「現実論」を嗤う

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 憲法問題で「現実論」を持ちこむとどうなるか。
どうぞ、自民党と公明党と維新の会が合意できるような憲法草案を考えてください。
としか言いようがない。
自称保守の皆さんは、公明党と妥協する気なのかねえ。

 衆参同日選挙の噂が流れてきましたが、安倍内閣の方針は
「96条だけは改正する」ということになっていて、
「野党の拒否権を認めないのか」という頓珍漢な護憲派と、
「96条改正には絶対反対だ。憲法無効宣言(無効確認、廃棄etc)」という維新の会東軍を中心とした単細胞な意見とに挟撃されている。

 96条改正による「改正要件緩和」自体には今さら反対しない。
護憲派のアホどもは論外として、
「96条だけでも改正すると日本国憲法を認めたことになる」
という意見に関してはあまり言いたくない反論がある。
「何を今さら」。。。

 これは6月末の倉山塾で言うつもりだけど、別に日本国憲法96条を使って日本国憲法を葬り去ることは可能なので。

 さて、本題。
96条改正に関しては
「改正発議要件が3分の2とは厳しすぎる。
だから過半数にする。
中身の事には触れない。
ただ、永久に変えないという訳ではない。
変えるということが出来るようにする。
国民投票の機会が与えられるようにする」
という趣旨で話が始まり進められてきた。

「さすがに絶対に変えないのだとは言えないだろう」
という論でここまで来たのだけど、
96条改正が現実の政治日程に上るようになると如何?

「96条改正阻止議連」までできるし、
「13条絶対護持議連」までできる。
中間派的少数派は、改憲派と護憲派を両天秤にかけたりしている。
その中でも小沢派はさっそく政争の具にしている。

 誤植も含めて一字一句変えたくないという連中と憲法を政局の具にしようとする連中を、衆参両院で三分の一に抑え込むなんてできるのかねえ。

 お手並み拝見。

 96条改正が可能ならば、同時に7条4号も改正すれば良い。

 

 当用条文
第七条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
四  国会議員の総選挙の施行を公示すること。

 改正条文
第七条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
四  国会議員の選挙の施行を公示すること。

 衆参同時選挙でも参議院の半分は残るので、「国会議員の総選挙」はありませんね。
さあ、誤植一文字を削るって、できるかなあ?(嗤)

 憲法問題で「現実的に進められるところから進めよう」などというのは
現実論でも何でもなく、単に現実を見ていない楽観論にすぎない。
それとも公明党の賛成が欲しいから
「平和・人権・民主主義の三大原則は守ります」
「96条改正の代わりに環境権を明記します」
とか、タワケたことをやるの?

 「しょせん日本国憲法の改正にすぎない議論」
をやるくらいなら、自衛隊員の射撃訓練費を増額する方が先だわな。

「「現実論」を嗤う」への0件のフィードバック

  1. 倉山先生の言う事は尤もですね。何も言う事はありません。
    策士ですね〜。
    でも、相変わらず経済界は酷いですよ。
    永住外国人を増やせと言ってるんですから。
    外国人を増やす事に何の意味があるんですか?

  2. まともな新憲法を制定するには、公明党と絶縁するしかありませんね。
    そのためには、衆参同日選挙で自民党の圧勝が必要条件です。
    公明党と絶縁する十分条件は日本人のマインドコントロールを解くことでしょうか。
    日本人のマインドコントロールを解かないと、まともな新憲法は無理です。
    日本人を覚醒させる憲法論議を期待します。

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