この節、全面的にアメリカ崇拝者へのあてこすりですね。そもそも米国が大国になったのは第一次大戦であり、世界の超大国になったのは第二次大戦からなので、それ以前の米国を必要以上に強大な国として描く必要は全くないのです。
モンロー宣言など第一次大戦までヨーロッパ列強は誰も守らなかったとか、中南米研究者の常識なのですが。せいぜい、極めて当事者能力の高かったセオドア・ローズベルトを英独双方が味方につけようとしていた、以上に米国の力を過大評価できないはずです。
はっきり言いましょう。第一次大戦以前の米国は日本と同様に小国です。一番困るのは、敗戦コップレックスを勝手に抱いた老人が、若い世代にそれを押し付けようとすることです。米国史や日米関係史も仔細に検討すると、間違った歴史認識により現在の日本人が不当に自信を喪失している例も多々あるのです。
あと、第一次大戦をめぐる米国の立場を考える上で、メキシコ問題は絶対に避けて通れないですな。米国は、メキシコ革命(というか紛乱の方がふさわしい)への対応に忙殺されて欧州大戦などに関わっていられなかったのであり、ドイツがメキシコに手をつけたから参戦したので。
米国にとっての第一次大戦の意義とは、欧州の没落によるモンロー主義の確立である。モンロー主義の「欧州への不関与」こそ崩れたが、「欧州の南北アメリカ大陸への介入阻止」はむしろ第一次大戦で実体化するのである。
実は六節を書き終えた後にこの節を直したのですが、最後の一文などそうやって挿入しました。人からはよく「とにかくウッドロー・ウィルソンへの悪意だけは伝わります」と言われます。悪意かどうかはわからないですが、現在の人類の不幸は、この人物が作った訳ですから、まちがっても聖人君子としては描けないでしょう。
※国の歴史なんて、たかだか400年、我が国の歴史は2600(はちょっぴし嘘?だとしても、2000)年!
ヨーロッパで、異端宗教として弾圧されて逃げてきた人たちが、銃と幌馬車で作ったのが※国だ。
※国は入ってきた順番によって、民族(でよかったんだっけ)の職業が決まる。
イギリス人は政治家、ドイツ人は警察官・・・ユダヤ人は金貸し・・・ロシア(および、ポーランド)人はタクシー運転手、韓国人はクリーニング屋!
職業の民族による差別っていうより、ただ、その民族が移民してきたときに必要になった職業に就いただけで、(高田馬場にたくさんあるインド人のカレー屋のような、)レストランはギリシャ系が多かったなあ…
一度、その地域・職業に同じ民族が固まると、共同仕入れとかやり易いっていうだけじゃん?!
僕の友達にアフリカの外交官の息子がいたが、当然アフリカに帰りたくないし、なんか職業の特権もないので、一緒にインキュベーター(起業支援施設)で、起業していた。
でも、何代か後には、ふつうの黒人に溶け込んじゃうんだろうな、、、オバマ大統領は偉い!
米国の大国化の始まりは、むしろ米西戦争ではないでしょうか。また嘗ての大国スペインの小国化の駄目押しでもあるでしょう。
それまでは米国が北米から他の地域に覇権を広げるということは、日本の開国への圧力となったのとハワイ領有以外、無かったと思います。
ちょうどマハンの海上権力論と時期を一にしますが、米西戦争を期して、太平洋とアジア、カリブ海に本格的に進出します。
国内的にも、テーラーによって工業の管理が近代化され、フォードの流れ生産方式も開始され近代化が推し進められてゆきました。第1次世界大戦において、米国が連合国の兵站拠点となったのも、これらの近代化があったからでしょう。
蒸気機関が二段膨張になるのもこの頃からで、これによって蒸気軍艦が沿岸用や港内だけの補助動力から脱し、大陸間の移動手段と成り得たのであって、これによって米国が海外進出の足を得たといえます。それまでは欧州だけが世界史の舞台で、そこからは陸続きでない大国などありえなかったでしょう。
そのオバマ大統領ですが、一部の報道では、先日の来日の際、天皇陛下に最敬礼をしたことが随分と叩かれてるらしいです。
あのー、国家元首同士の儀礼として最敬礼をすることがなぜ問題なんでしょうか?まして相手は全世界から「唯一のエンペラー」とまで称えられてる天皇ですよ?君主国は他にもたくさんありますが、その中でも一目置かれてる人ですよ?おそらく天皇と並ぶ君主って、ローマ法王ぐらいでしょう。
もしかして、いまだに彼の国って、戦勝国が敗戦国に敬意を払う必要などないとでも考えてるんでしょうかね?
