「実質賃金ガー」という経済学をわかっていない人

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以下、有料メルマガにするほどでもない内容。

ただし、経済評論家を名乗る詐欺師にはご用心。学者を名乗る場合もあるので、こらまたご用心。

まず気になったのが、この記事どういうつもりで書いているのだろう。

厚労相、実質賃金マイナス認める 更迭幹部招致は再度拒否

「実質賃金」という言葉を金科玉条のように使う経済評論家って「私は経済学をわかっていません」と自白しているようなものなので、この記事だけだとわからないけど、記者さんがどういう理解をしているのかは気になった。

この記事の本題とは関係ないかもしれないけど、経済学的な結論から言うと、実質賃金が下がるのは必ずしも悪いことではない。国会の論戦やジャーナリズムでも「実質賃金が上がっていない!」「下がった~」「アベノミクスは格差の拡大だ~」という人多いけど、そういう人って小学校の算数できるのかなあ。

ものすごく単純化する(学術用語で言う「モデル」)。

ある月のAさんBさんCさんの月収。

Aさん 30万円

Bさん 20万円

Cさん 0円(失業中)

それが翌月に変化したとする。

Aさん 31万円

Bさん 21万円

Cさん 18万円(就職できた)

AさんやBさんの支出が増えたら、「実質賃金が下がった~」となる。収入が増えたので、「じゃあ今まで貯金に回していた分を少し使ってみよう」みたいになったら。

さて、誰が困るの?

おそろしく話を単純にしているので、これが全部だと思わないでほしいけど、やたらと「実質賃金」という言葉を使いたがる人は経済学を理解していない人が多いので、ご用心。「実質と名目」「マクロとミクロ」って、基本のキだけど、かなり手ごわいので、怪しげな議論に飛びつかないこと。

物事には本筋があるので、自分で専門家にならなくていいからこそ、偽物には騙されないようにした方がいい。

「「実質賃金ガー」という経済学をわかっていない人」への5件のフィードバック

  1. 残念なことに、実質賃金減の原因について就業者数の
    急増と消費増税以外の要因を叫ぶ人で、具体的な数字で
    根拠を示せる人を見たことがありません。

  2. 実質賃金という小難しい単語を使わなくても、急に就業者増えたら平均賃金下がるよね、で普通はピンと来るはずなのですが算数程度の教養がない人が意外に多くてびっくりです。

  3. そもそも安倍首相が「賃金が上がった」というから、おかしくなる。
    安倍さんは口が軽すぎる、言わなくてもいいことを言う。

    政府はそこまで責任を持つ必要がない。
    GDPと失業率には責任があるが。

    ただし、非正規労働者の低賃金に対応しないと、日本の将来はないと断言する。

  4. 実質賃金の求め方はしか言わないからよく分からなくなるのですよ
    名目賃金の求め方が本当に分かっていれば分かります
    名目賃金が上がるって人の増減、労働分配率が変わらなければどういう時に起こるか分かりますか?

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