天皇陛下御即位二十周年記念、慶賀にたえません。国民としてお喜び申し上げます。
さて、わたくしの「帝国憲法講義」を主催してくれているQOLさんからの依頼で告知です。
昨日の『夕刊フジ』5面をご覧になられた方はいますか。竹田恒泰先生がAPAの最優秀論文に選ばれたのはご存知かと思いますが、12月8日に授賞式があります(去年は田母神さんで話題に)。慶賀にたえません。いつもお世話になっている感謝を込めて、お喜び申し上げます。
http://www.apa.co.jp/book_report2/index.html
その3日後の12月11日(金)に、目白で竹田先生の講演会があります。題して
「天皇は本当に主権者から転落したのか」
極めて刺激的なお話しかと思います(私は「当然の話じゃないですか」と即答しましたが)。決して深く広い知識がないと理解できない話ではなく、中学生にもわかるように読み解いていただいている内容です。若い人は是非お越しください。詳しくは下記へ。
http://okamura-takeharu.com/modules/eguide/event.php?eid=21
ついでに。それこそ、まさについでに。外国人参政権法案、提出見送られましたね。慶賀にたえん。
しかし、各々方、御油断めさるな!
「體」の字を常用漢字に復活させよう!
国体って書くと、「インターハイ」みたいに(区別できない)思う…
国の根幹のことは「国體」って書こう(身は「体」)…
この辺はGHQの言葉狩りだねえ(彼らは赤だし?)!
今月のSAPIOでとうとう小林よしのりが女系天皇を容認してしまいましたね。よりによって羽毛田長官を擁護してます。
「そもそも天照大神に行き着くのだから女系でいいではないか!」と堂々と書いていましたね。
そして男系論者を「ファンタスティック」などといって徹底的にこき下ろしていました。
ある意味左翼の人々よりもたちが悪いですね。
日本には保守と間違えられる類似品があるので注意したほうがいいですね。
皆さんも気をつけましょう。
竹田先生の論文を読みました。
主権をどの角度から見るかによって変わってくるというのは読むまでまったく気がつかなかったですが、教科書が明治憲法下では天皇が専制政治を行っていたと書いてあることに関しては疑問を感じます。少なくとも高校の歴史の教科書には尾崎行雄の「玉座を胸壁とし詔勅を弾丸とするもの」という天皇ではなく当時の桂内閣を非難するくだりが大きく取り上げられています。本当に教科書が天皇の専制政治を描きたいのなら尾崎の話もしないでしょうし、その後に続く大正デモクラシーももっと治安維持法の話に焦点を合わせてくるのではないでしょうか?
天皇の権力についての規定は、明治憲法では実質権力が与えられていたのに対して日本国憲法では天皇から国民に権力に移りましたが、明治憲法下での天皇の権力は建前であり権力を行使しないことが慣習としてできており、権力を行使したのは終戦の御聖断のみであり新旧の憲法の天皇については実質的には差異がないと書かれていますが、伝家の宝刀は抜くことが出来るから武器になるのだと思います。明治憲法では天皇にはいざという時の絶対的な武器を持っていたからこその終戦の御聖断が可能であったので、現行の天皇の規定では平時では新旧憲法と差異が見えないですが、国家の危機に陥ったときには平時では見えない差異がはっきりと見えると思います。
私は天皇が古代から現代まで持っている天皇の任命権をもっと周知徹底を図るべきだと思います。徳川家康や足利義満を初めとする征夷大将軍も全て政治的には非力なはずの天皇の任命を受けなければ正当な権力者として認められないのです。戦国大名たちも政治的にも軍事的にも非力な天皇などほっといて自らが王朝を立てることもできたのに、我先にと天皇がいる京都への上洛を果たそうとしていることからも日本において天皇の存在がいかに神聖で不可侵であるかを表しています。現代でも、総理大臣は形式的とはいえ天皇の任命を受けなければ正当な代表者になれないのです。このことを国民に知り渡れば、天皇が単なる象徴なだけの存在では無いと思う人もいなくなるはずです。
天皇の御聖断は殿下の宝刀であって、それを抜くときは余程の国難に陥っているときなんだと思う。
できれば、そんな宝刀は使わないで済むというのが、日本にとって一番良いことなんだろう?!
志木さとしさんへ
竹田先生の論文、私も読みました。すごい論文ですね。今まで私もこういった戦前戦後の憲法の変化があまりないことは感じ取っていましたけれども、こうも明確に言葉によって説明された論文を読むと頭の中がロジカルにすっきりした感じを受けます。
ところで、志木さとしさんの感想についてお伺いしてみたいと思うのですが、「私は天皇が古代から現代まで持っている天皇の任命権をもっと周知徹底を図るべきだと思います。」と仰っておりましたが、その意義を教えていただければ幸いです。
これは私もいろいろ思うところはあるのですが、実はそこが現代の日本人に欠けているところではないのかと思うのです。
藪から棒の発言で申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。
>新田ひろし様
小林よしのり氏の意見には私もやや違和感を感じますが、氏の意見については冷静に分析した方が良いと思いますよ。少なくとも、現在の状態は皇室の危機であるという危機意識については、評価すべきではないかと思います。
私は女系容認論に対しては消極的ですが、だからといって断固反対でもないのです。「他に方法がなくなった場合には検討すべき」という程度の認識で充分ではないかというのが私の見解です。
そもそもゴー宣での女系容認論の理論的背景は、高森明勅先生の説にあります。それによると、古制においては内親王にも宮家の創設が認められていたことにあるようです。つまり、「皇位継承は女系を禁止していたのではなく、たまたま2000年間その必要性がなかっただけ」という見方も出来ると思います。
oratory様へ
私が天皇の任命権の周知徹底をした方がよいと思うのは、ずばり天皇の力を誇示すべきだからです。天皇が日本にとって古代から支柱であったはずなのに昨今ではまるでどこかのアイドルかのように皇族の方が扱われていますし、これでは天皇の威厳のかけらすら残らなくなってしまします。これでは国家の危機の際に天皇の力を借りることができなくなってしまいます。
任命権という国家のキーを天皇が古代からずっと持っていることを国民全員に知れ渡れば確固たる権威を作り上げられと考えたからです。
志木さとしさん有難うございます。良く判りました。
因みに事実上同じことかもしれませんが、私は別の表現で考
えを持っています。
と言いますのも、現状以上に誇示することは難しいと考えて
おります。誇示する見返りには必ず反発が出るからです。反
発が出るやり方は必ずしも良い結果を生み出すと思えません
。また、権威についても天皇杯や勲章、イベントをはじめと
する各種ご訪問の様子をみても、著しく権威が落ちているよ
うには思えません。
また、マスコミの取り上げ方もエスカレートになりつつあ傾
向は見逃せませんが、イギリス王室から見ればまだ許せる程
度です。
しかしながら、マイナスの因子を取り除く必要性があるよう
に思えます。実際、権威が落ちているのではなく、マイナス
因子が大きくなっているために権威に影響が出てきているよ
うに見えるのだと思います。
そのマイナスの因子こそが、今回の竹田先生の論文かと思い
ます。すなわち、私は確固たる権威は既に持ち合わせている
と考えております故、権威の誇示とうよりは、誤解を是正
のみを行うべきだと考えています。
そして、その最大の理由は日本人に日本人であることに対して卑屈になってほしくないからです。