申し訳ないが、可哀そうなくらい護憲派の罠に嵌っている動画がFBでまわってきた。
本人がひたすら善意なだけに、間違った憲法学を教えた人間に怒りを覚える。
「間違った」で悪ければ、
「世界の文明国標準とまったくかけ離れた、日本国憲法学にとらわれた」…
でいい。
曰く、「日本国憲法は平和を願うだけ」
曰く、「平和規定は世界中どこの憲法にでもある」
曰く、「世界中の憲法に国防や軍隊の規定がある。
こういうことを言う時点で、
既に宮沢俊義教祖が作った東大憲法学真理教のヘッドギアをつけているのと同じ。
誰の説を参考にしたか、一発でわかるが、
本当にかわいそうなくらいに
「頭の中が日本国憲法」
でできあがっている。
その動画の特徴を挙げると、
- 世界中の憲法を列挙している。
- 中国の憲法まで参考にしている。
- しかし、「憲法」と「憲法典」の違いがわかっていない。
こういうこと言うから、内閣法制局は笑いが止まらず、
戦後レジームにかすり傷一つつけられず安泰、
日本は敗戦国のまま。
何が間違っているか。
何をわかっていないか。
憲法=その国の歴史そのもの。国体。
東大憲法学の用語で実質的憲法。
憲法典=国家経営の最高法として成文化した部分。
東大憲法学の用語で形式的憲法。
東大憲法学ですら、これは区別している。
「芦部の憲法」ですら、最初に出てくる区別。
その区別をサラリと流して、日本国憲法のような憲法典が憲法のすべてだとの詐術を展開するのが東大憲法学(最近は京大憲法学も)なのだが、それでも区別をしている。
件の動画主、見事に罠に嵌っている。
これでは抽象的で何を言っているかわからない人の為に具体的に言うと、
- 憲法典に何か書いてあることって、そんなに大事ですか?
- たとえば中国憲法に人権が列挙してますが、何の意味がありますか?
つまり、憲法典に「人権」とか「国防」って書くこと自体には何の意味もない。
ところが、「日本国憲法には国防の文字が無い!」「国防の文字を書こう!」
と言っても、それでは「日本国憲法には人権が足りない!もっともっと書き込もう!」
という護憲派と同じ。
日本国憲法に「国防」「軍隊」を書き込もうとする改憲派、
日本国憲法に「人権」を付け足そうとする護憲派(加憲派)、
いずれも東大憲法学の掌で踊らされているだけ。
憲法典の文字に書くこと自体には意味が無い。
そんなに軍隊を持ち、国防を全うしたいなら、
最低でも防衛費をGDP2%、5兆円増額
を2年以内に実現すること。
財務省主計局から予算をとれないから憲法改正!
と言っても、内閣法制局は財務省より強いのだから、現実逃避にもならない。
まずは国民が賢くなること。
憲法典論議ではない憲法論議!
憲法と憲法典の違いから知ろう!
左の反対を言ったら正しい=右
ではダメ。
相手が左下だったら、反対を言っても右下になるだけ。
次の倉山塾帝国憲法講義は11月20日(日)だけど、
塾掲示板では毎日勉強と議論が行われているので、
こういう初歩的なことから普及していきたい。