなければ、日本で42万人が死ぬ」と発表した時点で、アウトだと思いました。新型インフルエンザでだって、17万~64万人が死ぬとの試算がありますよ。
    「マスク・消毒・手洗い・うがい、医療的なケアを何もしなければ」、という意味です。

    そういった説明を一切ナシに、こんな数字を一般に向けて公表して。パニックでも起こしたかったのか。

  2. [大木提言#10]完結|死者数から読み解く、本当のコロナとは

    youtubeの書き込み見ると何事か、と思ったので、書き起こししました
    京都大学大学院教授西浦博教授には最後の行だけでも読んでいただきたいです。

    死亡率とは2つあって、1つはinfection fatality rate
    もう1つはcase fatality rate
    case fatality rateとは世界でcoronaの感染者数が1億人
    そのうちで死んだ人が220万人、2.2%
    感染が確定した人の数
    infection fatality rateとは無症候でかかった人の数はもっと多い。
    そうするとこれ1億人じゃなく10億人かもしれない。
    そうするとこれいきなり0.2%となる。
    case fatality rateとは日本は死者は6000人
    感染者が40万人
    6000/40万=1.5%
    世田谷区職員でやったpcr検査、無症状の人5000人やったら50人陽性、50/5000
    50人は熱なし咳なし症状なし
    これが11月から12月までの調査
    通年でいうと5%位いたのかなあと、

    6000/650万(5%)
    総人口の5%
    130000000×0.05=650万
    でも1%だとしたら1億3000万人の1%だったら130万人
    6000/130万=約0.0046
    0.5%だと風邪のちょっと悪いやつ
    非常事態宣言を繰り返すほどのものではない
    日本で死んだcorona死の平均年齢79歳
    このうち、僕の推定も入るが4000-5000人は寝たきり、or 認知症
    4000-5000人はicu、人工呼吸skip、老人保健施設等でみとられる
    これは僕の推定
    これは可能性にすぎない
    でもこういうデータはない、
    出してない
    余録がない限界の人たちが最後にcoronaでとどめをさされた
    毎年日本で死ぬ人は10万人
    そのうち1万人がinfluで死ぬ
    超過死亡、アメリカ、イギリスで10万人単位で死者が増えた
    さて日本は…..減った
    2019に比べて2020は死亡者が1万人減
    日本で非常事態宣言を出すんなら
    なーーんで1万人減るんですか?
    何で減るかというとまず交通事故が減る
    人々が出ないから
    食中毒が減る
    屋台とかないから
    mask、手洗いなどで衛生状態が良くなるから一般的な感染症が減る
    influがなくなってその分coronaで取って代わって、influより死者が少ないからむしろ減っちゃった
    pointは減ったというより増えなかったという点で
    日本はcoronaの死因が36位
    influが31位で、coronaはinfluにも及ばない
    これは超過死亡を見てもわかるし
    go toは緩めて経済はまわし、
    その代わり医療はがっちり受け皿を増やすという体制が超過死亡一つ取ってもわかる
    もし間違っていたら切腹ものだけど僕の言うのはそんなに外れていない

  3. 平均寿命を超えた人1000人のコロナ死と、
    あと50年60年と生きられた人1000人の自殺では
    国家に与えるダメージが大きいのは圧倒的に後者のはずです。
    これを分かりやすく可視化する方法はないものでしょうか。

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