国民は休業要請に従う必要は無いし、政府は「自粛警察」を制裁せよ

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菅首相は緊急事態を宣言した。

飲食を狙い撃ちにした内容だが、じゃあなんでつい最近までGoToやってた? 色々と学者の論文を並べているが、じゃあGoToやっている間に何をしていた? 寒い時期にコロナが流行るなんて、素人でも予想できた事態だろう?

緊急事態宣言の要諦は、飲食業の夜間営業の自粛。申し訳程度に補償金は出すが、固定費にも満たない業者が多数である。そして、要請に従わない店名を公表することを政令で決定したとか。

憲法学者としての結論。憲法違反である。従う必要なし。

では、コロナが広まっても良いのかと疑問に持つ向きもあろう。しかし、それは憲法学者の関知するところではない。そんなに従ってほしいなら憲法に従って正当な補償金を出すべきである。仮にコロナ禍が拡大したとして、違憲の宣言と命令を出した日本政府の責任である。憲法学者の関知するところではないし、日本政府の違憲の命令と宣言に国民が従わなくても構わないのは、日本政府の上位に存在する憲法の定めるところである。

以下、理由を述べる。最も重要な根拠条文。

第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。

2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

本来不可侵である財産権は、第2項の「公共の福祉」を根拠にした休業要請によって制約されるが、第3項で「正当な補償」との条件を定めている。

この正当な補償をどのように考えているか。固定費に満たない金額を合憲とは言えまい。
あえて合憲の理由を推察する。単なる「要請」であって、強制力がある「命令」ではないので、違憲とは言えないだろう。
ならば、法的拘束力はないので、やはり国民は「要請」に従う必要はない。

ちなみに、今回の緊急事態宣言は、13条幸福追求権、21条集会の自由、22条営業の自由、27条勤労の権利、にも違反する。

通常国会では特措法を改正して罰則を設けるらしい。主な意見は行政罰、過料を想定しているらしい。

この点に関して一点述べる。正当な補償が行われるなど(せめて固定費は政府が補償する)条件次第では、休業要請に過料をかするのは理由なきとは言わない。ただし、他にも条件がある。

いわゆる「自粛警察」への厳罰化である。コロナ禍において、「自粛警察」は多くの人々を脅かし社会不安を煽っている。

政府の都合による不利益の全額補償に満たない額で休業要請に応じられない店が過料ならば、「自粛警察」は科料でなければ量刑の衡平が保てまい。

そもそも政府が前回行った緊急事態宣言も本来ならば違憲の疑いが濃いが、未知のウィルスに対するまさしく緊急事態として容認された。いわば超法規的な容認である。それほどの事態ならば有事である。そのような有事に法を破っている「自粛警察」に対する取り締まりは甘くないか。

火事場泥棒がなぜ普通の泥棒よりも重罰を加えられるのか。一つは、有事における抑止力である。今次コロナ禍において、政府は法に対する信頼を守るためにも、厳罰方針で臨むべきだ。一部の知事に至っては扇動しているのが、論外である。

仮に休業要請に従わない業者が過料なら、「自粛警察」を単なる軽犯罪として扱うのではなく徹底した取り締まりの上、せめて科料で罰するべきである。