石橋湛山と土方成美、どっちが有名？
石橋湛山は戦後は総理大臣になった人なので、日本人は一度は聞いたことがある名前だろう。それでなくても、言論人としても超一流だった。
昭和初期の金解禁に反対し、時流に抗して正論を訴え続けた。金解禁をやると、石橋の言ったとおりに地獄の不況に突入した。そして政権交代すると石橋の言う通りにやったら景気回復した。この時、正論を言っていたのは４人しかいないと言われるが、石橋はその筆頭。石橋の正しさは歴史に残っている。
土方成美は、ほとんどの日本人が知らないだろう。東大経済学部教授で、金解禁を礼賛しまくっていた。権威と権力が大好きな俗物の御用学者で、河合栄治郎と飽くなき派閥抗争を繰り広げた人物としてのみ、一部の歴史家に知られる。知れば知るほど俗物で、褒めるところを探すのが難しい。
石橋は教授ではなかったが、学者。土方は教授だったが、学者ではなかった。