こんな記事があった。
書き手は、財務省&日銀への批判派としては最右翼の田村秀男先生。
消費増税の舞台裏で浮上する「日銀法改正」
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2693405/
気になる点は二箇所。
消費増税とセットで日銀法改正案を提案しようと、安倍晋三元首相グループなどが自民党内の説得を進めている。
ホント?
たぶん安倍さんは、インフレ目途(もくと)を達成しない限り増税はまかりならんという趣旨なのだろうけど、
上のように伝わっているとしたら問題ですね。
財務省に対して「日銀法を改正したやるから増税を引っ込めろ」と言うべき筋合いの話なので。そうしないと財務省主流派(というか勝次官)を喜ばせるだけで、良識派(古谷主税局長の他、声をあげていない人)が困る。
不気味なのは、財務官僚の出方である。与野党議員に対して圧倒的な影響力を持つ財務官僚の工作次第では、これまで無関心だった議員も前向きになる可能性がある。財務官僚にとってみれば、まず、最優先する消費増税法案を成立させることだ。ついでに、現行日銀法とともに失われた日銀への支配力を回復できればそれに越したことはない。今はまだ音無しの構えだが、そう小ざかしく計算しておかしくない。
この部分は、つい数ヶ月前の田村さんが日銀以上に財務省を「悪くて強い奴」とみなしていたこととあわせて呼んでください。
ところで高橋洋一さんがこんなこと書いてた。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120423-00000001-gendaibiz-pol
増税とは税率の引き上げであり、税収増加に直結しない。消費税率を引き上げると、最終消費はあまり下がらないので、消費税税収は増加するかもしれない。ところが、経済活動は萎縮して所得税税収や法人税税収は下がるだろう。特に、いまのようなデフレではその公算が高い。実際に前回の消費税増税した1997年以降はそうなっている。
そうした常識は今の財務省にはない。財務省の歴史は長いが、経済成長よりも増税を画策することはこれまでの歴史でもほとんどない。金解禁で大失敗した濱口雄幸や井上準之助ですら増税はしなかった。今の財務省はそうしたよき伝統から乖離している。
「財務省のよき伝統」って。
まあ皆さん読んでください。笑
検証 財務省の近現代史
政治との闘い150年を読む
光文社新書 税込861円
この本の要約を一言。
白川を討て!
高橋洋一先生は今まで財務省の伝統云々などと書いた事は一度もなかった。(と思う。)私は上の記事を読んで、高橋先生も上記の御本を読んだな、と推定しました。日本一の財務省ウオッチャーを自認する彼は倉山先生の出現にちょっと焦ったはずです。高橋先生が読んだとすれば、多くの現役財務省キャリアも読んだでしょう。そろそろクスリがきいてくる頃です。その答えがもうすぐ出ます。
財務省は6月にやる予定だった人事を、延期するのではという話を聞いた事があります。勝次官は今年62歳で定年ですが、法律の特例を使って延長するのではという話がある事を聞きました。
そんな事をしてOBも含め省内で維持出来るのかなと気になってしまいますが・・。
日本のために、増税阻止とデフレ脱却で頑張って行きましょう!
それではまた、宜しくお願いします。
松本様
桜で共演したときに田村先生も高橋先生も興味を示してくれましたので、と勝手に思っています。
藤沢様
いやあ、もうやめてもらわねば。
「検証・財務省の近現代史」拝読しました。
お名前を見て、このブログの管理者と同じではと思い、訪問しました。
ブログの雰囲気が良くも悪くも「国士的」なので、思想的に偏り過ぎた方
かと思いきや、本自体はとてもわかりやすく、今までにない視点から経済・
財政史を捉えていた部分が良かったです。
馬場と近衛、白川こそ財政破綻、不況の真の戦犯であり。、池田勇人の功績に光を当てていた部分がとくに好感を持ちました。
今後の著作に期待します。