「不況だから陰謀論が流行るのではない（倉山塾メルマガより）」への5件のフィードバック

1. 娯楽としての側面もありますよね。
   真剣に捉えていないからこそ、陰謀論は拡散する。

   心理学の世界で有名な案件に「ピザゲート事件」がありまして。コメット・ピンポンというピザ屋の地下室で、少年少女の（性的な）人身売買が行われているという噂。それを真に受けた犯人が、銃火器を持ってコメット・ピンポンを襲撃したんです。可哀想な少年少女を救うために。勿論、そこには誰もいなかったんですけど（←）

   言い換えれば、その陰謀論を真面目に信じたのは、その犯人一人だったとも考えられます。善人or悪人で区分すれば、その犯人は善人でしょう。明らかにバカですが（←）

   面白おかしく人口に膾炙される。それが陰謀論の本質かも知れません。不況に際して盛り上がるように見えるのは、欲求不満の捌け口になるから。それが「誰かを功撃する正当性（免罪符）」として機能し、粗暴な言動に繋がりやすくなる。そうすれば目立ちますから。人々は、“不況時に陰謀論が流行する”という印象を抱くようになりますよね。

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2. 天皇がいるから植民地にされなかったとか、第二次世界大戦後のドイツや朝鮮、ベトナムのように分断されることがなかったとかいうお伽話がまかりとおるのも陰謀論。

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   1. へ～、そういった主張があるんですか。難波大介様はお詳しいですね。そういったサイトで情報収集をなさることが多いんですか？

      私も陰謀論やフェイクニュース、ガセネタの類には手を焼いていて。「アイヌが先住民族だと北方領土返還に有利」とか。「アイヌが先住民族だとロシア軍の侵攻を防げる」とか。
      「アイヌ新法を駆使して日本を守れ！」と喚いてくる輩を目にした時は眩暈がしました。

      旧ソ連軍の、北海道本島上陸を阻止できたのは、樋口季一郎中将が率いる第５方面軍が命懸けで戦ってくれたからです。その後、旧ソ連側は諦めきれなかったのか、ＧＨＱがアイヌ独立を打診してきました。当時の長老達は（今と違って）立派な方々で、「独立はしない。日本国民だから。祖国の復興に尽くす」と追い返したんですけど。

      軍事的裏付けのない国家安全保障など、ただの言葉遊びです。正しい歴史を学びませんと。

      余談：
      その後、アイヌの地主は農地解放の対象になり、土地を追われたんです。ＧＨＱ相手に「我々は敗戦国民だ」と啖呵を切ったのですから、当り前ですけど。
      つまり、アイヌから土地を奪ったのは日本国政府ではなくＧＨＱでした。

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3. 一年以上前の記事に失礼します（＿　＿）
   既にご覧になった方もいるかと存じますが。
   　↓↓↓

   「頭の良い人」は陰謀論にハマるか、学術誌に論文が掲載…「面白くない」研究結果は心理学者を奮い立たせた
   読売新聞 2023/11/03　※２頁目から抜粋

   　「陰謀論を信じやすい」人たちの傾向として強く出たのは、「熟慮性が低い人」ということだ。直感的に物事を判断する人ほど、特にコロナに関する陰謀を信じやすい傾向にあることが分かった。これは「科学的推論」を問う質問や「合理性」を問う質問についても同様の傾向が見られている。逆を返せば「物事を論理的に考えられる人ほど、陰謀論にハマりにくい」（大薗准教授）ことが証明されたというわけだ。

   　また、社会不安や不満が高い人ほど陰謀論にハマりやすいという結果も出た。顕著に出たのは「アノミー（＝世界は悪くなっているという信念）」が強い人ほど、陰謀論に傾倒しやすい傾向にあった。
   https://www.yomiuri.co.jp/national/20231101-OYT1T50199/2/

