いよいよ明日、大きな書店では発売です。
『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』
(新人物往来社、1470円税込)
Amazonで、先行予約始まっています!
ということで、短期集中シリーズではじめます。
「第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?」
え?米英ソ中仏が勝者で、日独伊三国同盟が負けたと教科書で習った?
そうですねえ、“山川さん”というモノ知りな方によると、ファシズムに対するデモクラシーの勝利だったそうで。
特定の誰かさんにだけ都合が良いこの史観を日本人が信じ込まされているから困るのです。
日本にファシズムが成立できたとは驚きですが、ソ連がデモクラシー国だったとはもっと笑い事です。
東欧諸国にとっては、ナチスよりも長くひどいファシズムであるソ連共産主義に支配されるようになったのが、第二次世界大戦にほかならないですから。
結局、「日本はファシズムだ!」と貶めることで得する人がいたのですね。
敗戦利得者どもが!
現代の「歴史論争」って、根源は第二次世界大戦ですから、この大戦によって誰が得をして損をしたのかの検証が、現代の世界を読み解く第一歩です。
第二次世界大戦の勝者は誰だったのかを検証していきます。
さて、戦争の勝敗は何によって決まるでしょうか?
もちろん死傷者も重要です。領土とか財産を奪ったか奪われたかも重要です。
しかし、本質は「目的を達成したか」どうかです。
日本一国史観だと、
「日本ほどひどい目に遭わされた国はない」
「日本は世界で最も戦争の悲惨さを知っているのだ」
あるいは逆に
「日本は世界で最もすばらしいことをした国なのだ」
などと言い出す人がいます。
前者だと、それこそユーゴスラビアで言ったら怒られますね。
人口の一割が死んだのが、大戦中の東欧でしたから。
日本はあれでも4%です。どれだけ悲惨かわかろうものです。
後者に関しては次回。先走って予告をしておくと、私は
「大東亜戦争」と「大東亜聖戦」を昔から使い分けています。
どちらの立場にも聞きたいのですが、全世界、少なくとも戦争参加国すべてを検証したのでしょうか。
「一番」と言うからには、二番以下があるはずですが、何か国中の一番なのでしょうか。
ちなみに今回の私は、「大国の中で」で話を進めます。
第二次世界大戦前後の大国中、最も惨めな負け方をしたのは中華民国です。
まず、日本に首都をあっというまに陥落され、ひたすら被包囲状況の中で引きこもっていました。
ABCD包囲網と言われますが、中華民国重慶政権の蒋介石からすれば自分が包囲されて、ミッドウェーがあと半年遅かったら、
もうソ連がイギリス領インドにでも亡命するしかなかったのですから。
で、日本が劣勢の中で、1943年頃には日本に代わる大国として扱われます。
米ソ英三大国の決定を追認するという役割で。
ところが、この頃にはもうアメリカが露骨に裏切っているのですね。
蒋介石の愚痴。
「我々は共産党に対して軍事的には全勝である。
ところが奴らは宣伝戦にだけは長けている。
アメリカ人はまんまと騙されている。」と。
日本にしたことをマンマ自分がやられる訳です。
で、1945年には国共内戦開始。
アメリカは「平和病」にかかって何の援助もしてくれない。
毛沢東率いる中国共産党はソ連の援助でやりたいほうだい。
哀れ蒋介石は台湾に叩き出されました。
どこが大国だったのだか。
蒋介石率いる中華民国の戦争目的。
中国共産党を殲滅し、日本軍を追い出して中国大陸統一。
どう考えても、大日本帝国以上にみっともない負け方ですね。
あえて日本よりマシだった点をあげれば、敵軍に本土(台湾)を占領されていないので、
訳がわからん憲法を押し付けられないとか、意味不明な復讐裁判をされないとか、
自国を弱体化する教育を強要されないとか・・・かなぁ。
ちなみに、蒋介石が毛沢東を台湾に上陸させなかったのは、根本博中将のおかげです。
ABCD包囲網って対日経済制裁とはちがうのですか?
その通りですが、それは日本人から見てのです。
蒋介石は自分が包囲されているという意識が強いです。
あえて言うなら、蒋介石にとってABCD包囲網とは、「包囲されながらの逆包囲」です。
ところで質問の場合は、ハンドルネームで構いませんので、無記名はお控えください。
大戦当事者でもなかった中共が金も出さずに国連常任理事国に居座っているいる怪…国際連合(United Nations)という誤訳とともに
いよいよ発売開始ですね。鍛冶先生との共著楽しみです。
アミ様
お久しぶりです。
そうですね。都心の本屋では売っていたようです。
ご感想、楽しみにしています。
倉山様
昨日、渋谷のブックファーストにて「総図解・第二次世界大戦」購入いたしました。
棚には4冊ほど置かれており、年配の方が熱心に手にとって棚の前で読んでいらっしゃいました。
昨晩、ざっとではありますが、拝読いたしました。
この本も、まさに教科書になるべき本だと感じました。
ヨーロッパ人から見た世界大戦を理解するために必要な知識が
この本には網羅されていると思います。
またポーランド・フィンランド・トルコ・アルバニアなど、
小国が大戦の中でどのように歴史の中に留まろうとしたか、
米英仏独ソといった大国だけで語られがちな近代史を重層的に描いていると思います。
これを読んでから、山川さんの本を読んでみると、いかに歴史教科書が役に立たないか
よーく分かりますね。
また、各章の冒頭のぴりりと胡椒の利いた一文や、隠し味ともいえる行間がまた作品としての面白さを醸し出しています。
鍛冶先生のコラムも珠玉ですね、ウェデマイヤー、ドゴールなどわずか2ページの中で
彼らの人物が生き生きと浮かび上がってくるようです。
わがままを言えば、戦後処理も戦争の一部だと思います。
この第二次世界大戦の戦後処理が、冷戦から現在までつながっているわけですから
その点について、第9章として書いて欲しかったという気持ちもあります。
今夜から精読しようと思っております。
かしわもち様
すばらしいコメントありがとうございます。
こちらの意図をよく再現してくださってます。
戦後処理ですが、最初はニュルンベルグ&東京裁判で締めるという案もあったのですが、結局「ソ連の暴虐」で終わりました。
ただ、この本の主題の一つが「総力戦とは、相手の総力を打倒するまでやる戦争」ということですので、その要素はかなり詰め込みました。