論題とは違うけど、昨日12/28(土)に倉山先生の帝国憲法講義があった。
CK子、CK子、「CK子には投票”しないで”下さい。」とか、「CK子”以外の人”に投票しよう!」とか、、、うーん、むしろCK子の名前が残ってしまった。というより、耳があんまり聴こえづらい人にはCK子に間違って投票してしまうぞ(というより、対立候補は誰なんじゃ!)?
コカ・コーラとペプシのCMで、ダイエットペプシが出たときに、「コカコーラは効率的です。コカコーラ1本飲めば、ダイエットペプシ100本分のカロリーがあります。」って、宣伝してたけど、結局、お互いにカロリーゼロを出しちゃうし、(僕は安室ちゃんが好き、)、
日本人にはネガティブキャンペーンって不向きだよな、あんまり好まれないし、むしろ、対立候補の応援になってしまう結果も多い?!
本気で潰すなら、全く同じ主張の人を同じ選挙区で出すっていうのが良いのだが、(それで起きたのが皇民党事件で、全国から「竹下登」という人を集めて、島根の衆院選で立候補させようとした、)、
僕らはポジティブに行きたいな。。。
>一番困るのは、敗戦コップレックスを勝手に抱いた老人が、若い世代にそれを押し付けようとすることです。
激しく同意しました。私は去年中国に留学をしていましたが、いまだにそういったものが根づいていて、いつになったらこの負の連鎖を断ち切ることができるのかと考えさせられました。
「歴史認識」は大事なことですが、遺恨をこのまま引きずっていては、よい国は成立しません。
日本も例外ではありません。
〉SCさん
なぜここであえて「むしろ米西戦争ではないでしょうか。」ということが必要なのでしょうか?ほぼ言っていることは同じなのではないでしょうか?
合衆国は80年代以降ずっとジャパンバッシングを続けてきました。
対日赤字とそれを防ぐための日本の米への直接投資が増えて、「日本は経済的な真珠湾攻撃を仕掛けようとしている!」と騒いだ。
人口が2倍近く違うのに、貿易不均衡は日本市場の閉鎖的な構造が問題だと一方的に非難して、日米構造協議や年次改革要望書が叩きつけました。
いまでもアメリカは軍事面では協力的ですが、経済面では日本を嫌っています。
鳩山は普天間問題なりで軍事面でも突っぱねたみたいなので、「トラスト・ミー」も虚しくいよいよオバマは日本を軽視するでしょうね。
新田ひろし さんへ
まあ事実は事実としてなのですが、米国がすでにこの時期に覇権国になったということは重要ですよ。
ポーツマス講和会議での米国の立ち回りもその一環です。日本に恩を売りつつ、ロシアと天秤に掛けることで、アジア介入を図ったわけですよ。
この10年前には、独仏露の三国干渉がありましたが、まだ米国はこれに加わってません。朝鮮半島には介入しようとした形跡はありますが、李朝に追い返されたり、清の圧力に妨害されていますからね。
しかし日露戦争時には、すでに覇権国としての実力を得ています。そしてこれが大東亜戦争への伏線となります。もし、これが第一次世界大戦まで遅れていたなら、ずいぶんと違った形になったかもしれません。日米の戦争は無かったかもしれませんよ。
まあ、それに気が付かなかったのか、気が付いても、それを有効に生かせなかった日本に問題があるのでしょうけどね。