   ……“システム１”のみで判断を下す人々が高リスク、という結果が出ました。記事タイトルにある通り、面白くない結果（≒予想通りの結果）ではありますが。明確に形にしてもらえるのは有難いです。

   システム１：直感的思考・反射的認知
   システム２：論理的思考・熟考・熟慮

   ＞社会不安や不満が高い人ほど陰謀論にハマりやすい

   ……引用した文章の後半部ですが。これはつまり、「その人の世界観に合致している（≒自分の思想・信条にとって都合の好い情報）」だから、ということですよね。不安に苛まれている人が、「自分は正しい・間違っていない」という（仮初めの）安心感を得られるワケです。まさしく宗教。宗教に救いを求めることと同じ。

   紹介した二つの傾向に関しては、組み合わせた上での相乗効果等は見られないようですが。頭が良い（高学歴）にも関わらず、陰謀論に嵌ってしまう人のことは、二番目の傾向を基軸にすると、説明がしやすそうです。

   社会に対する不信・不安・不満
   　↓
   自分の世界観を裏付ける主張に出会う
   　↓
   「自分は正しい」という自信を得て、
   更にその判断を正当化する理屈を考案
   （自分も他人も上手に騙す）

   ……バカがバカを言っているなら、誰も困らないんですけど。高学歴だったり、実績があって有能だと思われている人がバカなことを言い出すと、事態の収拾が付かなくなりますよね。

   【※】
   　別に宗教自体は否定していません。文化的な側面においては特に重視しています。その民族・国家の歴史・伝統と不可分のものですから。逆に軽んじてはいけませんよね。時代の変化に伴って、世俗社会と共に成長していけない・折り合いを付けられない宗教の場合は、歴史があっても自然に廃れていってしまうと思いますが。

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4. 反ワクチンの研究で、
   ちょっと面白い論文が発表されました。

   冒頭に、『コロナ禍で初めてワクチン反対派になった人の特徴を分析し、陰謀論やスピリチュアリティに傾倒している人がワクチン反対派になりやすく、さらに参政党への支持を高めた可能性を示した』とあって。東大の鳥海不二夫教授を中心とした研究です。
   　↓↓↓

   人はなぜワクチン反対派になるのか
   ―コロナ禍におけるワクチンツイートの分析―
   プレスリリース　掲載日:2024.02.05

   ※終盤から引用
   第3の分析からは、コロナ禍以前からワクチン反対派であったユーザは立憲民主党やれいわ新選組、日本共産党のアカウントをフォローする率が高いのに対して、コロナ禍以降に新規にワクチン反対派になった人々はこうした既存の政党をフォローする傾向が弱いことがわかった。
   しかし、コロナ禍以降に新規にワクチン反対派になった人々は2022年3月から9月にかけて参政党のアカウントをフォローする率が急上昇しており、陰謀論やスピリチュアリティをきっかけとして反ワクチン的態度を持ち、さらに反ワクチンを掲げる参政党への支持を高めた可能性が示唆された。

   これらの結果は、コロナ禍における新たなワクチン反対派は政治的な傾向をベースにしたものではなく、陰謀論やスピリチュアリティをきっかけとしたものであることを示している。しかし、いったん反ワクチン的態度を持つようになると、反ワクチンを掲げる参政党への支持を強め、このことが2022年参院選における参政党の議席獲得に貢献した可能性がある。
   ※全文（↓）
   https://research-er.jp/articles/view/130519

   ……勘違いしないで頂きたいのですが、ここで言っている「反ワクチン」は、新薬に対して懐疑的になっているといったレベルの方ではないです。体質的に合わないので自分は避けたい、といった個人的なレベルでもない。

   それにしても、コロナ以前から反ワク、コロナ以降から反ワクで、傾向がハッキリと分かれるんですね～。考えたこともなかった～（°▽°*

   参政党が、肝心の政治ではなく、陰謀論やスピリチュアリティの盛り上がりにより押し上げられた政党であるというのが、その本質をよく表しており、興味深いと思いました。

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