本日発売。
大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』(祥伝社)
同じ祥伝社より、チャンネルくらら土曜レギュラーの江崎道朗先生の新著。
献本いただいたので、ご紹介します。
本書の主題は、東京裁判であり、日米戦争です。
「昔、日本とアメリカが戦争をした」くらいは知っていても、では、そんな昔のことが今の日本に何の関係があるの?と思う若者がたいていでしょう。
簡単に言うと、戦争に負けた日本は、勝ったアメリカがやった東京裁判(名前は裁判だけど、中身はただの決めつけ)で、「悪い国だ」とされて今に至っています。日本では、「東京裁判は出鱈目だ」と言おうものなら、学界から追放です。そんな意見はメディアにものりません。こうした「日本は悪い国だ」という歴史観、あるいは異論を唱えさせない風潮のことを、「東京裁判史観」と言います。
一方の当事者であるアメリカでは、「第二次大戦の戦勝国」であることに疑問を呈することは許されてきませんでした。これを当然と思う人も多いかもしれません。日本でも七十年間、「アメリカ人の立場なら当然そういうだろう」と考えられてきました。
しかし、東京裁判の原因は日米が戦争をしたことです。何の為に?
本書はそれをアメリカ側の立場から解き起こします。
本当に日米戦争はアメリカの利益になったのか? ⇒アメリカ世論の大半やマトモなアメリカ人は誰も日本との戦争など望んでいなかった。それなのに、フランクリン・ルーズベルト大統領は何を考えていたのか?
日米が戦うことによって(共倒れすることによって)、得をする勢力がいたではないか? ⇒ソ連とそのスパイ機関であるコミンテルン!
こうしたことはソ連の動きをスパイした『ヴェノナ文書』の公開で明らかになってきています。では、なぜアメリカはすぐに公開しなかったのか?
- アメリカを左傾化させたニューディール連合!
- アメリカの財務省はソ連のスパイだらけ!
- 実はコミンテルンとアメリカ共産党の動きを察知していた日本の外交官。
などなど、興味深い事実が紹介されています。
江崎先生は日米戦争の見直しを提唱されていますが、現代の日米関係のみならず、今後の日本の道しるべを考えるうえで必要だからです。
これまた江崎先生は強調されていますが、「アメリカは一枚岩ではない」ということ。
東京裁判史観の「勝ったアメリカは正しい国、日本は悪い国だから負けた」という単純極まりない主張には、アメリカ人からも「そういうことを言うとアメリカのために成らない」という声が出始めている事実が紹介されます。
今まで、「日米戦争はアメリカの国益にならなかった」と主張することはタブーでした。日本以上にアメリカの方がきつかった。
ところが、ようやくアメリカで日米戦争と東京裁判の見直しが始まりました。
ご一読をお勧めします。