近代日本政治思想史を四分割する(11)―山本七平と江藤淳

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 最後は保守論客で締めようということでこの二人でした。
 いかに戦後の言論空間が悲惨だったかという意味で。
 もちろん、存命中の人は却下。

 人選では福田恆存という案もありましたが、この思想史コラムの肝が漱石なので、江藤淳になりました。芥川を入れていたらアリだったのですが。
 あと、私が書くとしたらそんなに時間が無い状況が想定されていたので、書きやすい人という事情も。

 仮に福田にしても、最終的に選んだ二人にしてもアンチアカデミズムの評論家、とは決めていました。山本七平の記述って全部、丸山への当てこすりに読めなくもない?

 それはそうと、二人とも自己認識は第三の立場ですね。
 日本を愛するがゆえに日本政府を批判する立場です。
 ところが世の評者が勝手に「日本を愛するために日本政府を批判しないで肯定する」という
第四の立場にしている感がありますが。

 このコラム、最後は完全に「あとがき」になっていますね。意図的ですが。
 ということで、このシリーズの締めくくりとして再掲。

 冷戦は終結したが、日本は敗戦国のままである。オリンピックやワールドカップでは老若男女を問わず日の丸を片手に日本を応援するが、自国のことを自信を持って「我が国」と呼ぶ習慣は廃れた。
 戦後体制を維持するのか、脱却するのか。現代日本における思想的争点となっている。

『総図解 よくわかる日本の近現代史』

(新人物往来社、税込1470円)

好評発売中です。

続編、乞御期待!

「近代日本政治思想史を四分割する(11)―山本七平と江藤淳」への0件のフィードバック

  1. 新年おめでとうございます。
    本年もご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い致します。
    シリーズ完結お疲れ様でした。無料で読める私はラッキーです。
    http://twitter.com/nantatu

  2. 皆様、大してめでたくもないですが明けましておめでとうございます。私も本日、我が御祭神様こと白峰神宮に初詣に行ってきました。今年こそ変な祟りのない平穏な一年であることをお祈りいたします。

  3. 南様
    あなたの正月は4月なので、挨拶は無しで。
    最近は辻立ちを頑張っているようですが、とにかく一人でも多くの人に会って知名度をあげてください。

    叔父さんの息子様
    正月に「おめでとう」と言うのはおめでたいからではなく、おめでたくするから言うのだそうです。日本人は言霊を大事にする民族ですし。
    おめでたくないからこそ、おめでとうと言いましょう♪

  4. sheltem様
    あけましておめでとうございます。
    ご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

  5. 新年明けましておめでとうございます。
    ここでご紹介頂いた江藤先生の著書を今読んでいる最中です。
    倉山先生を始め皆様の幸多きこと祈念申し上げます。
    今後とも、いろいろご教授頂き、一国民として出来ることを考えていきたいと思います。

  6. 佐伯様
    あけましておめでとうございます。
    今年も引き続きお引き立てのほど、よろしくお願いいたします。
    また、半島の情勢などもお聞かせいただければ幸いにございます。

  7. あけましておめでとうございます。
    仕事が決まったら、ぜひ貴殿のイベントに参加したく存じ上げます。

  8. 砦主さま及び常連の皆様

    松の内が過ぎてしまいましたが、明けましておめでとうございます。
    今年もこのサイトで砦主様の歴史講義を拝見して勉強していきたいと思います。
    と、その前に正論特別号を買ってきます。
    とりあえず要用のみにて、これにて失礼します。

  9. Oつか様
    あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いします。
    12日、お待ちしております。

    瀛様
    あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いします。
    お読みになられましたら、7日の記事へのレスお願いしますね。
    って、なぜこの日のレスに。。。

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