吉野作造精神―どっちでも良い!

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 昔、吉野作造と言う偉い学者さんがいた。
東京帝国大学法学部教授なのに、『中央公論』をはじめとする同人誌をいくつも持っていて、
そっちの仕事の方が忙しかった。
しかも、たまに『国家学会雑誌』などという仰々しい学会誌でも『中央公論』とほとんど同じ文体で書くような人だった。当然嫌われる。だから「吉野作造は学者じゃない」などとオモテでもウラでも言われていた。

 その知識人気取りの小ざかしい連中が持ち出すのが、「吉野さんは学術的な厳密な議論をしない」。

 デモクラシーの訳語は、民主主義か民本主義か?
どっちでも良い

 日本は天皇主権か国家主権か?
どっちでも良い

 主権という言葉を使うべきか否か?
どっちでも良い

 吉野は「大正デモクラシーのチャンピオン」「民本主義の主唱者」と言われる。
でも、自分の思想の根幹に関わるような議論でも、
どっちでも良い

 吉野先生曰く、
「天皇陛下の名の下に、国民の意見を反映する政治を行なうことが本質ではないか。」と。

 吉野先生、本質ではないことは、どっちでも良い!なのですね。

 徒な議論に労力を費やして知識人気取りする、結論の表層的な言葉に踊らされて中身を考えない。そのような御国のためにならない姿勢を戒めた言葉が、

どっちでも良い!

です。

 表層ではなく、本質を“観”てほしい。そんな想いで書きました。

 

 新宿紀伊国屋をはじめ、都内各所で平積みです。

  誰が殺した?日本国憲法!

(講談社、税込1680円、好評発売中)

 

「吉野作造精神―どっちでも良い!」への0件のフィードバック

  1. くすこ様
    昨日、上念先生のライブに行ってきました。
    金子洋一先生までいらして。笑

  2. 倉山先生の向後の益々の御活躍をお祈り致しております。
    開戦の御聖断や天皇親政という史実を決して無視されない
    先生の信念には日々常々、感服致しております。

  3. >3
    勘違いが激しすぎると、突っ込むのも野暮かもしれませんが。
    倉山氏は東条首相が天皇親政の実現に死力を尽くした忠臣である事実を、
    まるで天皇の側近であった木戸内大臣への忠義であったかのようにしてまで、
    天皇が国のトップであった歴史を無かった事にする立場ですよ。

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